武石彰夫の作品一覧
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小説・文芸
小説・文芸
Posted by ブクログ
今昔物語集 本朝世俗篇 (下) 全現代語訳
訳:武石 彰夫
出版社:講談社
講談社学術文庫 2373
上巻につづいて、下巻も奇譚である。
眺めてみると、西洋を含めて、人の考えそうなことは、この下巻につまっている。
たのしい
人間くさい、欲が前にでているどろどろとした話である
それを隠そうともしないところが、古代人はおおらかというか、すましていないところがいい
庵などで、人が孤独死しても、行倒れと同じく、ほうっておかれたようだ。美人が朽ち果てていくような図も描かれること、独居老人の死に際して、亡骸を焼いてもらって祀ってもらえるだけ現代は、良心的で、衛生的な分、まだましなのである。都にある門の二階に、死体をもってこられても何もできないのが、平安京の実体なのである。老いた夫や、妻を見捨てて他の地に移ってしまうなどの話がごろごろとしています。
気になったのは、以下です
・在原業平がつれこんだ女が、鬼に食われてしまった話
・男に連れられていった女が、実は鬼に食われていた話
・昔の妻と寝たら、すでに死んでいたという話
・陰陽師に、家に入ろうとする鬼から守ってもらった話
・間男と一緒に夫を殺した女の話
・羅城門に登ったら死体をみた盗人の話 芥川龍之介の羅生門
・信濃国で、おばを山に捨てに行く話 楢山節考
・故郷に置いてきた妻から怒られている夢をみたら、もどったら正夢だった話
・狗が、人を娶る話 八犬伝?
・常陸国に、溺れた巨人が流れ着いた話 日本版ガリバー
・越後国で、小人が乗ってきた船が見つかった話 一寸法師上陸直後?
・竹取の翁、少女を発見 竹取物語
解説には、仏典などの話がでていたが、興味深かったのは、北辰の話。
北極星と、北斗七星は、ワンセットで、北辰とよばれる。北辰に結びついているのは、妙見菩薩の信仰
極をなす、北辰は、天部にいる仏の象徴なのである
参考付図・系図は上巻と変わらずでした。
<天竺編:原本まえがき>
冒頭にある原本まえがきにある、マップは以下のとおりです
講談社学術文庫では、本朝仏教説話に関する出版はありません
第1巻 天竺 仏教史、仏像霊験説話
第2巻 天竺 霊験説話
第3巻 天竺 霊験説話
第4巻 天竺 因果応報話
第5巻 天竺 因果応報話* ~ここまで講談社学術文庫天竺編(印度編)
第6巻 震旦 仏教史、仏像霊験説話
第7巻 震旦 霊験説話
第8巻 欠 推定 菩薩諸天霊験説話
第9巻 震旦 因果応報話
第10巻 震旦 世俗説話* ~ここまで講談社学術文庫震旦編(中国編)
第11巻 本朝仏教説話 仏教史
第12巻 本朝仏教説話 仏教史、三宝霊験説話、仏像霊験説話
第13巻 本朝仏教説話 仏像霊験説話
第14巻 本朝仏教説話 霊験説話
第15巻 本朝仏教説話 霊験説話
第16巻 本朝仏教説話 観音霊験説話
第17巻 本朝仏教説話 地蔵その他霊験説話
第18巻 欠
第19巻 本朝仏教説話 因果応報話
第20巻 本朝仏教説話 因果応報話
第21巻 欠 推定 皇室関係説話 ~第11巻から第21巻は、講談社学術文庫未出版
第22巻 本朝世俗説話 藤原氏逸話
第23巻 本朝世俗説話 僧俗、剛力話、
第24巻 本朝世俗説話 工芸、医術、陰陽、管弦、詩歌
第25巻 本朝世俗説話 源平武人
第26巻 本朝世俗説話 地方民衆の運命談 ~ここまで講談社学術文庫本朝世俗編(上)
第27巻 本朝世俗説話 霊鬼、狐、野猪の怪異談*
