作品一覧

  • ぼくの心は炎に焼かれる 植民地のふたりの少年
    4.0
    1巻1,870円 (税込)
    1951年のケニア。11歳の白人少年マシューが寄宿学校から自宅の農場へ戻ってくると、家のまわりの柵が以前の2倍の高さになっていた。このところ、白人に〈マウマウ〉と呼ばれる、白人移住者から土地を奪還しようとするキクユ族の武装集団が活動を激化させ、白人の経営する農場に侵入して破壊行為をしたり、農場で働くキクユ族に宣誓を強いて〈マウマウ〉に加入させたりしていたせいだ。 兄弟同様に育った黒人ムゴは、台所で下働きをしている。ムゴは、マシューに頼みこまれて嘘をついて、結果自分が叱られるという目に合うことも。そんなふたりが住む地域にも、マウマウが訪れ、ひそかに黒人たちを支配下におさめ始める…。 同じころ、寄宿学校に転入してきた父親が警察官のランスは、キクユ族は全員がマウマウで信用ならないとマシューに吹き込む。 マシューとムゴの視点で交互に物語は描かれていく。 アフリカの歴史の一場面を知るためにも、また、人はどこまで人を信じられるのか、個人的な信頼関係が社会の大きなうねりの中でいかに損なわれるか、といった普遍的な問題を考えるきっかけとしても価値のある作品。 著者は、南アフリカで育ったカーネギー賞受賞作家。
  • モノクロの街の夜明けに
    4.2
    1巻2,750円 (税込)
    1989年,ルーマニア.独裁が続くこの街で,高校生のクリスティアンは密告者になった.自由を夢見る17歳は,東欧諸国の民主化を伝える海外ラジオに耳をすませ,任務を逆手にとって,世界に真実を知らせようとする――抑圧された人々の祈りが,ついに国を動かすとき.革命の希望と痛みを描く,渾身の歴史フィクション.

    試し読み

    フォロー
  • 熊と小夜鳴鳥
    4.1
    1~3巻1,400~1,699円 (税込)
    ルーシ北部の領主の娘ワーシャは、変わった少女だった。人には見えない精霊を見る力をもっていたのだ。だが母が亡くなり、新しい母アンナがやってきたことで、彼女の運命は一変した。アンナは熱心なキリスト教徒で、精霊を悪魔と呼び、怯え嫌ったのだ。さらに都から派遣された司祭が村人の精霊信仰を禁じたため、本来人々を悪しきものから守っていた精霊たちの力が弱くなってしまった。ある冬、村を極寒と夜の化け物が襲った。ワーシャは精霊を助け、化け物と戦うが……。心のままに自由に生きようとする少女ワーシャの闘いを描く、三部作開幕。
  • 小学館世界J文学館 機関銃要塞の子どもたち
    -
    1巻990円 (税込)
    ※本作品は『小学館世界J文学館』(紙版)に収録されている同タイトルの作品と同じ内容です。 空襲の翌日、ぼくらは「宝物」を手に入れた。 第二次世界大戦下、夜ごとドイツ軍が空襲にやってくるイギリスの港町。チャスは、そんな中をたくましく生きる少年だ。ある日、チャスは撃墜されたドイツの爆撃機の残骸を見つける。中にはドイツ兵の死体があった。しかし、何より魅力的だった発見は「機関銃」だった。こいつをとりはずして、自分たちの武器にしよう。襲ってくるドイツ軍を、この機関銃で倒すんだ! チャスと仲間たちは、こっそり要塞を作り始める。 やがてチャスたちは、生き残ったドイツ兵ルディを要塞にかくまうようになる。敵兵なのに、不思議な連帯感や友情すら芽生え始めたころ、ナチス・ドイツが上陸してくるといううわさが広がった。パニックになる大人たちをふりきって、チャスと仲間たちは自分たちへの要塞へと走った! 児童文学として、これまでになかった形で「戦争」というテーマに取り組んだ傑作。半世紀ぶりの新訳でお届けする!(新訳)  ※この作品は一部カラーが含まれます。
  • 死について! 上 あらゆる年齢・職業の人たち63人が堰を切ったように語った。
    4.7
    1~2巻1,397円 (税込)
    ピューリッツァー賞作家にしてオーラルヒストリーの名手による伝説的インタビュー集、待望の復刊。看護師・刑事・元死刑冤罪者・原爆被爆者・戦争退役軍人・牧師・物理学者など多様な人々が死について語る
  • 死について! 上下合本版 あらゆる年齢・職業の人たち63人が堰を切ったように語った。
    -
    1巻2,585円 (税込)
    “普通の人々”から泉のようによどみなく溢れ出す、強烈な言葉たち――「口述の歴史(オーラル・ヒストリー)」の名手による伝説的インタビュー集、待望の復刊! 救急救命士・元死刑冤罪者・原爆被爆者・退役軍人・物理学者・歌手・HIV感染者・医師・葬儀屋・女優・画家……驚くほど多様な人々が「死」そして「生」について生々しく、切なく、いとおしく語る。 本国2014年刊の新版に寄せられた序文を追加し訳文・注釈を見直した全面改訂版。 「どこまでも読み手の心に突き刺さってくる言葉、言葉、言葉! 人の発する言葉というのは、これほどまでに強烈で、痛烈で、鮮烈で、感動的で、切ないものだったのか」――金原瑞人氏による訳者解説を更新して収録。 ※本電子書籍は、「死について! 上・下」の合本版です。
  • 小学館世界J文学館 子鹿物語
    -
    1巻1,320円 (税込)
    ※本作品は『小学館世界J文学館』(紙版)に収録されている同タイトルの作品と同じ内容です。 少年ジョディと子ジカとの暮らし、そして子ども時代の終わり。 アメリカの開拓地で出会った少年ジョディと子ジカの物語。少年の一家はフロリダ州の自然豊かな土地を開墾して暮らしている。春、冬眠から目覚めたクマのスルーフットが、大事な家畜のブタを殺してしまう。父親とジョディはスルーフットを追いかけて対決するが、もう少しのところで銃が役に立たず逃してしまう。父親は新しい銃を手に入れて、今度こそスルーフットを倒そうと意気込む。家のそばのモミジバフウの木の上からは大人になりたてのアライグマがこちらを見ている。別な日には、父親といっしょにシカの毛針で池を泳ぐバスを釣り上げる。池の向こうでは夕日を受けて金色に染まるシロヅルの群れが優雅なダンスを踊っている。ここは野生の動物と自然がいっぱいの暮らしなのだ。ところがある日、父親は猛毒のガラガラ蛇にかまれてしまう。そこへ野生のシカの親子が通りがかる。とっさに父親は雌ジカを撃ち殺し、肝臓を傷口に当てて毒を吸い出した。そのおかげで父は命をとどめることができた。でもいっしょにいた子ジカはひとりぼっちになってしまった。ジョディは胸が苦しくなって、子ジカを探しに森へと向かった……。 ※この作品は一部カラーが含まれます。
  • タイムボックス
    3.9
    世界の始まりの国・パンゲアで、中に入った人間の時間を止める魔法の箱がつくられた。王様は愛する姫を箱に入れて、いつまでも若く美しいままでいられるようにする。やがてその箱は王や姫の運命を揺さぶり、世界のあり方を大きく変えることに。そしてその呪いは、はるか先の現代にまでふりかかることになるのだった……。時空を超えた壮大な旅を通して、ほんとうの幸せや豊かさに気づかせてくれる1冊。 アイスランドで国民的人気の傑作ファンタジー! フィリップ・K・ディック特別賞受賞の著者による最新刊

