あらすじ
第二次世界大戦における最激戦地の一つ沖縄。軍民合わせ20万人もの尊い命が犠牲となった。本書のタイトルの「鉄の暴風」とは、1945年3月26日から3カ月間にわたり途絶えることなく続いた艦砲射撃や空爆のすさまじさを表現した言葉だ。1950年の初版刊行以降、沖縄戦を象徴する言葉として定着した。地形が変わるまで打ち込まれた砲爆弾、壕に逃げ込んだ住民を炙り出す執拗な火炎放射、そして民間人にまで及んだ自死の強制。本書は行動を軍とともにした記者たちが自らも体験したその壮絶な戦場の実態を、生存者をたずね克明に記録したもの。現代史第一級の史料を初文庫化。
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Posted by ブクログ
感想を書くのもはばかれる、沖縄の血と涙の戦記です
当時の沖縄タイムス社員が直説相対した戦時中の記録と後年住民らに聞き取った内容です
帯に「日本人必読の書」とあったが正にその通りです
時は心臓ドキドキし時には涙しながら読みました
この再発行された方の尽力にも感謝します
読むことができてよかったです
追記
この本を読んだ後24/6/23沖縄鎮魂の日に読まれた高校生仲間君の詩「これから」を再聴しました
さらに心に響きました
Posted by ブクログ
かの沖縄戦記は、もっとも後世に語り継ぐ貴重な1冊と言うべき図書と言えます。戦争を知らない、これからの人々に読み継がれることを祈念致します。
沖縄タイムス社及びちくま学芸文庫に対し、感謝の意を現したく思います。
Posted by ブクログ
沖縄の地図をマップで見ながら読んだ。決して広くはないこの土地で、食糧も情報もなく右往左往しなければいけなかった人たちの声。
軍がどうやって市民を見捨てたかもわかる作品。
Posted by ブクログ
沖縄戦を知る上で欠かせない書だと思う。戦後間もない頃に書かれたものだから、みな記憶が鮮明で描写がリアリティ溢れてている。だからこそ悲惨さが伝わり、2度と起こしてはならないと思わせる内容。
Posted by ブクログ
最後についている戦記は、戦争史実のものとして読み慣れたものだが、その戦場にある悲惨さをありありと感じさせる内容。捕虜になることの恐怖やそれすら考えられない極限の状況、極限の飢餓状態にありながら、精神の拠り所が大きく揺さぶられる葛藤、幼子をはじめとした弱者への容赦ない蹂躙、軍隊の勇敢さや逆に上層部の卑劣さ、、筆舌に尽くしがたい地獄があの土地にほんの数十年前にあったのかと信じられない内容。今知れてよかった
Posted by ブクログ
半分まではしっかり読めたのだが、それ以降は斜め読みになってしまった。
ガザで今も戦争は起こっている。ちょうど市民を巻き込んだら戦争だから、沖縄と同様な地獄が繰り広げられているのではないかとぞっとし、また、早期の終結を願うのだ。
いつも戦争の被害者は一般市民である。軍は戦争の名の下に一般市民から強制的に収奪し、それに応じなければ殺害も厭わない。それは、戦争というものが普通の善良なる人間をそのようにさせるのだ。だから、戦争をしてはいけないのだ。米軍も一般市民がいると分かった上で沖縄に鉄の暴風を吹き荒らしたのだ。そこかしこに一般市民の屍があるので分かるはずだ。軍人と見分けがつかなかったなんて言い訳でしかない。戦争は起こしてはならない、起きたら早く止めないといけない。力で止めるのではなく、一人一人がやめるのだ