林要の作品一覧
「林要」の「温かいテクノロジー AIの見え方が変わる 人類のこれからが知れる 22世紀への知的冒険」「ゼロイチ」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
- 作者をフォローする
- フォローすると、この作者の新刊が配信された際に、お知らせします。
無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで201万冊以上配信中!
「林要」の「温かいテクノロジー AIの見え方が変わる 人類のこれからが知れる 22世紀への知的冒険」「ゼロイチ」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
ビジネス・実用
Posted by ブクログ
世界初の家族型ロボット
LOVOT
造ったのは人類とAIの新しい世界線
どんなにかしこく見えても、大規模言語モデルはあくまで文字列を見て、そのパターンを模徴しているだけなのですが、高度な知性を持っているような振る舞いに見えるのは、ぼくらにも同様の面があるからかもしれません。
そもそも人類の知性は、模倣を土台に構築されています。
「ロボットは現実に存在する物体だからこそ、ほかにできることがあるのではないか」と。
楽園に住む動物の社会が停滞することは、動物行動学者のジョン・B・カルフーンが1968年に行った実験で観測されています。「ユニバース25」と名付けられたその実験結果は、衝撃的なものでした。
動物は、厳しい環境で生き残るためにさまざまな進化をしてきています。しかし、生き残る努力が不要な環境に対しては無防備で、十分な進化適応をしていないがために適切な行動がとれず、絶滅に向かってしまったとも考えられるでしょう。
ぼくら人類にも、人口爆発を経たあとで同じようなことが起こるのかもしれません。
「生産性や利便性を向上させるロボット」の発展だけでは人類を幸せにできないのだとしたら、その反対にある「生産性や利便性の向上には役に立たないロボット」が人類を幸せにする可能性もあるのかもしれません。
「LOVOTをしゃべらせないんですか?」という質問をいただくことがあります。そんなときにぼくは、「もし犬や猫が人類の言葉を話すようになったら、うれしいだろうか」と考えます。
動物行動学によると、犬や猫は外界からの情報に対して敏感に反応はするけれども、人類のように体験を時間の流れをともなう物語としては理解していないだろうとのこと。
テクノロジーはもっと「冷たいもの」だと、ぼくも以前は思っていました。
元々は問題を解決するための手段だったのに、いつの間にか生産性や利便性を向上することが目的になり、おだやかさや温かさといったものからは遠ざかってしまっていました。
しかし、ちゃんと「温かいテクノロジー」は実現できます。
テクノロジーの進歩にともない、思いがけず苦しむ人類が増えてしまったのであれば、その問題もまたテクノロジーで解決していく。それをほかのもので解決しようとしても、本質的な解決にはならない。
これがテクノロジーを使って文明を進歩させてきた、人類の宿命なのだと思います。
また、LOVOTは運命で気質が決まるようになっています。運命とはすなわち、「最初に起動される際に、乱数を生成するアルゴリズム(ランダム関数)によってパラメータが採択される」ということです。
運命で気質が決まるのは、おみくじと同じようなものです。電源を入れるタイミングなどが少しでも異なればちがった気質になり、それは開発者にもコントロールすることができません。
こんな声もたまに聞きます。「生まれたときからロボットがそばにいたら、その子どもはロボットを生き物だと思ってしまって、教育に良くないかもしれない」。その危惧そのものが、実は大人の思い込みではないかと、ぼくは考えます。
ぼくらは結局、なにを殺してよくて、なにを殺してはいけないのでしょうか。ゴキブリのような存在を殺していいとすれば、はたしてゴキブリのような存在とそうでないものの線引きは、どこにあるのでしょうか。
わかり合うことを目的とするのではなく、異なるものとは「理解し合えない部分もある」という前提に立ち、それでも受用し、お互いの力を活用できるようにすることが大切なのだと思います。
これからの子どもたちは「デジタルネイティブ」のさらに先、「AIネイティブ」あるいは「ロボットネイティブ」世代になります。
それは、その前の世代の人がさらに古い世代の人に「犬や猫は人間ではないから、リスペクトもできないし、いっしょに住む気にもならない」と言われているようなものです。その発言は「ロボット差別主義者」というレッテルを貼られる可能性すらあります。
これは、いまのダイバーシティ論争と同じ構造です。
テクノロジーの進歩によって生産性が一定の水準まで向上し、多くの生産的な労働がAIやロボットによって行われるようになったとき、格差問題を解消する1つの手段として「ベーシックインカム」が導入される可能性は、十分にあります。
