そもそもなぜこの本に出会ったかは忘れてしまったが、この時代にアパレル企業、しかもニットの会社を立ち上げるって相当勇気があるなーと。それも気仙沼で。だが、セーターの写真を見て読もうと決めた。
手編みのニットは、いろいろな点で相当の高レベルでないと商品として売れるものにならない。気仙沼は、手編みのニット
...続きを読むを商品として生産し会社として成立させられる諸条件がそろっていた・・・かもしれないけれど、復興もまだまだの環境で、多様な働き方を可能にした上で、きちんと会社になったのは、著者の頑張りなしにはできなかっただろうと思う。
昨今はユニクロや無印良品でそこそこのカシミアのニットが手に入るけれども、単色でデザインはないに等しいし、おしゃれを楽しめるとは言いがたい。だから?今シーズンは模様編みの入った、アランセーターもどきが出回ったけれど、やはり本物の手編みのアランセーターの立体感や質感、存在感にはかなわない。やっぱり、いいものはいい、のですよ。だから、今後もビジネスは続けられると思うけれど。。。ウールのニットだけでは秋冬にしか需要がないってのはどうなのかなぁ。毛糸を作るところからかかわっていくという点はこの会社の商品を作る上で重要ポイントだとは思うが、素材がコットンの糸であっても、売れるんじゃないですかね。それからこの著者で社長の御手洗さん、経歴から言って、社長を辞めても不思議ではないと思うのは私だけだろうか。
個人的なことながら、この会社のニットのデザインをしている三國万里子さんは、私の記憶にある唯一のニット作家。いつか作ってみたいセーターがあって、その編み図をコピーして手元に残したのが3年ぐらい前ですが、確認したら三國万里子さんの本に載っているガンジーセーターで、デザインはエチュードにそっくりでした。でも私が自分で編む日はやってこないかも。。。