第28巻 本朝世俗説話 滑稽諧謔談
第29巻 本朝世俗説話 盗賊談
第30巻 本朝世俗説話 恋愛、和歌伝説
第31巻 本朝世俗説話 雑記、口碑伝* ~ここまで講談社学術文庫本朝世俗編(下)
いわゆる奇譚は、第5、10、27、31巻にあります。
目次
凡例
巻二十七 本朝 付霊鬼
三条東の洞院の鬼殿の霊の語 第一
川原の院の融の左大臣の霊を、宇陀院見給ふ語 第二
桃園の柱の穴より指し出づる児の手、人を招く語 第三
冷泉院東の洞院の僧都殿の霊の語 第四
冷泉院の水の精、人の形と成りて捕へらるる語 第五
東三条の銅の精、人の形と成りて堀り出ださるる語 第六
在原業平の中将の女、鬼に噉(く)らはるる語 第七
内裏の松原にして、鬼、人の形と成りて女を噉(く)らふ語 第八
官の朝庁に参りたる弁、鬼の為に噉(く)らはるる語 第九
仁寿殿の台代の御灯油取る物来る語 第十
或る所の膳部、善雄伴の大納言の霊を見る語 第十一
朱雀院にして、餌袋の菓子を取らるる語 第十二
近江の国の安義の橋の鬼、人を噉(く)らふ語 第十三
東国より上る人、鬼に値ふ語 第十四
産女南山科に行き、鬼に値ひて逃ぐる語 第十五
正親の大夫__、若き時鬼に値ふ語 第十六
東人、川原の院に宿りて妻を取らるる語 第十七
鬼、板と現じ人の家に来て人を殺す語 第十八
鬼、油瓶の形と現じて人を殺す語 第十九
近江の国の生霊、京に来て人を殺す語 第二十
美濃の国の紀遠助、女の霊に値ひて遂に死ぬる語 第二十一
猟師の母、鬼と成りて子を噉(く)らはむとする語 第二十二
幡磨の国にて、鬼人の家に来て射らるる語 第二十三
人の妻、死にて後旧の夫に会ふ語 第二十四
女、死にし夫の来たるを見る語 第二十五
河内の禅師の牛、霊の為に借らるる語 第二十六
白井の君、銀の提を井に入れて取らるる語 第二十七
京極殿にして、古歌を詠むる音有る語 第二十八
雅通の中将の家に、同じ形の乳母二人在る語 第二十九
幼児を護らむが為に、枕上に蒔きたる米に血付く語 第三十
三善清行の宰相、家渡りする語 第三十一
民部の大夫頼清の家の女の子の語 第三十二
西の京の人、応天門の上に光る物を見る語 第三十三
姓名を呼ばれて、野猪を射顕はす語 第三十四
光有りて死人の傍に来たる野猪、殺さるる語 第三十五
幡磨の国印南野にして、野猪を殺す語 第三十六
狐、大榲の木に変じて射殺さるる語 第三十七
狐、女の形に変じて幡磨安高に値ふ語 第三十八
狐、人の妻の形と変じて家に来る語 第三十九
狐、人に託きて取られし玉を乞ひ返して恩を報ずる語 第四十
高陽川の狐、女に変じて馬の尻に乗る語 第四十一
左京の属邦利延、迷はし神に値ふ語 第四十二
頼光の郎等平季武、産女に値ふ語 第四十三
鈴鹿の山を通る三人、知らぬ堂に入り宿る語 第四十四
近衛の舎人、常陸の国の山中にして歌を詠ひて死ぬる語 第四十五
巻第二十八 本朝 付世俗
近衛の舎人共稲荷詣でして、重方女に値ふ語 第一
頼光の郎等共、紫野に物を見る語 第二
円融院の御子の日に参りたる曾禰吉忠の語 第三
尾張守__の五節所の語 第四
越前守為盛、六衛府の官人を付語 第五
歌読元輔、賀茂の祭に一条の大路を渡る語 第六
近江の国の矢馳の郡司の堂供養の田楽の語 第七
木寺の基僧、物咎めに依りて異名付く語 第八
禅林寺の上座の助泥、破子を欠く語 第九
近衛の舎人の秦武員、物を鳴らす語 第十
祇園の別当の戒秀、誦経に行なはるる語 第十一
或る殿上人の家に忍びて名僧通ふ語 第十二
銀の鍛冶の延正、花山院の勘当を蒙ぶる語 第十三
