福田直子の作品一覧
「福田直子」の「デジタル・ポピュリズム 操作される世論と民主主義」「ドイツの犬はなぜ吠えない?」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「福田直子」の「デジタル・ポピュリズム 操作される世論と民主主義」「ドイツの犬はなぜ吠えない?」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
ビジネス・実用
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Posted by ブクログ
まだ読んでいる最中だが今年のザベスト確定。ポピュリズムの話かと思いきや、序章はビッグデータブローカーが節操なく暗躍する現代を的確に表現。
・ソーシャルメディア上では「すました自分」を見せがちで嘘がつかれることが多いが、検索は真実を語る。
・やっぱりアメリカはデータ産業への規制が緩い。Facebookに自分に関する情報を請求したら消去したはずの記録も含め拒否した友達リクエストなど膨大な行動記録が残っていた。人の繋がりの監視が実現してしまっている。
・しゃべるスマート人形「ケイラ」はいつも会話に待機しているため、周囲の会話が勝手にサーバーに送られていて、ハッキングされる可能性も高かった。シリは大丈夫??
・リベラルな著者のFacebookフィールドに保守の友人の投稿が表示されなくなった。友達関係は解消していないのにFacebookが勝手に自分の考えに近い投稿を表示しているよう。自分の好きな情報ばかりの「フィルターバブル」に閉じこもる、面白ければ偽ニュースがバズる、陰謀論が拡散する。。。これがデジタルポピュリズム。
・ドイツはナチスに国民が煽動されて政治がメチャクチャになった歴史があるから国民投票はない。デジタルポピュリズムはプロパガンダキャンペーンで世論を恣意的に操作しやすい。そもそも多数決で白黒つける国民投票は「国民の決めたこと」として議会のチェックバランスを超越してしまう。直接民主主義が間接民主主義よりすぐれるわけではない。制度的に急進的、排外的法案が可決されないことに間接民主主義の価値がある。
・Facebookはミャンマーで無料にネット接続できる代わりにFacebookの選んだサイトに接続するサービスを提供し、ミャンマー人のインフラになったが、ロヒンギャに関するフェイクニュースが拡散するなど問題があった。インドはFacebookの申し出を断り、イギリス支配時を彷彿とさせる「あなた方のためだから」にも嫌悪感を示した。
著者はケンブリッジアナリティカによるトランプ選挙支援に問題意識を持ってこの本を書いたとのこと。
Posted by ブクログ
印象派が「退廃美術」とみなされ不当に低い評価を受けた旨について、並列する形で前時代の世俗画を評価したことをマイナス視することはそれはそれで違う気がしてノイズ。プロパガンダに利用したことを非難するくらいに留めてほしかった。
日本もナチスの略奪美術品を所有していたことがある、ということを記載するのであれば、GHQにより接収された美術品についても記述がなければややアンフェアなようにも思う。
ナチスからの略奪品を取り戻そうという動きが発生することは過去の清算として必要なことだとは思うものの、結局取り戻した後に裁判費用の回収のためにオークションにかけられることが多くなると、なんでそこまでして取り戻したいのかが分からなくなる。略奪されたままでいいとは思わないけれど、取り戻したのならそちらの家で保護していってほしいと思うのは、ただの感傷なのだろうか。
返還先が略奪元の国・地域ではなく遺族というのも問題が複雑になっているように感じた。血筋を貴ぶユダヤ人の民族性もありそう。
内容としてはナチスドイツの略奪が現代に及んでいるという内容が8割、その他の事象が2割といった印象。作者の専門がどちらかというとドイツ史ということなのでこの配分には文句はないが、集英社の見出しのつけ方へは文句をつけたい。
現代のこれから先のことについて考えるとやや憂鬱になるな。
Posted by ブクログ
ツイッターやフェイスブック等のソーシャルメディアは、コミュニケートしたい人たちとだけ、コミュニケートする。字数も限られ、論理だった物言いではなく、決めつけ・生な感情の吐露が中心となる。自分の見たい現実だけを見ることが通常化し、事実かどうかより、あってほしい世界が大切にされる。エコーチェンバー現象。閉鎖的な空間でのコミュニケーションを繰り返すことにより、特定の信念が増幅または強化されていく。
パーソナリティに応じて、ニュアンスや広告のタイプを変える「個別化されたプロパガンダ」としてのマイクロターゲット広告。それが、SNSを事業とし、拡大し、既にTVを超える広告収入をもたらし、巨大産業化を可能にしたが、それを自らの政治勢力を拡大することに活用する人々が出てきた。敵をつくり、嘘と陰謀で、恐怖・不安をあおり、人々の怒りを増幅させ、組織のエネルギーとしていく。単純化したスローガンを連呼する強いリーダーを求めるようになる。結果、イギリスのEU離脱が起き、トランプ大統領を生み出した。
デジタル・ポピュリズムへの対抗は容易ではない。あれかこれかで整理できるような問題解決などない。課題も複雑で、多元主義的なアプローチが必要となる。だからデジタル・ポピュリズムは当分続く。デジタル・ポピュリズムを考えるうえで好著。