李良枝の作品一覧
「李良枝」の「石の聲 完全版」「李良枝セレクション」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
- 作者をフォローする
- フォローすると、この作者の新刊が配信された際に、お知らせします。
無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで200万冊以上配信中!
「李良枝」の「石の聲 完全版」「李良枝セレクション」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
小説・文芸
小説・文芸
小説・文芸
在日韓国人女性として生まれ日本で生まれ育ち日本語を母語としながら「民族」の違いゆえに日本に馴染めず、韓国に理想を託し出国するも、身体に染み込んだ日本性みたいなものを取りきれずそのため韓国にも馴染めない。日本では「在日文学」として分類されてしまいがちだけれど彼女の小説は世界文学としての普遍性を持っていると思う。「かずきめ」が個人的には胸に迫って来る迫力があり、忘れられない。
Posted by ブクログ
二人の韓国人の目に映った一人の在日朝鮮人の姿が半年間ともに暮らした家の中の様子や近所の景色、思い出話などの中から蘇ってくる。日本に帰ってしまった彼女がまるで亡霊のように浮かび上がる。
日本語を第一言語としている在日の彼女が韓国語に馴染めなかったのは、たんに韓国への嫌悪が原因ではないと主人公は考える。彼女の日本語へのこだわりはおそらく、それが生まれた時から体に染み付いている言葉だからだろう。しかし、かと言って日本語を使っていれば事態は丸く収まるというわけでもない。本人の言葉を借りるなら、言葉の杖が掴めない。彼女とのそんな会話を思い出した主人公は、まるで亡霊から一撃を食らったかのように、話に聞いていた通り言葉がでなくなってしまい、小説は終わる。
ここから分かるのは、二人が突き当たったのは人間と言葉の間に横たわる溝、に関わる根本的な問題であるということだ。母国語であろうが外国語であろうが、言葉を自明のこととして使っている自分を疑わずにはいられなくなったとき、人は思わず言葉を失い、主人公はたとえば小説を語り続けることができなくなったりするだろう。しかしそんな危機の中で由熙が膨大な量のエクリチュールを生み出したという実績は確実に残っている。
Posted by ブクログ
私は冒頭の自分の家に帰る場面でとても違和感を覚えた。たしかに、自分の家に帰ってきたという「実感」はよくある事だが、とてつもなく詳しく書かれすぎていた気がした。ほれは在日韓国人の由煕は「韓国の中にある日本」に近いところ求めているようにおもわれたので、「自分の安心する家」と「自分のアイデンティティの中の祖国」を並列させてかかれていたのではないか。韓国で大学生をしているにつれて、在日韓国人として自分はどこの国の人なのか、どこが祖国なのかというアイデンティティが不安定な中を迷い続けている様はとても心をうつものがあった。反日、反韓の思想の狭間に押しつぶされる女性の声に出せない悲痛な思いが胸を打つ。とても面白い読むべき