竹中明洋のレビュー一覧
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この取材力と筆力はすごい。
丁寧に事実関係を調べ、考察されている。
柳川次郎という人間について、少し納得できた気がする。
もちろん、一人の人間を完全に理解することは出来ないし、その生き方に感銘を受けるわけでもないけれども。
戦後の混乱期に彼の暴力を必要とした人は少数であったとしても確かにいて、でも時代は変わり、暴力はむしろ足かせになった。
日本で生きてきたけれども、あるいは日本で生きてきたからこそ、故郷の韓国を思う気持ちはあり、貢献をしたいとも思い、でも暴力で生きてきた彼には、新しい時代のやり方が分からなかったのかもしれない。
彼は、偉大な人間ではない。
彼は、戦後を必死で生き抜いた在日 -
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仲井眞弘多元沖縄県知事(先々代だからすでに「前」ではないんだね)の批評本。タイトル的には、政府の支援と引き換えに辺野古埋め立て承認をしたことに対して批判的な本かと思いきや、そうでもなく、「そう言われているけど実際のところはこういう行動様式だったんだ」ということを解説した形になっている。
自らを「陳情専門職」と表現し、かなり高めのボールを、政府に対しても県職員に対しても投げかけ、しかもそれを政府・与党の要路にしっかり要望、根回しすることで実現していく。今の沖縄振興には間違いなく大きな力になったのだと思う。
一方で辺野古承認についてだが、たしかに「いい正月になる」は非常に印象が悪かったわけだが、も -
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2013年の年末「これはいい正月になる」と言った
仲井真知事(2006年より知事)の発言は目にした。
中国にいた私には、辺野古の基地を容認して、
なぜ、良い正月になると言ったのか?
そのことが、全く 理解できなかった。
沖縄の普天間基地の危険性をなくすということから、
当初1997年には、辺野古への移転が決められていた。
2009年に民主党政権になることで、鳩山首相は「県外移設」を主張。
その時の知事は仲井眞弘多だった。
その民主党の沖縄基地問題に対する経緯を見ている本当に
情けないほど、統治能力がない。
鳩山は、結局「抑止力」と言って、県外移設を断念する。
なんじゃそれという感じだ。
そのこ -
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殺しちゃ嫌よ。
ってな事で、竹中明洋の『殺しの柳川 日韓戦後秘史』
三代目山口組 田岡組長の直参で、初代柳川組組長、韓国出身の柳川次郎の秘史。
鬼頭組(組員100人)へたったの8人で日本刀で殴り込みをかけた事で、山口組随一の武闘派で「殺しの柳川」の異名を持っていた。
しかし、柳川組の解散を機に出身の韓国と日本の橋渡し役と成るため政界、財界、スポーツ界、韓国政界に太いパイプを作り表社会、裏社会に貢献してきたが……。
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極道と言うより真の侠客じゃったんかなと。
個人でここまで国政や色んな界隈への影響力があった事が凄いね。
じゃが、殺しは駄目じゃね。
2019年45冊目 -
Posted by ブクログ
許永中に会いに行くところから始まり、興奮する/ かつて斯界を震撼させた、殺しの軍団柳川組/ 柳川次郎の引退後の人生を掘り下げている/ 在日朝鮮人として生まれ韓国・日本社会の狭間で葛藤する/ 韓国政府の窓口となり日本での工作に参加、大統領とも深い関係になる/ 大阪における民団と総連の暗闘/ 部落解放同盟支部長・飛鳥会小西邦彦、極真会館大山、梶原一騎、東声会町田、男・山根、司馬遼太郎、許永中、亀井静香、名だたる交際録/ 生前は懇意にしていたクセに死んだ途端に手のひらを返して知らんぷりする者がいるなか、山根の潔さはなかなか格好いい/ 四代目山口組体制で相談役として復帰する話、秘書に託したヤクザ復帰を