【感想・ネタバレ】ゴールドマン・サックスM&A戦記 伝説のアドバイザーが見た企業再編の舞台裏のレビュー

あらすじ

「M&Aは総合格闘技」
「M&Aは売りから入れ。買いはマイナスからのスタートだから」

日本のM&Aが本格化した1990年代から2000年代半ばにかけて、主要プレーヤーとしてM&Aをリードしたゴールドマン・サックスの辣腕アドバイザーの著者が、
自らが手がけた多くのM&A案件の内実を初めて明かした稀有のノンフィクション。日本のM&A20年史でもある。

ゴールドマン・サックスのニューヨーク修行時代から、内外の大物経営者との出会い、社内でのカネ・政治・出世競争などの知られざるエピソードを数多く描く。
日産自動車、三菱自動車、ダイムラー・クライスラー、日立製作所、DDI、KDDなど数多くの企業が登場。M&Aアドバイザーからみた日本経営論にもなっている。

著者が手がけた大型案件の代表的なものは以下の通り。

●DDI・IDO・KDD社合併
●ロッシュによる中外製薬買収
●NKK・川崎製鉄経営統合
●GEキャピタルの日本リースのリース事業買収
●ダイムラー・クライスラーの三菱自動車への資本参加
●日立製作所によるIBMのHDD事業買収
●三菱商事のローソンへの資本参加など。

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

日産に勤めながらMITのMBAコースに留学し、ゴールドマン・サックスに入社して、規模の大きいM&Aに関与してきた著者の半生記。興味深い話が結構あった。

0
2024年02月18日

Posted by ブクログ

ゴールドマンサックスでの、様々な業務経験について、淡々としながらも、軽快な筆致で書かれており、楽しく読破することができた。

「はしがき」には、端的に筆者の思いが凝縮されているように思えるが、特に以下の点について非常に同意する。

●でも気を抜けば、やはり、どうしても会社が有利な立場に立ち、個人を支配してくる。
●会社というものは、自分の味方ではない。敵とまでは言えないが、少なくとも、黙っていても会社が自分のために何かを施してくれるというものでは絶対にない。会社で自分の思いを通すためには、会社と個人は常に対等の関係になければならないし、さらに対等な上で、日々これ勝負であり、これにある程度勝たなければ、自分の思いを止めることはできない。今でもこの考えは変わっていない。
●そして、これを実践するためには、自分の人生は自分でリスクを取って、自分で切り開く、特に人生の後半の時期に、少なくとも自分の居場所は自分で決められるような立場にいたい、全く自分の意思とは無関係に、組織の側に自分の居場所を一方的に決められることだけは絶対に避けたい、と言った考えも重要だと思っていた。
●若い頃に身につけたこのような考え方が、その後の人生に非常に役に立った面が多かったと、自分としては感じる。

筆者の生き様が、まさに以下の各点を体現していることを、読後に改めて実感をした。

0
2020年08月29日

Posted by ブクログ

いかにもタイトル買いを誘ってそうな・・・
全く期待しないで買ったが良書。
著者のGS時代に手掛けた案件が、かなり踏み込んんで書いてある。

0
2018年06月09日

Posted by ブクログ

実用書というよりは、自伝。ただ、現在の柵無き立場もあるのだろうか、率直な物言いにリアリティがあり、果たしてきた実務に付随する情緒面も含めてよく伝わる内容。実績を披露しながら、随所にその勘所や感じた事などを散りばめる。ゴールドマンサックス以外のコンサル会社は偉そうで好きになれないとか、元々勤めていた日産から留学費用を返還させられたとか、その留学先であるMITで軽蔑する日本人がいたとか。生々しいから、臨場感があり、より伝わってくる。

実績は、KDD、DDI、IDOの統合によるKDDI。三菱自動車とダイムラー、川崎製鉄とNKKのJFEなど弩級の案件が多い。そうした思い出話と共に、MSCB(行使価格変動型転換社債)のB種優先株発行は自殺行為。引き受けた証券会社が自動的に儲かる仕組みなので、他の資金調達手段がある会社は絶対に手を出してはいけないという話とか、デューデリジェンスにおいて、品質問題を抱えていない事の再確認しておいた事が良かったとかのノウハウが語られる。

世界トップクラスの医薬品メーカーは自国市場だけでなく海外市場でも世界シェアに見合う大きなプレゼンスを獲得していたが、日本市場だけは10位前後かそれ以下のシェアにとどまっていた。日本の大手医薬品メーカーを買収したいと考える世界の大手医薬品メーカーはいくらでもあった。しかし会社を買うにしても50.1%は嫌で、なぜなら買収した結果自社の製品を日本で独占的に販売するので会社の業績は当然良くなるが、良くなった業績の残り49.9%を業績改善に全く貢献していない一般株主にただで提供すると経済的に合理性がないという考えらしい。