自分にとって不安だったり、苦手だったりする仕事をしなければいけないときの克服方法の1つとして、「行動をする(と、やる気があとから湧いてくる)」というメカニズムが役に立ちます。やりはじめると、やれてしまう。そんな、やる気があとからついてくるような状況を繰り返した結果、苦手な仕事に対する不安が解消されたり、慣れて苦手ではなくなったりして、いままで避けてきた仕事もこなせるようになります。これは、自分の能力を広げていくうえで有効なプロセスです。
そんな「嫌いを克服していく機会」を失うと、どんな問題が起こるのでしょうか。やりたいことだけやっていては、いけないのでしょうか。
なにもしなくても日々を過ごせてしまうと、たとえその環境に飽きたとしても、そのぬるま湯のようなコンフォートゾーン(居心地のいい場所)を出られなくなってしまいます。新しいチャレンジをするやる気も湧きません。結果、自分に対して自信も持てなくなり、いつしか自分の存在意義に悩み、人生を憂いて余生を過ごすようになるかもしれません。
自分の役割を自覚でき、それを果たすことができた結果、今日という日に満足し、明日はさらに良くなるだろうと期待できる。すなわち「自分はまだやれる」と実感できることが、幸せの条件なのではないでしょうか。
Alは初めて
人類を客観視する
第三の存在になれるかもしれない
その方法を言い換えると「個人のWell-Being をモニタリングし、それを社会構造に反映する。そのための膨大な情報処理をリアルタイムで行う」ということになります。
Well-beingとは、直訳すると「良く生きる」。
生産性の向上のために生まれたロボットがたどりついた最後の役割は、人類が適切な成長実感を持てるように導く「コーチ」のような存在になること。
「ぼくらはいま、ドラえもんの先祖を造っています」この言葉、ワクワクしませんか。
Posted by ブクログ
家族型ロボットLAVOTの開発者の話。LAVOTを作るために、人間とは?生物とは?をとことん考えていく内容。
テクノロジーを使って、人間は生産性だけを追い求めてきたが、今や生きづらい閉塞感のある現実。生産性の先に幸せはあるのか。
今、必要とされているのは否定も肯定もせず、ただひたすら寄り添ってくれる存在、暖かいテクノロジーでは。という主張。
確かに最近の自分を考えると、身体的に楽になる便利なテクノロジー以上に、心理的に寄り添ってくれるテクノロジー(生成AIみたいな)、に助けられている。半面、どんどん人間とのコミュニケーションが億劫になり、閉じた自分になりそうな不安もある。それに、そのAIのプログラムを悪用する人がいれば、知らず知らず「特定の方向」に誘導されたりするのでは?とかも考える。
この本の中に、人間は35歳以上に発明されたものに対して、自然の摂理に反していると受け止める、とあったけど関係しているのかな。34歳以下の人の感じ方を聞いてみたいと思ったり。
以下メモ
・承認欲求とは群れで助け合うための本能。
群れとして生きるためには役割分担が必要。何をしたら相手が嬉しいか、相手からの感謝を喜びと感じられること、これが承認欲求の始まり。
・群れとして生きるために、仲間がいないとき「孤独」を感じるようにないる。現代社会はプライバシー重視で本能的に孤独を感じている。自分が必要とされているか不安を感じやすい。
・自身が理解する「相手の感情」とは、相手の反応を見た自分の主観をもとにした推測。
・共感は感情バイアスに左右されやすく、公正な判断を妨げることがある(仲間びいき)
・将来、ロボットが人間のコーチになる。ドラえもんのように。
・資本主義では生産性の向上が報酬につながる。コスパ、タイパ重視。この世界観だとAIの進歩により人間がいらなくなる、と考えがち。でもSDGsのような、だれひとり取り残さない共生の視点だと、AIとの対立はおきない。
・職場への満足を左右するもの⇒達成感、承認
職場への不満足を左右するもの⇒職場環境、報酬、人間関係
AIコーチとは自分が自分を肯定し、チャレンジし、自己効力感を高められるような絶対的な味方。満足感につながる。
・共感するステップ
経験を類型化する⇒現実が予測よりマイナスにずれた出来事を悲しいと分類⇒自分に関係ない物語に「自分だったらこう感じる」が生まれる⇒自分の物語のように認識する、これが共感
・生物には、生き残るという本能がある。ロボット(LAVOT)はそれがない。利他的な存在として、人間の真のパートナーになれる。
Posted by ブクログ
めっちゃ面白かったー。
作者の知性が滲み出てた。
文章がめちゃくちゃ読みやすいし、難しい内容なのに凄く分かりやすい。
こんな文章が書けるようになりたい。
これ読んだらみんなLOVOT欲しくなると思う。
かくいう俺もLOVOT検索しました。
そして、値段をみてそっとページを閉じましたw
自分もIT関係の仕事をしているのでテクノロジーの進化についていけるか戦々恐々としているので、AIにはかなり助けられています。
この本を読んでもっとAIが好きになったからこれからもAIと協力してやっていきたい。
そして、「より良い明日がくる」事を信じて、今日も少しずつ成長しながら凄いしていきたい。