御導師仁浄、半物に云ひ合ひて返さるる語 第十四
豊後の講師、謀りて鎮西より上る語 第十五
阿蘇の史、盗人に値ひて謀り遁るる語 第十六
左大臣の御読経所の僧、茸に酔ひて死ぬる語 第十七
金峰山の別当、毒茸を食ひて酔はぬ語 第十八
比叡の山の横河の僧、茸に酔ひて誦経する語 第十九
池の尾の禅珍内供の鼻の語 第二十
左京の大夫__、異名付く語 第二十一
忠輔の中納言、異名付く語 第二十二
三条の中納言、水飯を食ふ語 第二十三
穀断の聖人、米を持ちて咲はるる語 第二十四
弾正の弼源顕定、?(まら)を出だして咲はるる語 第二十五
安房守文室清忠、冠を落して咲はるる語 第二十六
伊豆守小野五友の目代の語 第二十七
尼共、山に入り茸を食ひて舞ふ語 第二十八
中納言紀長谷雄の家に狗を顕はす語 第二十九
左京の属紀茂経、鯛の荒巻を大夫に進る語 第三十
大蔵の大夫藤原清廉、猫を怖るる語 第三十一
山城介三善春家、蛇に恐づる語 第三十二
大蔵の大夫紀助延の郎等、唇を亀に咋はるる語 第三十三
筑前守藤原章家の侍錯ちする語 第三十四
右近の馬場の殿上人の種合せの語 第三十五
比叡の山の無動寺の義清阿闍梨の嗚呼絵の語 第三十六
東人、花山院の御門を通る語 第三十七
信濃守藤原陳忠、御坂に落ち入る語 第三十八
寸白、信濃守に任じて解け失する語 第三十九
外術を以て瓜を盗み食はるる語 第四十
近衛の御門に人を倒す蝦蟆の語 第四十一
兵立つる者、我が影を見て怖れを成す語 第四十二
傅の大納言の烏帽子を得たる侍の語 第四十三
近江の国の篠原の墓穴に入りたる男の語 第四十四
巻第二十九 本朝 付悪行
西の市の蔵に入りたる盗人の語 第一
多衰丸調伏丸二人の盗人の語 第二
人に知られぬ女盗人の語 第三
世に隠れたる人の聟と成りたる__語 第四
平貞盛の朝臣、法師の家にして盗人を射取る語 第五
放免共、強盗と為り人の家に入りて捕へらるる語 第六
藤大夫__の家に入りたる強盗捕へらるる語 第七
下野守為元の家に入りたる強盗の語 第八
阿弥陀の聖、人を殺して其の家に宿り殺さるる語 第九
伯耆の国府の蔵に入りたる盗人殺さるる語 第十
幼児、瓜を盗み父の不孝を蒙ぶる語 第十一
筑後の前司源忠理の家に入りたる盗人の語 第十二
民部の大夫則助が家に来たる盗人、殺害の人を告ぐる語 第十三
九条堀河に住む女、夫を殺して哭く語 第十四
検非違使、糸を盗みて見顕はさるる語 第十五
或る所の女房、盗みを以て業と為し見顕はさるる語 第十六
摂津の国の小屋寺に来て鍾を盗む語 第十七
羅城門の上層に登りて死人を見たる盗人の語 第十八
袴垂、関山にして虚死にして人を殺す語 第十九
明法博士善澄、強盗に殺さるる語 第二十
紀伊の国の晴澄、盗人に値ふ語 第二十一
鳥部寺に詣でたる女、盗人に値ふ語 第二十二
妻を具して丹波の国に行く男、大江山にして縛らるる語 第二十三
近江の国の主の女を美濃の国に将て行きて売りたる男の語 第二十四
丹波守平貞盛、児干を取る語 第二十五
日向守__、書生を殺す語 第二十六
主殿の頭源章家、罪を造る語 第二十七
清水の南辺に住む乞食、女を以て人を謀り入れて殺す語 第二十八
女、乞丐に捕へられて子を棄てて逃ぐる語 第二十九
上総守維時の郎等、双六を打ちて突き殺さるる語 第三十
鎮西の人、新羅に渡りて虎に値ふ語 第三十一
陸奥の国の狗山の狗、大蛇を咋ひ殺す語 第三十二
肥後の国の鷲、蛇を咋ひ殺す語 第三十三
民部の卿忠文の鷹、本の主を知る語 第三十四
鎮西の猿、鷲を打ち殺して、恩を報ぜむが為に女に与ふる語 第三十五
鈴香の山にして、蜂、盗人を螫し殺す語 第三十六
