アントン・チェーホフの作品一覧
「アントン・チェーホフ」の「犬を連れた奥さん」「かき」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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Posted by ブクログ
“チェーホフの魅力、たっぷり丸わかり”
チェーホフの作品を読んでみようと思ったきっかけは、『1Q84』(村上春樹)でした。
“チェーホフがこう言っている。(中略) 物語の中に拳銃が出てきたらそれは発射されなくてはいけない。”
こんな記述があり、村上春樹さんが影響を受けているのはドストエフスキーだけではないと知り、興味を持ちました。
訳者の沼野充義さんは、定訳となっているタイトルに変更を加えるといった、あらたな試みをしています。作品選択も素晴らしいです。
年がら年中、恋なしにはいられない、オリガちゃんのお話(「かわいい」)、家庭教師をしている少年の兄と恋愛中の場面をのぞき見されてしまうお話(「ジーノチカ」)、恐れおののく衝撃的結末(「ねむいの」)、ユダヤ人に対する偏見を切り崩そうとした小説(「ロスチャイルドのバイオリン」)、W不倫を描く(「奥さんは小犬を連れて」).......などなど
どれも読んで良かったと思うものばかりです。
短編ごとに沼野さんの解説があり、これがまた良いのです。作品の説明だけでなく、チェーホフ時代のロシアのことなどが分かり、ロシア文学に接する上で勉強になりました。
チェーホフは幼い頃、しつけということで、父親から毎日殴られていたそうです。彼は医師でもありました。若いときから結核におかされており、その中での執筆。結婚生活も、とても短いものでした。享年44歳。
チェーホフの人物像も知ることができる本書は、チェーホフ入門として最良です。
わかりやすい
舞台の方を先に観て、いまいち掴みきれなかったのでこちらの本を読みました。
本編後の著者の解説がとても分かりやすく、本書と舞台の映像を見返すことでしっくりこなかった部分がとても心地よくふに落ちました。
とっつきやすい訳
現代の言葉やニュアンスが織り込まれた訳で、読みやすかったです。
最後の解説で、かもめが「喜劇」と言われる理由がよくわかりました。
Posted by ブクログ
わたしが参加している読書会の、10月の課題図書だったので読んだ。
理由は自分でもよくわからないがロシア文学が苦手、戯曲が苦手、ということでチェーホフは読んだことがなかったのだけれども、意外とおもしろかった。
ある夏、ソーリンの(おそらく少し田舎の)家に集まった文化人の会話……としかまとめられないなあ。いろいろなエピソードが重層的に進行するのだけれども、わたしはそのうち、作家志望の青年、トレープレフと、女優志望の若い女性、ニーナのwannabe2人の精神的な破滅と成長の物語が中心なのではないかな、と思った。トレープレフは成長しないwannabe、ニーナは最後の最後で一皮むけるwannabe。わたしにはこの2人の心理状態が手に取るようにわかって、これを会話だけで表せてしまう表現力はすごいなと思ったのだけど、読書会に参加した他の方々はそうでもなかったらしく、あんまり通じなかった。
まあ確かに、よく考えてみればいろいろな見方ができるお話で、狂言回しとして機能しているトレープレフの母親アルカージナは「毒親」に見える。トレープレフが成長しない理由のひとつは母親のせいで、彼女は毒親だけあってそれをまったく自覚していない。
それに、出てくる男はみんな情けないやつら。女はみんな決定的に身勝手。プライドだけ高くて人生があんまりうまくいってないヤツらがとぐろを巻いているだけといえばそうだし、チェーホフがそういうヤツらをバカにして書いているようにしか見えないというか、笑えるから喜劇というより、失笑を誘う人々の展示会みたいな感じもする。これは戯曲だけれども、小説というのは、あんまり「こんなことが書かれている」とか「主題はこれだ」とか決めて読んではいけないね。
120年くらい前に書かれているけど、出てくるテーマが毒親として読めたり、レベルの低い話で苦しむワナビーだったり、話題としては現代も変わらない。人間って進歩しないね。