伏見憲明のレビュー一覧

  • 欲望問題 人は差別をなくすためだけに生きるのではない
    うーん。若いころだともう少しいろいろ考えたし、言えただろうけれど。どうありたいかを考えること自体がかなり意識的なことだけに今となるとぐるぐる回るばかり。差異をどう受け入れるかが自分ごとになってないと言われたらその通りだし。
    特権化と差異の話。生活実感と言上げの行きつ戻りつ。
  • 百年の憂鬱
    <あらすじ>
    作家業のかたわらゲイバーを経営する義明は、長年のパートナーがいながら、二十歳の美少年ユアンと関係をもつ。義明はユアンの純粋な愛情を狡猾に受け流しながら自らの渇きをいやすが、関係は少しずつ破綻してゆく。

    <感想>
    野村佐紀子さんによる表紙写真のまっすぐな瞳の少年が、ユアンのイメージに重...続きを読む
  • 欲望問題 人は差別をなくすためだけに生きるのではない
    平等とか地域開発とか、

    掲げている側がやってあげるというスタンスがある気がして、sごく気持ちが悪かったけど、
    このほんのいう、みんながしたいっていうことのせめぎあいの調整の問題なんじゃないのかな、って思った。

    むずかしい
  • 魔女の息子
    伏見憲明著。読者の置かれている状況で、全く違う感想になると思う。母の行動に戸惑うとき、兄家族と過ごすとき、鏡で自分の老いを実感したとき、誰かに頼ってみようかと思うとき…主人公の気持ちに共感できる部分が多く。(ゲイの部分は違うけどw)名作だと思う。
  • 欲望問題 人は差別をなくすためだけに生きるのではない
    命がけで書いたから命がけで読んで欲しい、と帯に書いてある。差別や社会の不公正が気になる人間が、「気持ちよく」読めるような本では、確かにない。読み手の信念を抉りにくる、という意味では確かに読む側も命がけかも。マイノリティは正義とは限らない、というところまではスムーズだったが、あちこちにトラップがあった...続きを読む
  • 新宿二丁目(新潮新書)
    新宿二丁目の成り立ちを、関係者への取材や過去に出された研究書を元に明らかにしていく。新宿二丁目について「ある程度知っている人」に取っては面白い内容だけれど、二丁目に関して全く知らない人に取ってはやや難解な部分があるかもしれない。
    個人的に興味深かったのは二点。
    一つは、後書き的な文章の中で書くに当た...続きを読む
  • 新宿二丁目(新潮新書)
    会社に献本されていて何気なく手に取ったのだけど、知らないことだらけだった。三島由紀夫やら美輪明宏やらガンガン出てきて、文豪の集うバーからゲイバーが生まれ、さらに吉祥寺のジャズ文化の起源となるのもここだという。
    雑誌文化を学生時代に追っていた身としては、平凡パンチがなぜかある年代にLGBT総合誌のよう...続きを読む
  • 魔女の息子
    ゲイ当事者のぼくが読んでもよく分からない中年ゲイの心の内を、自伝的に丁寧に描いている作品だった。主人公はハッテン場で出会った彼と、その後どのような関係性を築いていくのか。物語の続きを誰かと一緒に考えたいと思った。
  • 百年の憂鬱
    作者は中村うさぎとの対談でこんなことを言っている。

    「主体的で、対等なジェンダー間での恋愛は果たしてうまくいくのか、自我と自我がジェンダーの差異を挟まずに剥き出しでぶつかり合ったときに、果たしてどういう関係性が可能なのか、というのが一つのテーマでした」

    この本で描かれるのは、中年のゲイ・義明と、...続きを読む
  • 魔女の息子
    40代を目前としたフリーライターでホモの和紀と、父の死後に抑えられていた感情を爆発させるかのように積極的に外出をする高齢の母。

    寂しさを酒と暴力で紛らわしてあっけなく死んでいった父。
    ボーイフレンドのあちらさんの進行する痴呆を見守る母。
    編集者のかおりの未来のない恋愛ごっこ。
    元ソープ嬢で女性実業...続きを読む
  • 魔女の息子
    40前のゲイのフリーライター和紀が、老母の恋愛、亡父との確執、ハッテン旅館でのある男との出会いなどを通して、いろんなものに向き合おうとするお話。

    第40回文芸賞受賞作。

    ゲイのライターが主人公であって、ハッテン行為や同性を好きになったり、HIVが身近な問題であったりと、ゲイ独特の世界・生活が...続きを読む
  • 魔女の息子
    多分、作者の自伝なんだと思うけど、ゲイの孤独がしみじみと伝わってきました
    ゲイじゃなくても孤独なひとは孤独
  • 新宿二丁目(新潮新書)
    <目次>
    序章
    第1章  ”ゲイバー”はいつ日本にできたのか
    第2章  伝説のゲイバー・ブランスウィックの二つの顔
    第3章  「二丁目」のきっかけとなったイプセン
    第4章  淫風の街
    第5章  よそ者たちの系譜
    第6章  零落の時代
    第7章  「要町」と呼ばれたエリア~分断された街
    第8章  ゲイバ...続きを読む
  • 魔女の息子
    発展場、エイズといったゲイの日常よりも母親やBLにハマってる姪、滝ノ川銀子など周辺の人物に興味が湧く
  • 欲望問題 人は差別をなくすためだけに生きるのではない
    予想より興味深く読めた。差別問題ではなく欲望問題というところや、正義があると思っていても社会に許容されることとのバランスというか取り組みが必要という点は面白かった
  • 魔女の息子
    ゲイの性描写がかなりハード。びっくりした。
    でも心の成長の話。
    人との繋がりへの一歩を踏み出すこと。

    主人公のキャラはあんまり好きじゃない。
  • 魔女の息子
    中学だか高校かに読んだのは覚えていたので再読。ちなみに前回読んだときは、ゲイのセックス描写がけっこう詳細だったこともあり、「ゲイのセックスが書いてある作品」という記憶しかなかったが、今改めて読んでみると、主人公のゲイ関係だけではなく、主人公の老いた母親、上司の恋愛関係の変化が書かれている作品だった。...続きを読む
  • 百年の憂鬱
    「坑道を潤すような残響がある」とか言う20歳の男の子にはリアリティを一切感じない。最後のオチは私小説らしくていい。
  • 欲望問題 人は差別をなくすためだけに生きるのではない
    概要
    本書は,「差別問題」を「欲望問題」と捉えることが適切であると至った過程を,著者の経験にもとづいて語る『第1章「差別問題」から「欲望問題」へ』,著者自ら提出した<性別二元制>という図式や,ジェンダーフリー論に対する批判的(再)検討を加えた「第2章 ジェンダーフリーの不可解」,X-MENを題材にあ...続きを読む
  • 欲望問題 人は差別をなくすためだけに生きるのではない
    「欲望問題」についてもっと読みたかった。「ジェンダーフリー」に関する議論が結構長い。つながってはいるとしても。