藤本靖の作品一覧
「藤本靖」の「OSO18を追え〝怪物ヒグマ〟との闘い560日」「肩こりには脇もみが効く」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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Posted by ブクログ
出版社の宣伝文句が「究極のクマ本 緊迫の実録ノンフィクション! 羆(ヤツ)は、必ず戻ってくる。」というゴシップ誌みたいな煽り文になっているが手に取ってみると「驚愕の手記」というよりは560日間、対策チームが地道にOSO18という羆(ヒグマ)を追うことになった経緯、事の顛末が連ねてある至極真面目なノンフィクションだった。
著者の藤本靖氏は対策チームのリーダーなのだが、書いてある内容如何だけではなく、文体から、「この人は様々な事に気を配っている人で、いつも皆から頼られる人なのだろうなぁ」と人物像が自然と想像できた。
例えば、対策チームは藤本靖氏が普段一緒に狩りをしているハンターたちで構成されるのだが、彼ら一人一人の強みや人となりについ書いてある部分はとても詳細に書かれていて、「なんて頼りになるメンバーたちを集めたんだろう」と読んでいる方は深く感心してしまった。
過熱するマスコミに対しての苦労話、OSO18というたった一頭の熊を北海道という広大な土地で探すという気の遠くなるような仕事について、そして熊の習性など少し固く専門的な話が書かれる中、著者は折に触れて対策チームが食事を楽しむ場面などを挟んでくれる。内容に緩急をつけて専門外の読者の事を気遣ってくれる。北海道中を車で探索する中、メンバーはセイコーマートという北海道にしかないコンビニでしょっちゅう食べ物を補給するのだが、「ホットシェフ」という店内調理による大きなおにぎりが特に美味しそうで、読んでいてぜひ食べてみたいと思った。
常に現場に出ている人が書くので、OSO18という熊が現れてしまった説明は「理論」じゃなくて「この場所が」という具体的な場所の描写で現れる。一冊の本として実に実直で、本当に面白い本だと思った。
ちょっと過激な宣伝文句で売り出そうとするのもある意味納得。広く読まれると良いのになぁ。
Posted by ブクログ
4月に都心から少し離れた場所に引っ越してきたのですが、先日、近くでクマの出没情報があり、興味を持ってこの本を読んでみました。
クマを狩ること、そしてクマと共存することの難しさがよく分かる一冊でした。
「OSO18」という名前が、ある意味で誤解を生み、またOSO18自身が人間の存在を少し理解してしまっていたことが、事件を大きくしていったのだと思います。最期はあっけないものでしたが、決してハッピーエンドとは言えないと感じました。
あとがきに書かれていた「共存とは、あくまで人間を優先とした考え方である」という言葉が印象に残っています。
OSO18の出現は人間が引き起こしたものでしたが、一度肉の味を覚えてしまったクマは駆除するしかなかったという現実も描かれています。
自分にできることはせいぜい、クマと鉢合わせしてしまった時の対処法を学ぶことくらいだと感じました。
Posted by ブクログ
釧路から網走へ旅行した際、数年前に話題になった牛を襲う熊が出没していたことを思い出し、旅先の本屋さんで購入しました。
前年に姉崎等さんの「クマにあったらどうするか」を読んでいたこともあり、クマを無駄に怖がる必要はなくとも、何かを見落としていればそれが生死を分かつという予感もあり、読む前は緊張していました。
ですが、読み始めると、家畜が襲われた、大型の熊だと騒いでいたメディアとは異なり、現地の人々もハンターも、重大な事態が生じているからこそ、冷静で、クマと距離を取り、できる対策を行いながら、粛々と情報を集め、解決に向けて知恵を絞り、互いに相談し、じっと待つ。
問題のクマとの決着を知らなかっただけに、ラストには唖然としました。
本を読むまで知らなかったとはいえ、著者やハンターの創造に疑えるところはなく、最初から最後まで、人の愚かな所業に翻弄されたクマの一生えだると、哀れに思いました。