蜂、蜘蛛に怨を報ぜむとする語 第三十七
母牛、狼を突き殺す語 第三十八
蛇、女陰を見て欲を発し、穴を出でて刀に当たりて死ぬる語 第三十九
蛇、僧の昼寝の?を見て呑み、婬を受けて死ぬる語 第四十
巻第三十 本朝 付雑事
平定文、本院の侍従に仮借する語 第一
平定文に会ひたる女、出家する語 第二
近江守の娘、浄蔵大徳と通ずる語 第三
中務の太輔の娘、近江の郡司の婢と成る語 第四
身貧しき男の去りたる妻、摂津守の妻と成る語 第五
大和の国の人、人の娘を得る語 第六
右近の少将__、鎮西に行く語 第七
大納言の娘、内舎人に取らるる語 第八
信濃の国の姨棄山の語 第九
下野の国に住み、妻を去りて後返り棲む語 第十
品賤しからぬ人、妻を去りて後返り棲む語 第十一
丹波の国に住む者の妻、和歌を読む語 第十二
夫死にたる女人、後に他の夫に嫁がざる語 第十三
人の妻、化して弓と成りて後、鳥と成りて飛び失する語 第十四
巻第三十一 本朝 付雑事
東山科の藤尾寺の尼、八幡の新宮を遷し奉る語 第一
鳥羽の郷の聖人等、大橋を造りて供養する語 第二
湛慶阿闍梨還俗して、高向公輔と為る語 第三
絵師巨勢広高、出家して還俗する語 第四
大蔵の史生宗岡高助、娘を傅く語 第五
賀茂の祭の日、一条の大路に札を立てて見物したる翁の語 第六
右少弁師家の朝臣、女の死に値ふ語 第七
灯火に影移りて死にたる女の語 第八
常澄安永、不破の関にして夢を見る語 第九
尾張の国の匃経方(まがりのつねかた)、妻の事を夢に見る語 第十
陸奥の国の安倍頼時、胡国に行きて空しく返る語 第十一
鎮西の人、度羅の島に至る語 第十二
大峰を通る僧、酒泉郷に行く語 第十三
四国の辺地を通る僧、知らぬ所に行きて馬に打ち成さるる語 第十四
北山の狗、人を妻と為す語 第十五
佐渡の国の人、風の為に知らぬ島に吹き寄せらるる語 第十六
常陸の国の__郡に寄りたる大きなる死人の語 第十七
越後の国に打ち寄せられたる小船の語 第十八
愛宕寺の鐘の語 第十九
霊巌寺の別当、巌を砕く語 第二十
能登の国の鬼の寝屋島の語 第二十一
讃岐の国の満農の池頽したる国司の語 第二十二
多武峰、比叡の山の末寺と成る語 第二十三
祇園、比叡の山の末寺と成る語 第二十四
豊前の大君、世の中の作法を知る語 第二十五
打臥の御子の巫の語 第二十六
兄弟二人、萱草紫菀を殖うる語 第二十七
藤原惟規、越中の国にして死ぬる語 第二十八
蔵人の式部の拯貞高、殿上にして俄かに死ぬる語 第二十九
尾張守__、鳥部野に人を出だす語 第三十
太刀帯の陣に魚を売る嫗の語 第三十一
人、酒に酔ひたる販婦の所行を見る語 第三十二
竹取の翁、女児を見付けて養ふ語 第三十三
大和の国の箸の墓の語 第三十四
元明天皇の陵を点じたる定恵和尚の語 第三十五
近江の鯉と鰐と戦ふ語 第三十六
近江の国の栗太の郡の大柞の語 第三十七
解説
参考付図・系図
ISBN:9784062923736
判型:文庫
ページ数:760ページ
定価:2460円(本体)
2016年08月11日
Posted by ブクログ
今昔物語集 本朝世俗篇 (上) 全現代語訳
訳:武石 彰夫
出版社:講談社
講談社学術文庫 2327
本朝世俗編は、たのしい。線香臭くないのがいい。この巻を読むために他の3冊を購入したといってもいい。
第二十二巻 藤原歴代史
第二十三巻 力自慢、怪力娘の話
第二十四巻 安倍晴明など、陰陽師、式神。和歌の話がたくさんのっている、ちょっとうれしい
第二十五巻 平将門から、後三年の役(寛治元年:1087年)まで、これにより、今昔物語は1120年以降の成立と推定されている
