あらすじ
私たちが日頃使う「新かなづかい」は、ほんの60年ほど前に制定されました。
それまで日本人に使われてきたのは「旧かなづかい」。
歴史の中で長い時間をかけて洗練された旧かなは、合理的で美しい。
また語源や意味も正確に伝わり、実は新かなよりはるかに使い勝手がいい表記法です。
「このあひだはありがたう」「では七時に会ひませう」「きのふから雨が降つてゐる」――ふだんの手紙や日記を旧かなで書いて、あなたも日本語の美しさを味わってみませんか。言葉が心にしみ入ります。
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Posted by ブクログ
歴史的仮名遣いを学ぶ際に注意すべき事項が分かりやすく述べられている。
高校時代に新かな遣いの現代文から歴史的仮名遣いの古文の動詞がたくさん出てきて嫌になったクチである。本書は現代仮名遣いの難点を歴史的仮名遣いと比較して論じており、その差異がよく理解できた。当時本書があったら、古文への苦手意識もいくらか減ったのかもしれない。
やはり現代仮名遣いは昔からの言葉の成り立ちや意味などを消し去ってしまったと感じる。言葉の歴史を断ち切ってしまったのはむしろ改悪だったのではないか。歴史的仮名遣いの綴り方で十分に現在の音を表記できたはずである。音の表記を無理やり捻じ曲げてしまったとしか考えられない。
筆者は漢字の舊字(旧字)についても復活させるべきだと主張する。確かに新字体と旧字体の矛盾はある。しかし、さすがに画数の多い漢字を小学校で学ばせるのは無理があると感じる。パソコンが普及した今タイプすることは容易にはなっているが、試験などでの手書きは時間がかかりすぎたり、誤字が増えて厳しいのではないか。
谷崎潤一郎はかなづかいにかなりこだわった作家だと、筆者は『盲目物語』例に挙げて指摘する。現代仮名遣いは大切なものを捨ててしまったと思う。漢字まで戻せとは言わないが先人が苦心して編み出してきた綴りを変えてしまったことで失われたものをもう一度考えたほうが良いかと思う。
最後に本書でも紹介されていたが、現代仮名遣い反対論者である福田恆存の『私の國語教室』がまだ未読である。更に理解を深めるために読みたいと思った。
Posted by ブクログ
私が歴史的仮名遣ひによって文章を書いてみようと思ったきっかけになる本。なぜ歴史的仮名遣ひが日本語の正統なのか、驚くべき文学作品の改竄の実態、国語を壊さうとした人たち、などの内容が分かりやすく書かれてゐる。日本語を愛する人必携の書。
Posted by ブクログ
ほんの60年ほど前まで使はれてきた「旧かなづかひ」は、合理的で美しく、語源や意味も正確に伝はり、使ひ勝手がいい表記法です。その基本をおぼえて、日本語の美しさを味はひませう
Posted by ブクログ
なぜかこの「歴史的かなづかひ」に惹かれる。理由は自分でもよくわからない。小説(特に丸谷才一さん)以外では、たぶん初めてのお勉強本になると思ふけど、かうやつて使つて、大いに楽しまう。
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
私たちが日頃使う「新かなづかい」は、ほんの六十年ほど前に制定されました。
それまで日本人に使われてきたのは「旧かなづかい」。
歴史の中で長い時間をかけて洗練された旧かなは、合理的で美しい。
また語源や意味も正確に伝わり、実は新かなよりはるかに使い勝手がいい表記法です。
「このあひだはありがたう」「では七時に会ひませう」「きのふから雨が降つてゐる」―ふだんの手紙や日記を旧かなで書いて、あなたも日本語の美しさを味わってみませんか。言葉が心にしみ入ります。
[ 目次 ]
第1章 今日から使へる旧かなづかひ
第2章 声に出しておぼえる活用
第3章 正しい五十音を知つてゐますか
第4章 新かなに改変の罪は重い
第5章 舊字、いや正字はカッコいい
第6章 国語を壊さうとした人たち
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