ふとしたきっかけでサンカの話を知り、興味を持ったので購入。
世間的に「信憑性が疑わしい」と言われることも多いようだが、自分としてはその点はあまり重要ではない。例えば宇宙科学や歴史文化でも、自分の目で判断しようがないという意味では真実かどうかは断定できないので、想いを馳せるという点ではどれも同じだと
...続きを読む思う。
読後の感想として、率直に興味深く読めた。自分が今まで目にしたものの多くは、「サンカは○○の生活様式で、〇〇で…」という解説をする形の情報だった。
この本はエッセイ(ルポ?)もしくは小説に近い。そのため、サンカの民が生きた主体として躍動する様を実感できる。言葉のひとつひとつ、一挙手一投足に強く興味をそそられる。
内容も一辺倒ではなく、短編の形でいくつか違った切り口の話が載っている。とりわけ「山津波」は、読み物としても秀逸で心を打つと思う。
サンカを知らない人でも興味深く読めるであろう1冊。