また、NKKと川鉄の統合比率交渉のキックオフミーティングでは、NKK本社に両者の関係者が集合したが、それぞれ会社側30人以上に財務・ホーム・会計アドバイザー含めて総勢50名程度のチーム。両者合計で約100人いたなど。勉強になった。

0
2023年05月03日

Posted by ブクログ

筆者は日産からMITにMBA留学したのち、「人生の後半に自分の居場所を自分で決められるようでいたい」という思いからGSに転職、M&Aのマネジャーを務めた人物。
実際に関わった大型M&A案件が、ここまで書いていいのかというくらい詳細に描かれているため、投資銀行の実務やプロフェッショナリズムに深く触れられる一冊となっている。
一方で、内容は専門用語が多く、説明もM&A実務担当者向けにポンポン進んでいくので、ある程度基礎知識を固めて読んだものの、素人にとってはややハードルが高かった。

筆者のMBA留学を通じて得た価値観や、日本の大企業から留学を経て外資に転職した経験を元にしたキャリア論などは納得させられることも多く、自分のキャリアも「リスクをとって切り開く」という観点で見つめ直したいと感じた。

0
2020年07月11日

Posted by ブクログ

日産時代からMBA、ゴールドマン時代の話をディールの個別背景からスキームまで、守秘義務がある中で歯に衣着せぬ文体で記載されており非常に読み応えがあった。
エクセキューションの部分は知識不足で読み飛ばした部分も多かったがバンカーとしての矜恃や覚悟が至るところで見られる良書。

0
2020年05月06日

Posted by ブクログ

守秘義務が厳しいプロフェッショナルな業界、投資銀行出身者による珍しい自伝。1990年代、2000年代に関わった、日本経済にとってインパクトのあっな案件の舞台裏を淡々と紹介しながら、M&Aの業務、著者の仕事観についても紹介されている。
本屋で見かけ、「守秘義務は大丈夫か?」と思いながらも購入。コーポレートファイナンスなど理論を使いながらケースを紹介することはないが、守秘義務に関わる部分の言及を避けつつ、仮の数字を使いながら舞台裏を臨場感をもって、率直に紹介されており、満足度は高かった。また、子供の頃に起こった出来事について理解できた点もよかった。もちろん深掘りしてほしい箇所はあるが、限界があるのは理解できる。

0
2020年03月05日

Posted by ブクログ

基本的に守秘義務があり、どんな案件を手掛けたかは外部に出てくることはないと思うが、(金額は手直ししているにしても)細かく臨場感をもって書かれていて、非常に興味深く、さらさら読めた。
読者に対するメッセージ性はそれほど強くないが、投資銀行の働き方や役割を理解することのできる良書。

0
2020年02月21日

Posted by ブクログ

個人的振り返り
短期20代 強みを見つけ、自分の能力を高めて戦うべき分野の選択
中期30代 自分が一番力を発揮できる場で仕事をこなし、その分野でのプレセンスを高める
長期40代 その分野で社会に大きなインパクトを与える

「会社と個人は対等であるべき」
「M&A 成長の戦略」読んだら良さそう(M&A通じて日本のKKを〜のロジックを詰めれそう」
For client’s best interestに共通する価値観がある、使えそう
「手数料安い」と言ってもらえるアウトプットを
ワックスタイン・ペレラ調べたら勉強してる感でそう
M&Aアドバイザーの素質 ファシリ力(合意形成)・泥臭い仕事できる力・プレゼン力

0
2019年12月14日

Posted by ブクログ

我が経済に影響を与えたM&A案件を数多く手掛けてきた著者の回顧録。同じ金融業界に身を置く者として非常に興味深く読めました!

0
2019年04月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ

かつて講義の最中にさらっとつぶやいたエピソードの数々が1冊の本となった印象。その頃に出版された「日本のM&A 理論と事例研究」(日経BP社)より遥かに面白い(笑)。

0
2018年11月06日

Posted by ブクログ

ネタバレ

・事例豊富。
・明日から自己啓発を新たに頑張る(英語、不動産関係)

【備忘】
・会社は自分の味方ではない。敵とまでは言えないが、少なくとも黙っていても会社が自分のために何かを施してくれるというものでは絶対にない。会社で自分の思いを通すには、会社と個人は常に対等の関係になければいけない。さらに対等な上で日々勝負をし、これにある程度勝たなければ、自分の思いを遂げることは出来ない。

・自分の人生は自分でリスクを取って切り開く。
・特に人生の後半の時期に、少なくとも自分の居場所は自分で決められるような立場にいたい。
・全く自分の意思とは無関係に、組織の側に自分の居場所を一方的に決められることは避けたい。

