「日本史がおもしろくなる日本酒の話」というよりも「日本酒がおもしろくなる日本史の話」でした。
年代ごとに書かれているけれども、ぶちぶちとキレたエピソード集で、歴史の裏話としてはそれほど目新しいものはありませんでした。
逆に日本酒の蘊蓄がおもしろい。
日本酒というか…日本に住んでいた人たちが作って飲
...続きを読むんで楽しんだお酒の中にはワインのあったらしい。
縄文時代って今よりも気候が温暖で、三内丸山遺跡のある青森県辺りが、今の東京と同じような気候だったんだって。
(じゃあ、地球温暖化って騒ぎ過ぎなんじゃ?)
アルコール度数を高める工夫をし(じゃないと、せっかく造ったお酒が腐ってしまうことがあるから)、日本酒に適した麹を探し、日本酒に適した米を作り、日本酒に適した水を使って造る日本酒は、長い長い年月をかけて少しずつ美味しくなってきた。
それが開国と同時に西洋の科学が入ってきたら、杜氏たちの経験だけで受け継がれてきた日本酒造りが科学的に解明されて、それまでよりも短時間でお酒が造れるようになったんだって。
江戸時代の酒のあての料理法や、みりんを使った高級カクテルの作り方など、酒にまつわる雑学がいろいろと面白い。
著者は日本酒プロデューサーで、日本地酒協同組合専務理事。
そして上杉謙信、鷹山の子孫なんだそうです。
だから日本史と日本酒なんだな。