第二十六巻 盗賊などの話
寄進などの争奪戦で、お寺は、霊験あらたかな話が当時量産されたとあり、案外、本書は、宣伝のためにつかわれたかも、陰陽師の話で、本文がないのも、仏教の布教におもわしくないからかもしれない。欠とは、あきらかに、成立後に消去された可能性は高い。なんともったいないことだ。
解説、参考付図・系図がついているが、けっこう役に立つ
〇解説
曼荼羅がついている(胎蔵界である、金剛界はどこいったのでしょうか?)⇒
金剛界が「仏の智慧(ちえ)」を象徴し、胎蔵界が「仏の慈悲(じひ)」を象徴しているとのことです。説話には、智慧ではなく、慈悲のほうなのかもしれません。
〇略図
平安京は、三重構造になっている。
内裏略図、大内裏略図、平安京図、京都近郊図 と段々範囲がひろがっていく。その中核にあるのが、内裏である。無数の院、殿、神社、門の名前や、通り(大路という)
〇官位相当表
正一位から、少初位下まで、30階級
官、省、職・坊、寮、司、監署、台、衛府、按察使、検非違使、勘解由使、後宮
〇系図
皇室
源氏 清和56、村上62、嵯峨52、淳和53、宇多59 (番号は、代をあらわす)
平氏 桓武50、仁明54、文徳55、光孝58
藤原氏 南家、北家、式家 藤原の本流は、北家で、道長へ続いていく
皇室と藤原氏との関係系図
<天竺編:原本まえがき>
冒頭にある原本まえがきにある、マップは以下のとおりです
講談社学術文庫では、本朝仏教説話に関する出版はありません
第1巻 天竺 仏教史、仏像霊験説話
第2巻 天竺 霊験説話
第3巻 天竺 霊験説話
第4巻 天竺 因果応報話
第5巻 天竺 因果応報話* ~ここまで講談社学術文庫天竺編(印度編)
第6巻 震旦 仏教史、仏像霊験説話
第7巻 震旦 霊験説話
第8巻 欠 推定 菩薩諸天霊験説話
第9巻 震旦 因果応報話
第10巻 震旦 世俗説話* ~ここまで講談社学術文庫震旦編(中国編)
第11巻 本朝仏教説話 仏教史
第12巻 本朝仏教説話 仏教史、三宝霊験説話、仏像霊験説話
第13巻 本朝仏教説話 仏像霊験説話
第14巻 本朝仏教説話 霊験説話
第15巻 本朝仏教説話 霊験説話
第16巻 本朝仏教説話 観音霊験説話
第17巻 本朝仏教説話 地蔵その他霊験説話
第18巻 欠
第19巻 本朝仏教説話 因果応報話
第20巻 本朝仏教説話 因果応報話
第21巻 欠 推定 皇室関係説話 ~第11巻から第21巻は、講談社学術文庫未出版
第22巻 本朝世俗説話 藤原氏逸話
第23巻 本朝世俗説話 僧俗、剛力話、
第24巻 本朝世俗説話 工芸、医術、陰陽、管弦、詩歌
第25巻 本朝世俗説話 源平武人
第26巻 本朝世俗説話 地方民衆の運命談 ~ここまで講談社学術文庫本朝世俗編(上)
第27巻 本朝世俗説話 霊鬼、狐、野猪の怪異談*
第28巻 本朝世俗説話 滑稽諧謔談
第29巻 本朝世俗説話 盗賊談
第30巻 本朝世俗説話 恋愛、和歌伝説
第31巻 本朝世俗説話 雑記、口碑伝* ~ここまで講談社学術文庫本朝世俗編(下)
いわゆる奇譚は、第5、10、27、31巻にあります。
目次
凡例
巻二十二 本朝
大織冠、始めて藤原の姓を賜はる語 第一
淡海公を継ぐ四つの家の語 第二
房前の大臣、北家を始むる語 第三
内麿の大臣、悪しき馬に乗る語 第四
閑院の冬嗣の右大臣并に子息の語 第五
堀河の大政大臣基経の語 第六
高藤の内大臣の語 第七
時平の大臣、国経の大納言の妻を取る語 第八
巻二十三 本朝
平維衡同じき致頼、合戦をして咎を蒙る語 第一