0
2018年09月25日

Posted by ブクログ

タイトルに惹かれて購入。著者の服部暢達氏は、日産→MITのMBA→ゴールドマンサックスで10数年ご活躍。現在はファーストリテイリングの社外役員とか。ゴールドマンサックスでは東京でM&Aを。

感想。面白かった。本の中でも「臨場感を伝えたい」と説明があった通り、少し世界を覗けました。
紹介のあった事例は、KDDIやJFEの誕生案件とか、ダイムラーとゴーン前の日産の話とかで面白い。
ノウハウの紹介がある訳ではない。本の中でも「顧客のために一生懸命に働き、地道なことを繰り返す」という趣旨の話や、会計士や弁護士とチームアップして行動する様が記載されていて、なんとなくイメージできました。
改めて、全力で仕事に没頭すべき、と思うに至る。

備忘録。
・会社と個人は常に対等な関係。
・自分の人生は、リスクを取って自分の才覚で切り開く。
・少なくとも自分の居場所は自分で決められる様な立場でいたい。自分の居場所を自分の意思と無関係の組織に一方的に決められる立場にいることは絶対に避けたい。

0
2018年08月25日

Posted by ブクログ

「会社と個人の関係は対等であるべき」
日産、MITを経てゴールドマンサックスのM&A部長まで上り詰めた著者がアドバイザーとして携わった案件の数々を振り返る。非常に読みやすく、誰しもニュースで見たことのあるビッグディールの背景は興味深く、また資金調達や企業買収のテクニカルな手法についても勉強になる。ただし最後の章は本論のM&A戦記とは関係のない(卒業生らしい)謎のMBA賞賛の項が設けられていたのでマイナス1点。

0
2018年08月06日

Posted by ブクログ

「M&A戦記」という悪ノリのタイトルは編集者が付けたのであろうが、まさに日本M&A史の勃興期にゴールドマンサックスのM&A部門の最前線に居た方の回顧録であるので退屈であるはずはない。服部氏の当時の記憶を語る内容だけあって、ディールの説明は理論のみならずテクニカルなスキームやバリュエーション、タックスと多岐に渡っており、ある程度の知識レベルは必要だが、M&Aの象徴的案件が多く大変興味深い。特にワインバーグ、ルービン、ポールソンという伝説的GSメンバーや稲盛氏や永山氏とのエピソードは実際に携わった者ならではの感がある。

服部氏の話に好感が持てるのは優れた経営者、例えば稲盛氏や永山氏、ゴーン氏、江本氏&下垣内氏に対して敬意を払っている点だ。2000年代の投資銀行はリーマンショックへ向けて猛進していったが、服部氏のGSやモルガンは投資銀行が辛うじて投資銀行の品格を保っていた最後の時代なのかもしれない。

0
2018年07月09日

Posted by ブクログ

本当に出世した人が書いた本で面白かった。
GSが意外とチームワークを大切にする雰囲気だったと知って少し驚いた。ただし上場まで。

0
2018年07月08日

Posted by ブクログ

本書の内容に関して大きく分けると実際の「M&Aの裏側」に関する部分と著者の「プロフェッショナルとしての歩み」の部分とに分けられる。前者では、実際に著者が関わったM&Aの裏にどのようなドラマがあったのか、そして、そこに著者(とゴールドマンサックス)がどのように関わったのかが明らかにされている。

著者の「プロフェッショナルとしての歩み」については、著者がどのような経緯でゴールドマンサックスに入社することになったのかや、働く上で大切にしていたこと(後述)などが書かれている。また、ゴールドマンサックスで出会ったの傑物たち(ワインバーグ、ルービン、ポールソン)や経営者たち(稲盛和夫、永山治)とのエピソードも面白い。

この本は、投資銀行や資本市場関連で働こうとしている人はもちろんのことだけど、これから社会に出て行こうとしているすべての若い人にも読んでほしい。とくに専門性の高いプロフェッショナルを目指している人、あるいは絶対に社畜にはなりたくないと考えている人にとっては得るものが多いはずだ。

0
2018年05月30日

Posted by ブクログ

ネタバレ

もう少し詳細な内容かと思ったけど、、、ゴールドマン・サックスの求める人物像や雰囲気は理解できる入門書。

0
2018年07月22日

Posted by ブクログ

『・自分の人生は自分でリスクを取って自分で切り開く

・特に人生の後半の時期に、少なくとも自分の居場所は自分で決められるような立場にいたい

・全く自分の意思とは無関係に、組織の側に自分の居場所を一方的に決められることだけは絶対に避けたい』

彼の会社観と職業観に裏打ちされたプロフェッショナルとしてのサクセスストーリー。成功体験と社会への貢献に対する自負心が強い。自信家で自身の成功をよく語る。アメリカナイズされたタフなGSマンの成長の物語でもある。
好きにはなれないけど、面白かった。

0
2018年06月30日

「ビジネス・経済」ランキング