ユーザーレビュー

  • ぼくの心は炎に焼かれる 植民地のふたりの少年

    Posted by ブクログ

    小さなほころびをそのままにすると、信用がくずれていき、溝は深まるばかり。疑いが広がるのはたやすいのだ。〈第一回10代がえらぶ海外文学大賞〉ノミネート作品(10代の方はノミネート候補作品の中から投票できます)

    0
    2025年09月02日
  • 熊と小夜鳴鳥

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    久しぶりの翻訳物だったからか、最初取っ付きにくかったけど、気がつけば、【土着の信仰と都からもたらされた正教の狭間で、悪しき物の影がちらつく極寒の地】にどっぷりとハマっていた

    読み終わってみれば領主である父親の分かりにくい愛情とか、継母の寄る方なさとかが哀しい

    0
    2025年05月07日
  • 塔の少女

    Posted by ブクログ

    故郷を守る代償に、故郷を失ったワシリーサ(ワーシャ)。冬の王から与えられた馬(ソロヴェイ=小夜鳴鳥)と共に旅に出る。男装したワーシャはふとした偶然から次兄アレクサンドル(サーシャ)と再会する。サーシャは母方のいとこドミトリーと行動を共にしていた…。

    第2巻のモチーフは"火の鳥"です。そしてワーシャたちの亡き母が"イワン1世の娘だった"という筋立が物語に奥行きを与えて行きます。モスクワへ嫁に行った姉オリガとその娘マーシャも重要な役割を果たします。

    ワーシャがぶつかる難題の数々は余りにも過酷で目を背けたくなる所が多々あるのですが、張り巡らされた伏線が少し

    0
    2024年10月02日
  • 熊と小夜鳴鳥

    Posted by ブクログ

    私好み!大当たり。全3巻でおよそ1600ページの歴史ファンタジー。しかも舞台は1370年頃のロシア(モスクワ大公国)イワン2世〜ドミトリー•ドンスコイの時代。日本では『全く』と言い切ってよいレベルで知られていない。従って人にはお薦めできない(笑)でも面白い!

    著者はアメリカの女性作家。大学でロシア語を勉強し、ロシア留学もしている。そのため本書はロシアの歴史や風土はもちろん、昔話や伝承なども下敷きになっている。第1巻は"麗しのワシリーサ"や"森は生きている"などが隠し味のように織り込まれていて、その辺も私好み。好き!

    主人公ワシリーサ(ワーシャ)は、亡

    0
    2024年10月02日
  • モノクロの街の夜明けに

    Posted by ブクログ

    1989年ルーマニア
    1989 ペレストロイカ、
    ブルガリア、ポーランド、チェコスロバキアと社会主義体制が崩れて、
    ベルリンの壁が崩壊して、
    なのにルーマニアではチャウシェスク大統領の独裁が続いている、
    国が混乱しているときって、ほんとに苦しい。
    勇気を持って行動した人もたくさん亡くなっていく・・・
    そうした人の犠牲の上に新しい世界が広がっていく。
    けれど、それも一概にいいものとは限らない。
    世界はそうして動いていくのだろう。
    願わくば、良い方向に、幸せになれる世界を!

    0
    2024年07月09日

新規会員限定 70%OFFクーポンプレゼント!