左衛門尉平致経、明尊僧正を導く語 第二
陸奥の前司橘則光、人を切り殺す語 第三
駿河の前司橘季通、構へて逃ぐる語 第四
尾張の国の女、美濃狐を伏する語 第五
尾張の国の女、細畳を取り返す語 第六
比叡の山の実因僧都の強力の語 第七
広沢の寛朝僧正の強力の語 第八
大学の衆、相撲人成村を試むる語 第九
相撲人海恒世、蛇に会ひて力を試むる語 第十
相撲人私市宗平、鰐を投げ上ぐる語 第十一
相撲人大井光遠が妹の強力の語 第十二
相撲人成村、常世と勝負する語 第十三
兼時敦行競馬の勝負の語 第十四
巻二十四 本朝 付世俗
北辺の大臣、長谷雄の中納言の語 第一
高陽親王、人形を造りて田の中に立つる語 第二
小野宮の大饗に九条の大臣、打衣を得る語 第三
爪の上に於て勁刷を返す男と針を返す女の語 第四
百済川成と飛弾の工と挑む語 第五
碁擲の寛蓮、碁擲の女に値ふ語 第六
典薬の寮に行きて病を治する女の語 第七
女、医師の家に行きて瘡を治して逃ぐる語 第八
蛇に嫁ぐ女を医師治する語 第九
震旦の僧長秀、此の朝に来て医師に仕はるる語 第十
忠明、竜に値ふ者を治する語 第十一
雅忠、人の家を見て瘡の病有を指す語 第十二
慈岳川人、地の神に追はるる語 第十三
天文博士弓削是雄、夢を占ふ語 第十四
賀茂忠行、道を子の保憲に伝ふる語 第十五
安倍晴明、忠行に随ひて道を習ふ語 第十六
保憲晴明と共に覆ふ物を占ふ語 第十七
陰陽の術を以て人を殺す語 第十八
幡磨の国の陰陽師智徳法師の語 第十九
人の妻悪霊と成り其の害を除く陰陽師の語 第二十
僧登照、朱雀門の倒るるを相ずる語 第二十一
俊平入道の弟、算の術を習ふ語 第二十二
源博雅の朝臣、会坂の盲の許に行く語 第二十三
玄象といふ琵琶、鬼の為に取らるる語 第二十四
三善清行の宰相と、紀長谷雄と口論の語 第二十五
村上天皇と、菅原文時と詩を作り給ふ語 第二十六
大江朝綱の家の尼、詩の読みを直す語 第二十七
天神、御製の詩の読みを人の夢に示し給ふ語 第二十八
藤原資業の作る詩を義忠難ずる語 第二十九
藤原為時、詩を作りて越前守に任ぜらるる語 第三十
延喜の御屏風に伊勢の御息所、和歌を読む語 第三十一
敦忠の中納言、南殿の桜を和歌に読む語 第三十二
公任の大納言、屏風和歌を読む語 第三十三
公任の大納言、白川の家に於て和歌を読む語 第三十四
在原業平の中将、東の方に行きて和歌を読む語 第三十五
業平、右近の馬場に於て女を見て和歌を読む語 第三十六
藤原実方の朝臣、陸奥の国に於て和歌を読む語 第三十七
藤原道信の朝臣、父に送れて和歌を読む語 第三十八
藤原義孝の朝臣、死にて後和歌を読む語 第三十九
円融院の御葬送の夜、朝光の卿和歌を読む語 第四十
一条院の失せ給ひて後、上東門院和歌を読む語 第四十一
朱雀院の女御失せ給ひて後、女房和歌を読む語 第四十二
土佐守紀貫之、子死にて和歌を読む語 第四十三
安陪仲麿、唐に於て和歌を読む語 第四十四
小野篁、隠岐の国に流さるる時和歌を読む語 第四十五
河原院に於て歌読共来たりて和歌を読む語 第四十六
伊勢の御息所、幼き時和歌を読む語 第四十七
参河守大江定基、送り来たりて和歌を読む語 第四十八
七月十五日盆を立つる女、和歌を読む語 第四十九
筑前守源道済の侍の妻、最後に和歌を読みて死ぬる語 第五十
大江匡衡の妻赤染、和歌を読む語 第五十一
大江匡衡、和琴を和歌に読む語 第五十二
祭主大中臣輔親、郭公を和歌に読む語 第五十三
陽成院の御子元良親王、和歌を読む度 第五十四
大隅の国の郡司、和歌を読む語 第五十五
