作品一覧

  • 「オカマ」は差別か
    3.0
    1巻1,320円 (税込)
    2001年に『週刊金曜日』に掲載された、東郷健のルポ「伝説のオカマ」のタイトルが差別かどうかをめぐって起こった論争。差別の判定を当事者に限ることに初めて当事者が異論を展開した。
  • 新宿二丁目(新潮新書)
    3.7
    東西約三百m、南北約三百五十mの区画の中に、三百をはるかに越えるゲイバーと、女装系、レズビアン系バーがひしめきあう新宿二丁目。「二丁目」として海外でも有名な、世界最大の多様性を抱えるこの街は、一体なぜ、どのようにして、いつ頃からそうなったのか。自身、そこでゲイバーを経営する著者が、関係者への丹念な取材を積み重ね、知られざる歴史を浮かび上がらせる。決定的街場論。
  • 百年の憂鬱
    4.0
    1巻1,100円 (税込)
    物書き業のかたわらに週一回、ゲイバーを経営している義明。作家としてはすでに書きたいテーマを書き尽くしてしまった感を覚え、気鬱な日々を過ごしていた彼の前に、弱冠二十歳のハーフの美少年、ユアンが現われる。自分への無垢な好意に、暗い情動を突き動かされる義明。当然のように二人は関係を持つ。突然の僥倖に淫する義明だったが、彼には長年のパートナーがいた。 27年の年の差を埋めるように、すべてを欲しがるユアンと、そんな恋愛感情は長くは続かないことを知っている義明。若者のストレートな純愛と老獪な中年の恋愛は当然激しくぶつかり合う。 「どうやったって過去は手に入れることはできないよ」 「いや、俺は全部欲しい」 お互い傷つけ合い、貪り合うような恋。そしてついに終止符が訪れる──。 「これが男と女だったら、そこまで互いを追いつめたりしない気がするわ」(本文より)
  • 欲望問題 人は差別をなくすためだけに生きるのではない
    3.8
    1巻968円 (税込)
    『魔女の息子』で第40回文藝賞を受賞した作家であり、ゲイ・ムーブメントの先駆的役割を果たしてきた著者・伏見憲明が、「人間学アカデミー」(小浜逸郎氏主宰)で語りおろした講義録をもとに大幅に加筆・訂正し書き下ろした渾身の一冊が、この『欲望問題』です。 「痛み」を「正義」とする「差別問題」を、「痛み」も「楽しみ」も等価な「欲望問題」だと読み解き直す<1章──「差別問題」から「欲望問題」へ>。 伏見憲明自身の個人的な体験から生まれた「性別二元制」という捉え方を、15年を経てあらためて自身がその意味を問い、既存のジェンダー論に痛烈な違和を投げかける<2章──ジェンダーフリーの不可解>。 共同性からの自由を目指すのではなく、多様な「欲望問題」を抱える共同性を認め合い、個人の「痛み」を社会に問いかけていくことを不断に繰り返していくという<3章──アイデンティティからの自由 アイデンティティへの自由>。 副題は、「人は差別をなくすためだけに生きるのではない」。「差別がないということ以外にそれを「幸福な状態」と考えうる根拠は何なのか」と著者は問います。実存に根ざした極めて平易な文章でつづられていますが、著者があとがきで書いているようにシンプルな文章で根源的な問いをつきつけた、まさに「パンクロック」な本です。

    試し読み

    フォロー
  • 魔女の息子
    3.8
    1巻880円 (税込)
    ゲイのフリーライター和紀の日常を彩るのは、凄まじくも愛すべきオンナたち。老いらくの恋に燃える母親に接するうち、彼の中で何かがうずき始める……。これはスキャンダルか? プロテストか? 衝撃の内容に業界騒然!

    試し読み

    フォロー
  • 欲望問題 人は差別をなくすためだけに生きるのではない

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    うーん。若いころだともう少しいろいろ考えたし、言えただろうけれど。どうありたいかを考えること自体がかなり意識的なことだけに今となるとぐるぐる回るばかり。差異をどう受け入れるかが自分ごとになってないと言われたらその通りだし。
    特権化と差異の話。生活実感と言上げの行きつ戻りつ。

    0
    2020年11月30日
  • 百年の憂鬱

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    <あらすじ>
    作家業のかたわらゲイバーを経営する義明は、長年のパートナーがいながら、二十歳の美少年ユアンと関係をもつ。義明はユアンの純粋な愛情を狡猾に受け流しながら自らの渇きをいやすが、関係は少しずつ破綻してゆく。

    <感想>
    野村佐紀子さんによる表紙写真のまっすぐな瞳の少年が、ユアンのイメージに重なる。ゲイの恋愛が描かれている本作だが、生々しい描写は一切なく、恬淡としていて的を射た心理描写でさらりと読める。

    恋愛の機微を知り尽くした中年の暗い情欲と、すべてを欲しがる少年の純粋な愛情。どちらにも共感できる。しかし自分は後者寄りの性格なのもあって、義明の老獪さはやっぱり汚いと思える。最後に形勢

    0
    2013年01月03日
  • 欲望問題 人は差別をなくすためだけに生きるのではない

    Posted by ブクログ

    平等とか地域開発とか、

    掲げている側がやってあげるというスタンスがある気がして、sごく気持ちが悪かったけど、
    このほんのいう、みんながしたいっていうことのせめぎあいの調整の問題なんじゃないのかな、って思った。

    むずかしい

    0
    2010年03月22日
  • 魔女の息子

    Posted by ブクログ

    伏見憲明著。読者の置かれている状況で、全く違う感想になると思う。母の行動に戸惑うとき、兄家族と過ごすとき、鏡で自分の老いを実感したとき、誰かに頼ってみようかと思うとき…主人公の気持ちに共感できる部分が多く。(ゲイの部分は違うけどw)名作だと思う。

    0
    2009年10月04日
  • 欲望問題 人は差別をなくすためだけに生きるのではない

    Posted by ブクログ

    命がけで書いたから命がけで読んで欲しい、と帯に書いてある。差別や社会の不公正が気になる人間が、「気持ちよく」読めるような本では、確かにない。読み手の信念を抉りにくる、という意味では確かに読む側も命がけかも。マイノリティは正義とは限らない、というところまではスムーズだったが、あちこちにトラップがあった。少なくともワタシは、現在が彼の言うような「ジェンダーフリーを「過激な思想」とする立場と、ジェンダーの非対称性自体を解消すべしとする立場の、二項対立」であるとは思っていない。…が、まぁ確かにそうなんだよな困ったことに(^^;)

    0
    2009年10月04日

新規会員限定 70%OFFクーポンプレゼント!