確か以前一度読んでいるはずと思いながらも、内容を全く覚えていなくて再読。
現代の日本神話研究者の多く(日本人に限る)が陥っているおかしな思い込みを舌鋒鋭く批判する著作。
神話は神話であって神話以外の何物でもない。
この自明の理を日本の日本神話研究者の多くがあえて見ようとせず、奇妙奇天烈な理屈をつ
...続きを読むけて「日本には神話は存在しない」と主張する。
これらの“日本を代表する”神話研究者たちの論理にもなっていない論理の矛盾を丁寧に抉っていく快作である。
みずから後書きに“いわば専門学者のわるくち”と言っているように、完全な確信犯であり、それだけに説得力抜群である。
ここでコテンパンにやっつけられている諸先生方の著作も少しは読んだことがあり、それぞれの説に疑いをさしはさむどころか納得・感心していた自分の迂闊さに恥じ入るばかりである。