播磨の国の郡司の家の女、和歌を読む語 第五十六
藤原惟規、和歌を読みて免さるる語 第五十七
巻二十五 本朝 付世俗
平将門、謀反を発し誅せらるる語 第一
藤原純友、海賊に依りて誅せらるる語 第二
源充と平良文と合戦する語 第三
平維茂が郎等、殺さるる語 第四
平維茂、藤原諸任を罰つ語 第五
春宮の大進源頼光の朝臣、狐を射る語 第六
藤原保昌の朝臣、盗人の袴垂に値ふ語 第七
源頼親の朝臣、清原__を罰た令むる語 第八
源頼信の朝臣、平忠恒を責むる語 第九
頼信の言に依りて平貞道、人の頭を切る語 第十
藤原親孝、盗人の為に質に捕へられ頼信の言に依りて免す語 第十一
源頼信の朝臣の男頼義、馬盗人を射殺す語 第十二
源頼義の朝臣、安陪貞任等を罰つ語 第十三
源義家の朝臣、清原武衡等を罰つ語 第十四
巻二十六 本朝 付宿報
但馬の国にして鷲、若子を爴(つか)み取る語 第一
東の方に行く者、蕪を娶ぎて子を生む語 第二
美濃の国の因幡河、水出でて人を流す語 第三
藤原明衡の朝臣、若き時女の許に行く語 第四
陸奥の国の府官大夫の介の子の語 第五
継母、悪霊託きたる人の家に継娘を将て行く語 第六
美作の国の神、猟師の謀に依りて生贄を止むる語 第七
飛弾の国の猿神、生贄を止むる語 第八
加賀の国の蛇と蜈と諍ふ島に行きたる人、蛇を助けて島に住む語 第九
土佐の国の妹兄、知らぬ島に行きて住む語 第十
参河の国に、犬頭の糸を始むる語 第十一
能登の国の鳳至の孫、帯を得る語 第十二
兵衛佐上緌の主、西の八条にして銀を見て得る語 第十三
陸奥守に付きたる人、金を見付けて富を得る語 第十四
能登の国の鉄を堀る者、佐渡の国に行きて金を堀る語 第十五
鎮西の貞重の従者、淀にして玉を買ひ得る語 第十六
利仁の将軍若き時、京より敦賀に五位を将て行く語 第十七
観硯聖人、在俗の時盗人に値ふ語 第十八
東に下る者、人の家に宿りて産に値ふ語 第十九
東の小女、狗と咋ひ合ひて互ひに死ぬる語 第二十
修行者、人の家に行き女主を祓へして死ぬる語 第二十一
名僧、人の家に立ち寄りて殺さるる語 第二十二
鎮西の人、双六を打ち敵を殺さむとして、下女等に打ち殺さるる語 第二十三
山城の国の人、兄を射るに、其の箭当らず命を存ふる語 第二十四
解説
参考付図・系図
ISBN:9784062923729
出版社:講談社
判型:文庫
ページ数:592ページ
定価:1880円(本体)
発行年月日:2016年06月
発売日:2016年06月11日
Posted by ブクログ
高校の古典の時間には意味を掴むのでいっぱいだったが、現代語訳なので古典がスイスイ読め、話自体の面白さを味わうことができる。
だいたい一話2.3ページ程度で、この巻だけでも180もの話が連打され、目眩がする。
付霊鬼、怪綺談に興味があって読む。
知らない山小屋に泊まろうとして鬼に食い殺される話が多い。
どの話も最後に一言、教訓めいた総括がなされるのだが、知らない家に泊まってはいけない、ってそりゃそうだろと思う。
また、鬼に襲われるのには道理があるものの、狐や狸は理由なく化かそうとしてくるらしく、ほとんど逆に狐が殺されて話が終わる。
羅生門、藪の中、鼻など芥川作品の元になった話が出てくるほか、聞いたことがないくらい奇妙な展開の話があったりして昔の日本人やべえってなる。
巻第三十一、本朝、付雑事、第十三〜第十五の異郷説話、かくれ里の話が特に好きだ。
Posted by ブクログ
評価は上巻と同じで、「本文は面白い。解説はクソ。」
