服部暢達のレビュー一覧
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ゴールドマンサックスでの、様々な業務経験について、淡々としながらも、軽快な筆致で書かれており、楽しく読破することができた。
「はしがき」には、端的に筆者の思いが凝縮されているように思えるが、特に以下の点について非常に同意する。
●でも気を抜けば、やはり、どうしても会社が有利な立場に立ち、個人を支配してくる。
●会社というものは、自分の味方ではない。敵とまでは言えないが、少なくとも、黙っていても会社が自分のために何かを施してくれるというものでは絶対にない。会社で自分の思いを通すためには、会社と個人は常に対等の関係になければならないし、さらに対等な上で、日々これ勝負であり、これにある程度勝たな -
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実用書というよりは、自伝。ただ、現在の柵無き立場もあるのだろうか、率直な物言いにリアリティがあり、果たしてきた実務に付随する情緒面も含めてよく伝わる内容。実績を披露しながら、随所にその勘所や感じた事などを散りばめる。ゴールドマンサックス以外のコンサル会社は偉そうで好きになれないとか、元々勤めていた日産から留学費用を返還させられたとか、その留学先であるMITで軽蔑する日本人がいたとか。生々しいから、臨場感があり、より伝わってくる。
実績は、KDD、DDI、IDOの統合によるKDDI。三菱自動車とダイムラー、川崎製鉄とNKKのJFEなど弩級の案件が多い。そうした思い出話と共に、MSCB(行使価格 -
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筆者は日産からMITにMBA留学したのち、「人生の後半に自分の居場所を自分で決められるようでいたい」という思いからGSに転職、M&Aのマネジャーを務めた人物。
実際に関わった大型M&A案件が、ここまで書いていいのかというくらい詳細に描かれているため、投資銀行の実務やプロフェッショナリズムに深く触れられる一冊となっている。
一方で、内容は専門用語が多く、説明もM&A実務担当者向けにポンポン進んでいくので、ある程度基礎知識を固めて読んだものの、素人にとってはややハードルが高かった。
筆者のMBA留学を通じて得た価値観や、日本の大企業から留学を経て外資に転職した経験を元にし -
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守秘義務が厳しいプロフェッショナルな業界、投資銀行出身者による珍しい自伝。1990年代、2000年代に関わった、日本経済にとってインパクトのあっな案件の舞台裏を淡々と紹介しながら、M&Aの業務、著者の仕事観についても紹介されている。
本屋で見かけ、「守秘義務は大丈夫か?」と思いながらも購入。コーポレートファイナンスなど理論を使いながらケースを紹介することはないが、守秘義務に関わる部分の言及を避けつつ、仮の数字を使いながら舞台裏を臨場感をもって、率直に紹介されており、満足度は高かった。また、子供の頃に起こった出来事について理解できた点もよかった。もちろん深掘りしてほしい箇所はあるが、限界 -
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個人的振り返り
短期20代 強みを見つけ、自分の能力を高めて戦うべき分野の選択
中期30代 自分が一番力を発揮できる場で仕事をこなし、その分野でのプレセンスを高める
長期40代 その分野で社会に大きなインパクトを与える
「会社と個人は対等であるべき」
「M&A 成長の戦略」読んだら良さそう(M&A通じて日本のKKを〜のロジックを詰めれそう」
For client’s best interestに共通する価値観がある、使えそう
「手数料安い」と言ってもらえるアウトプットを
ワックスタイン・ペレラ調べたら勉強してる感でそう
M&Aアドバイザーの素質 ファシリ力(合意形成) -
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ネタバレ・事例豊富。
・明日から自己啓発を新たに頑張る(英語、不動産関係)
【備忘】
・会社は自分の味方ではない。敵とまでは言えないが、少なくとも黙っていても会社が自分のために何かを施してくれるというものでは絶対にない。会社で自分の思いを通すには、会社と個人は常に対等の関係になければいけない。さらに対等な上で日々勝負をし、これにある程度勝たなければ、自分の思いを遂げることは出来ない。
・自分の人生は自分でリスクを取って切り開く。
・特に人生の後半の時期に、少なくとも自分の居場所は自分で決められるような立場にいたい。
・全く自分の意思とは無関係に、組織の側に自分の居場所を一方的に決められることは避け -
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タイトルに惹かれて購入。著者の服部暢達氏は、日産→MITのMBA→ゴールドマンサックスで10数年ご活躍。現在はファーストリテイリングの社外役員とか。ゴールドマンサックスでは東京でM&Aを。
感想。面白かった。本の中でも「臨場感を伝えたい」と説明があった通り、少し世界を覗けました。
紹介のあった事例は、KDDIやJFEの誕生案件とか、ダイムラーとゴーン前の日産の話とかで面白い。
ノウハウの紹介がある訳ではない。本の中でも「顧客のために一生懸命に働き、地道なことを繰り返す」という趣旨の話や、会計士や弁護士とチームアップして行動する様が記載されていて、なんとなくイメージできました。
改めて -
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「M&A戦記」という悪ノリのタイトルは編集者が付けたのであろうが、まさに日本M&A史の勃興期にゴールドマンサックスのM&A部門の最前線に居た方の回顧録であるので退屈であるはずはない。服部氏の当時の記憶を語る内容だけあって、ディールの説明は理論のみならずテクニカルなスキームやバリュエーション、タックスと多岐に渡っており、ある程度の知識レベルは必要だが、M&Aの象徴的案件が多く大変興味深い。特にワインバーグ、ルービン、ポールソンという伝説的GSメンバーや稲盛氏や永山氏とのエピソードは実際に携わった者ならではの感がある。
服部氏の話に好感が持てるのは優れた経営者、例 -
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本書の内容に関して大きく分けると実際の「M&Aの裏側」に関する部分と著者の「プロフェッショナルとしての歩み」の部分とに分けられる。前者では、実際に著者が関わったM&Aの裏にどのようなドラマがあったのか、そして、そこに著者(とゴールドマンサックス)がどのように関わったのかが明らかにされている。
著者の「プロフェッショナルとしての歩み」については、著者がどのような経緯でゴールドマンサックスに入社することになったのかや、働く上で大切にしていたこと(後述)などが書かれている。また、ゴールドマンサックスで出会ったの傑物たち(ワインバーグ、ルービン、ポールソン)や経営者たち(稲盛和夫、永