鶴ヶ谷真一の作品一覧
「鶴ヶ谷真一」の「論語」「一年有半」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「鶴ヶ谷真一」の「論語」「一年有半」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
Posted by ブクログ
中江兆民「三酔人経綸問答」光文社古典新訳文庫
元の本が書かれたのが1887年、この2年後に明治憲法が発布され、7年後に日清戦争が起きる。明治維新からは十分に時間が経ち、一方で欧米列強に対しては弱さを自覚していた時代である。そして欧米では普仏戦争が終わり帝国主義が全盛期を迎えていた。そんな時代に民主主義と平和主義に心酔する洋学紳士、富国強兵と大陸進出を熱望する豪傑、そして中庸をとく我が家の主人南海先生が鼎談する。時代のキーワードがスペンサー流の「進化」であること、中国侵略論も既に強かったこと、早くも英独の建艦競争から将来の世界大戦をうかがう見方もあったことなどが興味深い。南海先生の立憲君主制から
Posted by ブクログ
中江兆民について思い出したので、新訳文庫に入っているのを発見して、紐解いた。原文は漢文調とはいえ学の無い大学生でもなんとか読めたのだから、何をわざわざ訳する必要があるのだろう、悪口を言おうと目論んでいた。
そうすると、訳文と同量の注がついていて、この40年間に画期的に進んできた中江兆民研究の成果を惜しみなく注いでいた。「コレは買わなくては!」となった。感想を書く(当然小論文ではない)。
とはいえ、「一年有半」は万民に膾炙している著作ではないので、簡単に説明する。明治34年、自由民権活動家・中江兆民は喉頭癌を患う。医師から「あと一年有半だ」と告知され、その後約4か月の間に「生前の遺稿」として
Posted by ブクログ
明治の政治思想家の本。酒好きの「南海先生」を2人の客(洋学博士、豪傑の客)が訪ねてきてそれぞれの視点・思想から国のあるべき姿を論じ、意見を戦わせているという構図。この3人の他に注釈が、さらにこれを聴いている聴衆(時にヤジ的な)が加わる。
当時の社会情勢や倫理観を踏まえておかないとわかりづらい部分もあるが、概ね普遍的な話しが展開している。それぞれの理想と現実が色濃く表れ、極論が展開される傾向もありつつ、しかし現実的な話でもある。
著者は各論客の意見を極端に位置付けながらも、当時の国民に様々な視点から物事を考えるよう啓蒙する狙いを持っていたのかと思える。
映画やドラマ、小説にも「当時の社会情