谷川徹三の作品一覧
「谷川徹三」の「人生相談 谷川俊太郎対談集」「童話集 風の又三郎 他十八篇」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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小説・文芸
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Posted by ブクログ
残酷な自然の中、こういうやつは嫌われる、みたいなものが描かれる短編が多い。
やはり銀河鉄道の夜に触れたい。余韻がすごい。カムパネルラとの関係性が微妙になる中、博士の思考実験という体の世界で、沈没船や蠍の火を通して、みなの幸せに自分の人生を捧げたい、本当の幸せとはなにかをジョバンニが考える。現実に戻ってからの畳み掛けがすごい、感情が追いつかない。カムパネルラが死んでしまうことから、銀河鉄道は親友の死を受け入れるための通過儀礼としてのジョバンニの精神世界という解釈が自然そう(銀河鉄道の最後にカムパネルラがいなくなることからも)
本当の幸せとはなにか?を考えさせられることが、すきとおったほんとうのたべものなのだろう。
Posted by ブクログ
心象のはひいろはがねから
あけびのつるはくもにからまり
のばらのやぶや腐植の湿地
いちめんのいちめんの諂曲(てんごく)模様
(正午の管楽よりもしげく
琥珀のかけらがそそぐとき)
宮沢賢治の小説は苦手だが、詩は好きだ。「雨ニモマケズ」や「永訣の朝」もいいが、「春と修羅」が一番好きだ。何を言っているのかはわからないのに、何が言いたいのかはなんとなくわかる、この不思議な言葉の連なりが好きだ。
いかりのにがさまた青さ
四月の気層のひかりの底を
唾(つばき)し はぎしりゆききする
おれはひとりの修羅なのだ
(風景はなみだにゆすれ)
『銀河鉄道の夜』から連想される、聖人君子みたいな賢治はここにはいない。ここにいるのは、潔癖さゆえのフラストレーションに悶える、ひとりの孤独な青年だ。遠くに聞こえる雷鳴のような、青白い炎のゆらめきのような、何かひとつでもバランスが崩れれば今にも荒れ狂いそうな、破滅的なエネルギーの予兆。
ああかがやきの四月の底を
はぎしり燃えてゆききする
おれはひとりの修羅なのだ
(玉髄の雲がながれて
どこで啼くその春の鳥)
荒ぶる魂は、ときに文法や文脈をも破壊する。しかしその逸脱に、私はほとんど本能的な悦楽を覚える。形式上は破綻しているそれらの言葉は、交響曲のように重なりあい、響きあって、ひとつの世界を形成しているのだ。これが計算に基づくものなのか、感性によるものなのかは、私にはわからない。しかし賢治のように、既存の言葉を破壊してなお、言葉によって人に感銘を与える者がいるとすれば、それは「詩人」と呼ぶよりほかないではないか。
まばゆい気圏の海の底に
(悲しみは青々ふかく)
ZYPRESSEN しづかにゆすれ
鳥はまた青ぞらを截(き)る
(まことのことばはここになく
修羅のなみだはつちにふる)
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