本書の中で紹介されているのは、ヤンキース、レッドソックス、ドジャース、マリナーズといった比較的お金を持っている球団。レッドソックスの中核会社のFSGは球団とスタジアムの運営だけではなく、NASCARやリバプールを買収してビジネスの領域を拡げている。各球団は現在ビジネスの最大化を目指して各スタジアムの戦略をまとめている。特にメジャーリーグの各球団では観客動員数が増えない中で、平均売上高を20年間で6倍に伸ばしている。その中でもスタジアムビジネスは工夫もあり好調で、野球「も」楽しめるようにした新しいスタジアムの建設が続いている。ボルチモアのカムデンヤーズ(女性が球場設計)、メッツのシティ・フィールド (シェイ・スタジアムじゃなくなったのか...)
さらには、メジャーリーグ、マイナーリーグ、独立リーグと言った下位組織のしたたかなビジネス戦略も紹介される。MLBのネットビジネスの進出も目覚ましい。すでに2000年にMLBAMというネット専門の会社を設立しており、年率30%のペースで成長して、年商が7憶ドルにもなるという。中でもMLB.tvは4億ドルも収益を上げているとのこと。MLB.tvの有料加入者が50万人、モバイルアプリのMLB At Batは330万ダウンロードを超えているとのこと。また、マイナーリーグも日本と比較して各段に広い裾野を持ってビジネス化できるようになっていて、多くの選手の受け入れ先になっている。独立リーグもそれぞれ特徴があって、ビジネスとして成立しているという。中でもロングアイランド・ダックスやセントポール・セインツという成功で有名な独立リーグの球団が紹介されている。日本でも四国などに独立リーグができたが、目指すところはこういうところなのかもしれない。