三角寛のレビュー一覧

  • 山窩は生きている

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    ふとしたきっかけでサンカの話を知り、興味を持ったので購入。

    世間的に「信憑性が疑わしい」と言われることも多いようだが、自分としてはその点はあまり重要ではない。例えば宇宙科学や歴史文化でも、自分の目で判断しようがないという意味では真実かどうかは断定できないので、想いを馳せるという点ではどれも同じだと思う。

    読後の感想として、率直に興味深く読めた。自分が今まで目にしたものの多くは、「サンカは○○の生活様式で、〇〇で…」という解説をする形の情報だった。
    この本はエッセイ(ルポ?)もしくは小説に近い。そのため、サンカの民が生きた主体として躍動する様を実感できる。言葉のひとつひとつ、一挙手一投足に強

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    2019年02月12日
  • サンカ外伝

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    山窩研究の第一人者、三角寛による最初期の山窩小説集。山窩の存在は嘘か誠か…山窩には並々ならぬ浪漫を感じる。独自の言葉を操り、野山を漂泊する民、山窩。本書では、そんな山窩の生活ぶりを犯罪的な見地から浮き彫りにしている。

    血生臭い四編を収録しているが、全てが創作なのか、或いは事実に基づく潤色なのか…

    それにしても、山窩への興味は尽きない。

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    2014年12月07日
  • 山窩は生きている

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    何故か山窩には非常な興味と魅力を感じる。自分自身が社会や組織に縛られ、息苦しさを感じているからだろうか。日本の戦後、高度経済成長期の黎明の頃まで、こうした自由人とも言うべき山窩が存在した事に驚くと共に山窩とは三角寛の創作ではないかといった疑念も湧いてくる。

    山窩を巡る五つの物語と『山窩隠語』と『山窩ことば集』を収録。

    果たして、山窩は実在したのだろうか…

    思い起こせば、子供の頃、近所の河原近くに洞穴があり、人が暮らした痕跡があると話題になった事がある。当時は山窩という存在を知らず、乞食ではと言っていたのだが、もしかしたら、山窩だったのかも知れない。

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    2014年07月18日
  • 山窩奇談

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    日本のノマド。漂流民の系譜は以前読んでいたが、今またとても新鮮に感じる。自然と一体になるように囚われず生きる民の文化が今も底流していることを願うし、その系譜を忘れず生きていくことが必要と感じている。

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    2014年03月14日
  • 山窩奇談

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    山窩研究の第一人者・三角寛による山窩の取材記録集。一説に寄れば、創作とも言われているらしい。

    まぼろしの民とも言うべき山窩。昔から山窩には浪漫をかき立てられる。

    この取材記録集では、山窩と警察との深い関わりが描かれており、非常に興味深い。山窩情報を収集するため、著者は山窩の仲間入りをした経験を持つ国八老人を取材する。国八老人から語られる山窩の真実とは…

    日本のジプシーとも言うべき山窩。昭和初期まで存在したという山窩は、どうして消えてしまったのか。興味は尽きぬ。1966年の著作。

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    2014年02月14日
  • 山窩奇談

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    古からの忍びの末裔で独自の屋外生活を送る野の民・山窩。昭和初期までは存在したというこの人々のことを浅学にてまったく知らず、なんとダイナミックなノンフィクションと興奮して読んだら、なんとこれは彼らをネタに作家が創作した読み物であった! いろいろ吃驚しつつ、しかし、そういう人たちがいたのは事実で、教科書で教える近代史の狭さに入りきらないこれらの事柄が今をまた作っているのだよ…と、もっと学ばなくてはと思ってのでした。

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    2024年01月08日
  • 山窩は生きている

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    戦後まで、こういう、戸籍なく、狩猟採集(+手仕事による少しの収入)によって暮らす人たちが普通に市井にいたということがびっくり!こうした人たちって、今はもういないんだろうか?本当に?当時の、ちょっと、差別的というか、見世物みたいに彼らを扱うメディアの様子は嫌な感じがしたけれど…最近は日本の民俗学を読むことがとても楽しいです。

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    2021年01月11日
  • 山窩は生きている

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    日本にはサンカという浮浪民がいて竹細工作りや犯罪をしていたという。赤松啓介のルポにある非常民とも通じる。戸籍制度に縛られないが故に生活難になったことも分かる。解説で戦後民主主義を否定すべくサンカを筆者が持ち上げた可能性も指摘。

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    2018年10月07日
  • 山窩は生きている

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    戦前まで(または戦後しばらくの間か)の日本には、サンカというような謎めいた社会的集団の存在は知られていた。

    本書含め作者の業績には100%信頼できないものもあるようだが、サンカの存在自体は否定されないのだろう。

    それも含みながら読めば、独特の世界観を楽しめる。

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    2014年09月24日