作品一覧

  • 江藤淳は甦える
    5.0
    「日本という国はなくなってしまうかも知れない」――「平成」の虚妄を予言し、現代文明を根底から疑った批評家の光と影。二十二歳の時、「夏目漱石論」でデビューして以来ほぼ半世紀、『成熟と喪失』『海は甦える』など常に文壇の第一線で闘い続けた軌跡を、自死の当日に会った著者が徹底的な取材により解き明かす。新事実多数。
  • 小津安二郎
    4.5
    「晩春」「麦秋」「東京物語」――世界に誇る傑作群には、盟友への鎮魂歌がいつも静かに流れていた。鶏頭、麦畑、未亡人、粉雪、京都東山、龍安寺、そして壺……。激動の戦後史の中で、名匠は画面のディテールに秘められた想いを託す。生者と死者との間の「聖なる三角関係」が織り成す静寂の美の謎を解き明かす決定的評伝!
  • 天皇機関説タイフーン
    3.5
    1巻2,926円 (税込)
    言論はいかに弾圧され、口を封じられるのか。どうやって人々は生き延びるのか。 台風の如く、人々を翻弄し、敗戦に至る日本の行く末を決定した天皇機関説事件。 「昭和百年」に「合法無血のクーデター」の真相に迫る。 評伝『江藤淳は甦える』の著者による、天皇と憲法をめぐる人間ドラマ! 宮沢俊義は蓑田たちから次のターゲットとされていた。昭和十年には危うい位置に座っていたのである。美濃部の後を継いだ憲法学の少壮教授は、いかに巧みにサバイバルしたか。それは当人には棘となり、良心は痛み続け、戦後にまで尾を曳く。美濃部とは違う宮沢の「小さい」ありよう。それを他人事として批判するだけではすまされない。大なり小なりあの「小さい」ありようは当時の人々に内在していた。当時に限定することなく、いまの我々、いや私にもそれがあることを認めざるを得ない。史料を注意深く読んでいくと、その「小さい」ありようは、東京帝大出の官僚にも、政治家にも、それどころか、首相で海軍大将の岡田啓介にも、はるか上の「最後の元老」西園寺公望にも、雲の上の昭和天皇にも分有されていたのではないかとも思えてきた。けっして他人事ではないのだ。(あとがきより)
  • 昭和天皇 「よもの海」の謎
    3.0
    1巻1,540円 (税込)
    「よもの海みなはらからと思ふ世に……」、それは本来言葉を発してはいけない天皇が、戦争を避けるためにあえて読み上げた御製であった。しかしその意思とはうらはらに、軍部強硬派による開戦の口実に利用され、さらに戦後の戦争責任にも影響を及ぼしていく……。御製はいかに翻弄されていったのか――知られざる昭和史秘話。※単行本に掲載の写真は、電子版では一部収録しておりません。
  • 大東亜共栄圏の残影
    -
    1巻220円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 ●東亜新秩序から大東亜共栄圏、そして戦後秩序へ 近代日本のアジア新秩序構想をたどる 武田知己 ●帝国解体がもたらした悲劇 忘れられた「南方」の戦時と戦後 石原 俊 ●清沢洌、石橋湛山、石原莞爾…… 戦時下の言語空間を拘束したもの 平山周吉

ユーザーレビュー

  • 江藤淳は甦える

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    ハードカバーで760ページを超える大著であるが、読みやすく、ボリュームを気にすることなく読み終えることができた。

    江藤淳は、大学2年生の時に三田評論に書いた「夏目漱石論」で、従来の定説とされてきた小宮豊隆の漱石晩年の「則天去私」という神話を打ち壊し、漱石を近代の個人主義と我執の中で苦しんだ生活者として捉えた新進気鋭の評論家として強烈にデビューした。
    また評論や論争では、その鋭い舌鋒で論敵を打ち負かす保守の論客であり、評論家としては、戦前・戦後と活躍した小林秀夫の後継者として見られ、政治的には真逆の立場にいた吉本隆明と共に、当時もっとも影響力のあった評論家であった。
    (極左の吉本隆明と保守の江

    0
    2025年09月17日
  • 小津安二郎

    Posted by ブクログ

    ▼書名を見ただけだと、「はいはい、またまた小津本ですか」という印象だったんです。実は個人的に、20代の若いころに「小津本」を絨毯爆撃をするように読み漁った時期があり、全般食傷、もうあまり新刊が出ても読まないのです。正直、ほぼ知ってる話の焼き直しばかりですし。

    ▼ところが筆者名を見て「?」と興味が。「平山周吉」。これは、終盤の小津作品で頻繁に出てくる役名なんです。「・・・これは、かなりの小津マニアが書いてるんだな」と、購入。

    ▼結果、面白かったんです。大変に。DVD世代というか、ねっとり何度でも映画を見直せる強みを活かして、そしてとにかく「小津日記」をはじめとして同年代の新聞雑誌などのインタ

    0
    2024年03月24日
  • 天皇機関説タイフーン

    Posted by ブクログ

    昭和10年頃問題化した天皇機関説は学会・社会(政官)において通説だったものの、国内外で軍が増長していく過程で国粋主義者らの標的となり、時の政権を揺るがす問題に発展した経緯が国粋主義者、軍部、帝大、政府、国会、天皇及び側近らの日記、手記等多角的に検証していく。
    本書における主たる登場人物は美濃部達吉とその継承者にあたる宮沢俊義だが、その剛柔のキャラの違いが対照的で、置かれた状況更に戦後の変革期でどう発揮される様が興味深い。
    この2人以外にも皇道派の真崎甚三郎や天皇の憲法講師だった清水澄、国粋主義者の蓑田胸喜の記述も多い。
    結局美濃部個人への集中砲火になり、貴族院議員の辞任や著作物の発禁及び修正を

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    2026年05月05日
  • 小津安二郎

    Posted by ブクログ

    小津安二郎ファンは必読の書。
    産まれた日に死んできっちり60年の生涯を生きた名監督。
    朋友の山中貞雄(監督)の才能を認めその死を(28歳の若さ戦病死)嘆き悲しんだという。
    表紙の写真も小津監督と山中貞雄監督(確かにあごが長い、それを隠すために顎ひげを生やしていたそうな)と、お気に入りの女優、原節子の写真。
    ふたりは何度も噂になっていたみたいだけど、好意はあったのはもちろんだけど形にはなっていなかったような気がする。
    小津監督は生涯独身を通したけど、元芸者の森栄という器量良しの愛人さんが長年いたそう。
    大昔「秋刀魚の味」「晩春」は観た記憶があるけど、
    「東京物語」は録画したまんま、この映画につい

    0
    2023年08月29日
  • 天皇機関説タイフーン

    Posted by ブクログ

    戦前から戦中の、言論弾圧を取り巻く人々。
    天皇は国家の一機関であるのか、主権者なのか。
    別段ありように違いはなく源泉の問題だけだし純粋に学問としての議論だったはずなのだが、政治と道徳と正義がそれを封殺する。

    サヨクさんたちが言論の自由をうたうのはものすごく判る。
    わかるのだが、この時代にウヨクさんがやっていたことを今サヨクさんがやろうとしてるのは何なんだと思う。要するに、自分と違うものは存在してはいけない。

    宗教だな。
    ウエストファリア体制以前の宗教戦争に近い。

    かなり分厚くて、当時の、関係する人々が何をやったかということを詳細に書いていて、研究者にはいいんだろうがちょっと飽きた。ぼくに

    0
    2026年05月11日

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