作品一覧

  • 沖縄戦記 鉄の暴風
    4.2
    第二次世界大戦における最激戦地の一つ沖縄。軍民合わせ20万人もの尊い命が犠牲となった。本書のタイトルの「鉄の暴風」とは、1945年3月26日から3カ月間にわたり途絶えることなく続いた艦砲射撃や空爆のすさまじさを表現した言葉だ。1950年の初版刊行以降、沖縄戦を象徴する言葉として定着した。地形が変わるまで打ち込まれた砲爆弾、壕に逃げ込んだ住民を炙り出す執拗な火炎放射、そして民間人にまで及んだ自死の強制。本書は行動を軍とともにした記者たちが自らも体験したその壮絶な戦場の実態を、生存者をたずね克明に記録したもの。現代史第一級の史料を初文庫化。
  • 「反復帰論」を再び読む
    -
    1巻1,650円 (税込)
    戦後アメリカの施政権下から日本に「復帰」する前の沖縄で1970年に誕生した、「反復帰論」の原点を知る本。日本への復帰運動の奔流の中、「反復帰論」は米軍基地を残したままの「復帰」を見つめ、沖縄が心情的に日本を「祖国」として希求することを拒否し、沖縄の真の自立とは何かを問いかけた。最初に「反復帰論」が登場した雑誌『新沖縄文学』(沖縄タイムス社)から8編の論文を再収録。誕生の背景と現代的意味の解説を2編収録した。筆者は大城立裕、珊瑚太郎(牧港篤三)、新川明、仲宗根勇、大江健三郎、池沢聡(岡本恵徳)、比屋根照夫、谷川健一。解説は小松寛、仲里効。
  • 新沖縄文学96号
    -
    1巻2,200円 (税込)
    戦後沖縄の文学や論壇をけん引し、1993年95号で休刊した雑誌『新沖縄文学』を32年ぶりに96号として発行。特集1「沖縄文学の現在地」、特集2「戦後80年への視座」。総勢50人が参加し「沖縄のいま」を1冊に。沖縄を代表する小説家の目取真俊、崎山多美の書き下ろし短編をはじめ、又吉栄喜らが沖縄文学について語った座談会などを収録し、沖縄文学の現在地を探る。第50回新沖縄文学賞受賞作「ユナ」(名和純作)を掲載。特集2では沖縄戦研究、平和教育や表現、戦後政治を考える論考を載せた。表紙は沖縄戦をテーマにした美術家・山城知佳子の映像作品「沈む声、紅い息」。第46回野間文芸新人賞の豊永浩平がウチナーグチについて書いたエッセーや、第69回岸田國士戯曲賞にノミネートされた兼島拓也作「花売の縁オン(ザ)ライン」、漫画家・大白小蟹が書き下ろしを発表。その他、写真グラビア、時評、詩歌も掲載。
  • 沖縄の生活史
    5.0
    2022年5月に、日本復帰50年を迎えた沖縄。これを節目として、沖縄の歴史とともに生きてきた人々の来し方を聞き取って文章に残そう、という沖縄タイムス社の企画が結実したのが本書である。沖縄タイムス紙上での募集に応えた「聞き手」たちが、それぞれ思い思いの「語り手」を選び、その人生を聞き取って生活史として仕上げた。紙上に、およそ半年以上にわたって連載された85篇に加え、新聞には掲載しなかった15篇を合わせた、計100篇の生活史がここにまとめられている。巻頭と巻末にはそれぞれ、監修者のまえがき、あとがきを収録する。「私は本書のどの語りの、どの部分を読んでも、深い感慨と感動をおぼえます。ここには語り手たちが経験した「沖縄の戦後」が、確かに存在するのです」(岸政彦、まえがきより)「数多くの沖縄の人たちから聞き取りしてきたにもかかわらず、庶民の生活の奥深くに分け入り、心の襞に触れるところまでは、聞き取りはしていなかったか、と思わざるを得ない語りにも出会えました」(石原昌家、あとがきより)

ユーザーレビュー

  • 沖縄戦記 鉄の暴風

    Posted by ブクログ

    かの沖縄戦記は、もっとも後世に語り継ぐ貴重な1冊と言うべき図書と言えます。戦争を知らない、これからの人々に読み継がれることを祈念致します。
    沖縄タイムス社及びちくま学芸文庫に対し、感謝の意を現したく思います。

    0
    2025年04月20日
  • 沖縄戦記 鉄の暴風

    Posted by ブクログ

    感想を書くのもはばかれる、沖縄の血と涙の戦記です
    当時の沖縄タイムス社員が直説相対した戦時中の記録と後年住民らに聞き取った内容です
    帯に「日本人必読の書」とあったが正にその通りです
    時は心臓ドキドキし時には涙しながら読みました
    この再発行された方の尽力にも感謝します
    読むことができてよかったです
    追記
    この本を読んだ後24/6/23沖縄鎮魂の日に読まれた高校生仲間君の詩「これから」を再聴しました
    さらに心に響きました

    1
    2024年06月27日
  • 沖縄の生活史

    Posted by ブクログ

    2021年12月から「沖縄タイムス」で始まった
    「沖縄の生活史」プロジェクト。それは、現代の伝承。
    100名の聞き手が100名の語り手から聞いた、生活史の数々。
    ・はじめに 岸政彦  ・おわりに 石原昌家

    100通りの沖縄生活史は、実際に体験した人々の経験と記憶。
    一人につき1万字の飾らぬ言葉には20代から99歳の、
    戦前・戦中の生活、戦後の沖縄が日本ではなかった時代、
    沖縄復帰後と現代の、複雑で様々な思いが込められている。
    日本軍の兵士、空襲、手榴弾、身近過ぎる死、捕虜、収容所、
    移民と沖縄への帰還、終戦後の本土から沖縄へ帰るまでの苦難、
    マラリア、ハンセン病、本土での差別、パスポート、

    0
    2023年08月01日
  • 沖縄の生活史

    Posted by ブクログ

    ひとりひとりのページ数はさほど多くはないが、それが100人分集まった本自体の物理的な重量と内容が手首と心にずっしり響いた。過酷な体験ばかりではなく、戦争マラリアのこと、生きるための知恵や工夫、沖縄の歴史や家族の大切な記憶。
    その時その時を必死に生きてこられた方々の証言を聞き取り共有してくださりありがとうございます。

    0
    2023年06月28日
  • 沖縄戦記 鉄の暴風

    Posted by ブクログ

    最後についている戦記は、戦争史実のものとして読み慣れたものだが、その戦場にある悲惨さをありありと感じさせる内容。捕虜になることの恐怖やそれすら考えられない極限の状況、極限の飢餓状態にありながら、精神の拠り所が大きく揺さぶられる葛藤、幼子をはじめとした弱者への容赦ない蹂躙、軍隊の勇敢さや逆に上層部の卑劣さ、、筆舌に尽くしがたい地獄があの土地にほんの数十年前にあったのかと信じられない内容。今知れてよかった

    0
    2024年12月15日

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