ゴールドマンサックスでの、様々な業務経験について、淡々としながらも、軽快な筆致で書かれており、楽しく読破することができた。
「はしがき」には、端的に筆者の思いが凝縮されているように思えるが、特に以下の点について非常に同意する。
●でも気を抜けば、やはり、どうしても会社が有利な立場に立ち、個人を支
...続きを読む配してくる。
●会社というものは、自分の味方ではない。敵とまでは言えないが、少なくとも、黙っていても会社が自分のために何かを施してくれるというものでは絶対にない。会社で自分の思いを通すためには、会社と個人は常に対等の関係になければならないし、さらに対等な上で、日々これ勝負であり、これにある程度勝たなければ、自分の思いを止めることはできない。今でもこの考えは変わっていない。
●そして、これを実践するためには、自分の人生は自分でリスクを取って、自分で切り開く、特に人生の後半の時期に、少なくとも自分の居場所は自分で決められるような立場にいたい、全く自分の意思とは無関係に、組織の側に自分の居場所を一方的に決められることだけは絶対に避けたい、と言った考えも重要だと思っていた。
●若い頃に身につけたこのような考え方が、その後の人生に非常に役に立った面が多かったと、自分としては感じる。
筆者の生き様が、まさに以下の各点を体現していることを、読後に改めて実感をした。