アチェベの作品一覧

「アチェベ」の「崩れゆく絆」ほか、ユーザーレビューをお届けします!

作品一覧

  • 崩れゆく絆
    4.2
    1巻1,232円 (税込)
    古くからの呪術や習慣が根づく大地で、黙々と畑を耕し、獰猛に戦い、一代で名声と財産を築いた男オコンクウォ。しかし彼の誇りと、村の人々の生活を蝕み始めたのは、凶作でも戦争でもなく、新しい宗教の形で忍び寄る欧州の植民地支配だった。全世界で1000万部のベストセラー、アフリカ文学の父アチェベの記念碑的傑作待望の新訳!(『THINGS FALL APART』改題)

ユーザーレビュー

  • 崩れゆく絆

    Posted by ブクログ

    イボ社会を英語で執筆し、日本語に訳された。
    解説や訳者あとがきも含めて、全部読んでから、改めて原題を見た。
    THINGS FALL APART

    しっくり来た。

    訳者あとがきまで読んでから再読すると、挿入されているイボ社会の口承が、何を暗示しているのか、感じることが変わっていくだろう。

    もともとの豊かな文化と高度に機能していた社会、そこにある多くの矛盾には入り込み、傷口を無理やり開くかの如く侵入していったキリスト教社会。

    植民地教育を受けていた著者ならではのフィクション。この読後を表現するのは難しい。

    以前読んだ別のナイジェリア人の作家を思い出す。アフリカ文学に、さらに興味が強くなる。

    0
    2025年09月30日
  • 崩れゆく絆

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    近代アフリカ文学の原点と称されるアチェべの名作小説。

    舞台はヨーロッパ人によるアフリカの植民地化がはじまりつつあった19世紀後半の西アフリカ(現ナイジェリア)。
    絶え間ない努力と武勇によって若くして富を築いたイボ人の男、オコンクウォを中心に物語は進む。

    オコンクウォはレスリングのチャンピオンとして名をあげ、それからも堅固な意志と絶え間ない勤労により富を築いた。何人もの妻を抱え、村人からの信頼も厚い。
    オコンクウォは自分だけではなく他人にも非常に厳しい性格で、頑迷な一面も持つ。揺るぎない自分の正義を持つが、それに従わないのであれば妻も子供も殴って言うことを聞かせるというかなりの男性主義思想の

    0
    2023年10月10日
  • 崩れゆく絆

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    アフリカ文学は当然初めて。解説も読み応えあり。
    完全に未知なる世界である植民地支配前のナイジェリアでの日常自体が非常に興味深いし、ストーリーとしても面白い。登場人物名はンから始まったりするのでなかなか入ってこない。
    急に地方長官目線で語られる終わりはあっけなかった。

    村の運命を大きく変える白人は、スペインによる南米侵略とはまた違い、いくぶん平和的にも見えるがやはり傲慢である。主人公からするとキリスト教や改宗する人々は悪や腑抜けであるが、本書全体で見ると主人公の性格・村の風習の歪みはありありと見てとれ、単純な不正な侵略の告発といった形にはなっていない。
    特に触れられてはいないが、終盤の主人公の

    0
    2023年07月14日
  • 崩れゆく絆

    Posted by ブクログ

    遠い大地の文化・慣習が近くに感じられるほどの瑞々しい文章だが、それを理解するための小説ではなく想像させることが目的。
    注釈が丁寧でとても読みやすい。

    0
    2023年03月24日
  • 崩れゆく絆

    Posted by ブクログ

    19世紀のナイジェリアが舞台。
    独自の神を信じ崇め、家族・ムラという単位で生活していた共同体に、キリスト教伝道師の入植により植民地化していく様を描く。中盤までは、文化や生活、信仰などについて淡々と描かれていますが、その後の畳み掛けるような展開がすごい。
    時代も国も違いますが、どこか今の社会にも共通するような点があるようにも感じました。何かが変わっていく時、多くの犠牲が伴うこともあります。自分たちが守って疑わなかったことであれば尚更。四部作のようですが日本語訳がないのが残念です。最後の一文が辛い。

    0
    2021年10月30日

新規会員限定 70%OFFクーポンプレゼント!