人間は千年経っても本質的には変化していないのだと感じさせられる。エピソードの範囲も広く、風流の世界から庶民の生活、僧侶の世界、オカルト、武士(侍)など様々な階級の人々を扱っているし、(基本的には京や近畿中心だが)蝦夷の話や東国の様子も扱っている。
一方、解説だけなら2点がつくかも怪しい。
何につけても仏教と絡めようとするが、「今昔」の説話すべてが仏教に通ずるとは思えないし、内容も独りよがりで著者の興味のあることを書いているだけ。あれは「解説」ではない。
物語の背景には当時新興の仏教以外に神道の影響も強く感じられるし、貴族と庶民の生活や価値観の違い、共通点(当時の常識)についても解説が無ければ「今昔」の幅広いエピソードを理解する助けにはならない。
時代背景も、武士の台頭する時代=非貴族階級の活躍や社会不安について論じなければ一部エピソードの残酷さや生きづらさの意味が伝わってこないのでは無いかと思われる。
女性を物語の中心に据えた説話も多く(特に庶民の女性の話もいくつもある)これも当時としては珍しいことのようにも感じるが、その点の解説もないようだ(;解説は途中で読むのをやめたため詳細は不明)。当時の男女の扱いの差は大きく、それぞれの生き方の違いは解説すべき内容だと思うのだが・・。
Posted by ブクログ
他の本に追い越されながら2年ほどかけてゆっくり読んだ作品。
「今昔物語」の内容には文句はないのだが、解説がめちゃくちゃ過ぎて自分が編集なら(解説部分のみ)原稿を破り捨てそうだと思った。古典は、解説で素人の知識を補完してこそ物語をより楽しめると思っているので、そこが欠けている本書の評価は3点になった。
今昔物語は天竺、震旦、本朝の仏教説話、世俗説話をまとめた説話集で、本書は特に本朝(= 日本)の世俗説話(の前半部分)を現代語訳した作品である。
説話は一話完結で、まれに同じ主人公であることがあるが、前話とのつながりはないようにできている。ほとんどの話が2〜3ページ程度の短編なので、短い時間で読みやすい。
中身も、強い相撲取りの世代交代であったり、貴族の恋愛話や怪異譚、武士の日常や合戦、僧の逸話など当時の人々の生活が分かるような”世俗”のものばかりで面白い。
良くなかったのは解説の部分で、最初の出だしから意味が分からない文章が続く。
その後すぐに解説する内容の雲行きが怪しくなり、一部の僧のやたら詳しい経歴や当時の仏教、密教の話など、内部の登場人物とも今昔物語とも関係ない仏教関連の内容が冗長に続き、そのオチ(本作との関連など)が示されないまま今昔物語の概説が唐突な形で入ってくる。
ただ、概略と言っても非常にいい加減な物で、歴史学的な説明も文学的な位置づけもなく、また性懲りも無く仏教系の羅列が出てくる。論理性もないので著者はバカなのかと思ってしまう内容だ。
度々引き合いに出される梁塵秘抄や徒然草については本書との位置づけ、関連性がほとんど語られることが無く、解説とはなんなのか?を考えさせられる。
数ページの意味の無い今昔物語の概説らしき物を経ると再び仏教っぽい内容がちょろちょろ顔を出すつながりの薄い文章が続く。途中、武士の話などが挟まれ、著者的には今昔の内容を順を追っているような気で書いているのだろうが、全く伝わらなかった。
余りに支離滅裂な(というと言い過ぎだが)解説であったので、本文の現代語訳が心配になり調べると、本書の解説は別の本を丸パクりのようで一安心した。それならば本文と合わない解説も得心がいく(納得はしたがヒドいことに変わりはない)。
著者は法政大出身の国文学者で仏教歌謡が専門とのことで仏教関連の解説が場違いに厚いのも著者の専門分野だからだろう。