古市真由美の作品一覧
「古市真由美」の「極北の海獣」「処刑の丘」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
- 作者をフォローする
- フォローすると、この作者の新刊が配信された際に、お知らせします。
無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで100万冊以上配信中!
「古市真由美」の「極北の海獣」「処刑の丘」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
Posted by ブクログ
凄い本に出会ってしまった。という感想しかない。
海獣というのはジュゴンのような〜?という予備知識しかなく、アラスカに到達したロシアの博物学者の冒険譚なのかと思って読み進めた。そしてわかったことは絶滅してしまった動物たち。人間のせいで…ということ。
ほとんど歴史に名を残せなかった人たちで紡がれたこのフィクションは博物学のみならず世界の広さもそこに住まう人間の傲慢さも生きとし生けるものすべての存在価値も考え直されてくれる。そして、訳者先生の淡々としているけれど鋭く的確な品のある文章が私たちに理解の助けを与えてくれた。
著者、訳者、出版社誰も彼にもお礼を叫びたい。
Posted by ブクログ
創作童話集。グリム童話をはじめとする昔話のような、苛烈な結末にならずに、心がほっとあたたかくなるようなやさしいしめくくりのお話が多くて、読んでいてとてもおだやかな気持ちになる。それでいてペイッコの物語のようにちょっとハラハラドキドキすっきり、というのもあるし、波のひみつのようにもの悲しい物語もあるし、心のいろいろな場所に働きかけてくるのがとてもよい。
「春をむかえにいった3人の子どもたち」では、最後の添え書き「一八八九年の春に」を見て胸にくるものがあった。この年、ロシア帝国がフィンランドをロシア化しようときびしい政策を採り始めたのだとのこと。つらいなかでも春を待つ心があふれる物語なのだな。今に