ウィリアム・ケント・クルーガーの作品一覧
「ウィリアム・ケント・クルーガー」の「ありふれた祈り」「このやさしき大地」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「ウィリアム・ケント・クルーガー」の「ありふれた祈り」「このやさしき大地」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
Posted by ブクログ
物語には決して破ってはならない掟があると思っている
ロシアの劇作家アントン・チェーホフはかつてこう言った
「物語に銃が登場したら、それは発砲されなければならない」
ならば私は古き賢人に倣ってこう言おう
「物語に黒い魔女が登場したら、それは倒されなければならない」
その物語がチャールズ・ディケンズとマーク・トウェインの魂を受け継いだ物語とあればなおのことである
力強い巨人、賢い魔法使い、心優しいお姫さま、そして音楽と物語を愛する小鬼の旅はあるべき結末に向かって川をくだる
”このやさしき大地”が教えてくれるのは、人はいつだって「ひとりじゃない」こと、そして隣にいる人を大切にすることで誰もが、未来をちょっとだけ良い方向に変える”魔法”が使えることだったのではないだろうか
Posted by ブクログ
プロローグ
第二次世界大戦の勝利によって好景気に沸いた50年代のアメリカは、アメ車に代表されるデコラティブに装飾されたデザインやミッドセンチュリーモダンと言われるアールデコをアメリカ流にアレンジした贅の限りを尽くした建物や家具などを数多く輩出した正に栄光の時代である
そんな、時代にあっても片田舎のアメリカではまだまだ偏狭的なしきたりや風習、風土など、都会と比べると一昔前のアメリカの町というものが多く存在したのである
この物語は、そんな好景気に沸くアメリカとは縁もゆかりも無い、取り残された町が舞台となっている珠玉のミステリー小説である
本章
『真実の眠る川』
何故か哀愁と郷愁を誘う感涙の★5
autumn552akiさんの本棚から
すんばらしい紹介&レビューありがとうございます
あらすじを書くのはあまり好きではないが、大雑把に書けば、ミネソタ州のある町の地主が何者かによって殺されてしまうところから物語が始まる
状況証拠により容疑者は、地主のもとで働くインディアンの血を引く農夫であったが、黙秘したまま容疑者は、収監されるのだが、、、
あの容疑者は、何を護りたかったのか?
あの夫人は、何故嘘をついたのか?
あの男はどういう犯罪を犯していたのか?
全ての真相が解明された時、そのやるせなさに驚愕し、様々な“義”や“愛”によって号泣するのである
こういう、良翻訳本そして渾身のミステリー小説は、是非とも皆に手に取っていただきたい作品である
エピローグ
場所は、アメリカのミネソタ州
時は、1950年代
縁もゆかりも無いはずなのに、何故か、さもその年代や情景を過してきたような錯覚を起こさせる不思議な作品である
“The Catcher in the Rye”や“Stand by Me”に代表されるアメリカの古き良き冒険小説とも言えるのではないだろうか!?
国内本では決して経験、体験出来ない醍醐味を味わえた!
この真実の川にずっと身を委ねていたい!
最後にそう思った!!!
完
Posted by ブクログ
いやぁ、圧倒的な物語の紡ぎ手。
1958年、ミネソタの田舎町ジュウェル。
戦没将兵追悼記念の日にこの町を抱くアラバスター川の淵でウナギに食い荒らされた死体が発見される。
その男、ジミー・クインは町の農地を牛耳る者としてこれでもかと富と権力を振りかざして生きるような男で、反感を買う先も数多。死を心から偲ぶ者がいるような人物ではなかった。
そうは言ってもの中、この町の保安官ブロディは、前保安官のコニーに手助けを仰ぎながら事件の調査に向かうが。。。
不審死を伴う事件が起き、もちろんそれの解決を巡る動きが牽引する展開ではあるのだが、それはただの舞台でしかなく、登場人物達の織りなす人間関係だったり、思索、生き様を読む物語。
ひとりひとりの背景語りが入念で物語としての密度が高く、隙がない感じに大満足。
最初から最後まで間延びせず、かといってぐいぐいというわけでもない堅実な展開速度で心を掴んで離さない読み応えが没入感を生む。
この登場人物好きだなぁと思っていたら、裏の顔とか心の歪みを見せる部分が出てきて、でもそれが人間、この矛盾というか混沌というか清濁併せ呑まされる感情の渦巻き加減、その一端を担っているとも思える戦争の残す爪痕だったり、偏見を根拠とする差別の愚かさに何度うならさられたことか。
やっぱりこういう話が好きだ。
アン・クリーヴスとかケイト・モートン、セレステ・イング、国内作家だと宮部みゆきさんに通ずる物語性。
『ありふれた祈り』、『このやさしき大地』もとても良かった印象を持っており、自分的信頼できる作家の仲間入りを遂げた。
ちょっとハードボイルドに寄るコーク・オコナーシリーズはまだ未読が何冊かあるので近いうちに読み進めてみよう。