作品一覧

  • ファスト化する日本建築
    3.8
    1巻1,155円 (税込)
    早い工法、安い建材、簡単な計画──  最近の建物、 なにかがおかしい!? ・「木」を貼りたがる公共施設 ・写真映えを優先する建築デザイン ・迫るタワマンの「大規模修繕」問題 ・理念のない大阪・関西万博 ……etc. 建築エコノミストが現代日本の建築業界を蝕む「腐敗」を斬る! いま、日本の建築業界の根底が揺らいでいます。 たとえば、有名建築家によって設計された施設が、オープン時には華々しい見た目から話題になったものの、本来なら何十年ともつはずなのに、数年で朽ちてしまい、何億円と補修費用がかかる……というニュースが世間を騒がせています。 また、住宅や商業施設では、石や無垢材といった自然木材を目にする機会は減り、化粧板や合成素材といった「フェイク建材」が巷に溢れ、本物の素材を扱える職人は姿を消しつつあります。 どうしてこのようなことが起こっているのでしょうか。 バブル崩壊以降、社会に余裕がなくなり、建設においても「早い・安い・簡単」、つまり「ファスト」を追い求めた結果、ますます建築業界も疲弊し、社会に悪循環をもたらしている……と説くのは、建築エコノミストの森山高至氏です。そんな建物の「ファスト化」は、わたしたちにもたらすのでしょうか。 そこで本書では、建築文化の成立を歴史から読み解き、ひるがえっていまの建築業界に山積する問題とその原因はなにかを、「住宅」「公共施設」といった身近なところから、オリンピックや大阪・関西万博のような「国家」レベルの大規模なものまで、さまざまなテーマから徹底的に解説します。
  • 費用・技術から読みとく巨大建造物の世界史
    3.0
    1巻792円 (税込)
    世界には、その時代の叡智を傾けてつくられた、歴史的に貴重な建築物が数多く存在し、それらは世界史上に登場する、さまざまな文明や国家の栄枯盛衰と密接に関係しています。なぜなら建造物は、文明や国家の痕跡であり、建築主や設計者、直接工事に従事した労働者など、携わった人々の思惑や想いがつまっているからです。たとえば、中国にある万里の長城や、カンボジアにある幻の都アンコール・ワットは、外見の威容ばかりに目が行きがちですが、歴史的な視点では、為政者が権威づけなどの目的でつくらせた栄華の象徴でもあります。ただし、その裏側では国民が過度の負担で苦しむこともありました。内乱が起こったり、国が弱体化して他国から攻められたりすることがあったのも歴史的な事実です。建造物が当時の社会に受け入れられたのか、活用されたのかといった視点でみると、つくられた時代の人々や社会の有り様も見えてきます。また、建築と技術は切ってもきれない関係にあります。当時の高度な技術力の結晶が建造物だからです。時代ごとの技術の革新によって生じた、建築様式の移り変わりや、工期の短縮、コストの削減などにもつながっています。加えて、建築物を通じて、誰が、いつ、何の目的で、どのような技術が使われていたかを明らかにしつつ、どれくらいの費用がかかったかなどを独自に試算することで、世界史を見つめ直してもらおうというのが本書のねらいです。歴史とは今この瞬間にも粛々と積み上げられていく、人の行為の時間的な連なりであり、建築はその生き証人として、現代に生きる我々に直接その時代の精神を盛りつけた器ともいえるものなのです。本書を読んで、歴史と建築の深い関係に気づいていただけると幸いです。
  • 非常識な建築業界~「どや建築」という病~
    -
    1巻858円 (税込)
    2015年、新国立競技場問題に続き、選び直されたデザイン案に「コピペ」疑惑が浮上、さらには傾斜マンション事件が発生するなど、建築業界の威信を揺るがす問題が立て続けに起こった。しかし、これらは氷山の一角。いま、この業界の裏で何が起こっているのだろうか? 「どや顔」をした公共施設で税金をムダにしないために、危険なマンションを買わないために、寿命の短い持ち家を建てないために。知っておきたい非常識な実態。

ユーザーレビュー

  • ファスト化する日本建築

    Posted by ブクログ

    1 隈研吾氏が設計した公共施設、馬頭広重美術館が腐った!
    2 イオンモールは、中だけこだわり外見は建物の魅力ゼロ 
      一蘭も食のこだわりはあっても建物はなんも印象に残らぬ
    3 オープンハウスが席巻している狭小地三階建は街並みもへったくれもない!
      ワンルームマンションも、テラスハウスも、、、
      狭小賃貸は驚いた!水回りだけであとは寝るだけ。銭湯がつぶれる必然。
    4 建築人材は減るばかり 今や50代が若手
    5 神宮外苑もじっくりプランを練ればいい案はできたはず。これもファスト化の弊害
    6 無意味に同じ都市で行った東京オリンピック、大阪万博、、、

    最初読み始めた時は隈研吾批判本かと思ったが

    0
    2025年08月06日
  • ファスト化する日本建築

    Posted by ブクログ

    どれも似たような没個性的な建物が短期間に出来上がる理由が説明されている。読み進むうちにファスト化は建築・建設業界だけではなく様々な業種で進行していることに気付かされる。紙面の都合か説明が性急なところもあるが、世の中のファスト化について考えさせられる本。

    0
    2025年09月04日
  • ファスト化する日本建築

    Posted by ブクログ

    建築業界やそれを取り巻く建材、林業の業界の実態について、全体を通して批判的に述べているが、外観を理解できるという点では分かりやすかった。特に隈研吾氏に対して一貫して批判的だった。ただ、「ファスト化する日本建築」と題する以上、そうだろうなとは予想していた。彼が木材を積極的に使っていることは、まずその機能的な必要性や妥当性は置いておいたとして、話題になるという点では良いが、その使い方や考え方には疑問に感じていた。日本における建築のファスト化、ひいては都市や生活のファスト化はものすごいスピードで進んでいるし、生活者はそれに危機感を抱いていないのが事実だと思う。物質的には豊かになったし、量的だけではな

    0
    2025年08月14日
  • ファスト化する日本建築

    Posted by ブクログ

    書店で気になり、書評でも目にし、読むに至ったもの。教養もファスト、エンタメもファスト、何でもファスト。衣食住にまで及んだか…と思ったけど、考えてみりゃ衣食は既にファスト化して久しい訳だから、それが住に及んでないと考える方が不自然か。隈さんとか安藤さんとか、自分が無条件に信じてしまう名前へも厳しい評価がなされている訳だけど、見た目だけで中身が伴わないって、どの世界でも共通して認められる陥穽だな。ファスト建築の延長線上にある五輪・万博への批判も、論の展開として至極真っ当。

    0
    2025年07月28日
  • ファスト化する日本建築

    Posted by ブクログ

    最近の建物は安普請だという噂を聞いて読んでみた。噂は本当だった。本書は住宅から商業施設、大規模マンションからインフラまで、すべてにファスト化が進行していると警鐘を鳴らす。背景は材料のみならず設計や人材育成に至るまで経済的合理性が優先されていること。早く安くできるが本来長期の使用が想定されるべき建築がその性能を有していない。建築とは何か。新しい建物や街を見るたび色々と考えさせられる本。

    0
    2025年11月08日

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