【感想・ネタバレ】OSO18を追え〝怪物ヒグマ〟との闘い560日のレビュー

あらすじ

藤本さんは私の釣友達で昔から羆のことは追いかけていた。
そしてついにこんな本まで。これは読むべし。――夢枕獏(作家)

2019年夏、北海道東部で、牛を次々と襲う謎のヒグマが確認された。付けられたコードネームは「OSO18」。

捕獲に乗り出した地元の男たちの数年に及ぶ闘いを描く。

<目次>
プロローグ
第一章二〇一九年・夏 襲撃の始まり
第二章 二〇二一年・秋 追跡開始
第三章 二〇二二年・残雪期 知られざる襲撃
第四章 二〇二二年・夏 知恵比べ
第五章 二〇二二年秋 咆哮
第六章 二〇二三年・春 異変
第七章 二〇二三年・夏 「OSO18」の最期
「OSO18」とは何だったのか?
あとがき

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Posted by ブクログ

出版社の宣伝文句が「究極のクマ本 緊迫の実録ノンフィクション! 羆(ヤツ)は、必ず戻ってくる。」というゴシップ誌みたいな煽り文になっているが手に取ってみると「驚愕の手記」というよりは560日間、対策チームが地道にOSO18という羆(ヒグマ)を追うことになった経緯、事の顛末が連ねてある至極真面目なノンフィクションだった。

著者の藤本靖氏は対策チームのリーダーなのだが、書いてある内容如何だけではなく、文体から、「この人は様々な事に気を配っている人で、いつも皆から頼られる人なのだろうなぁ」と人物像が自然と想像できた。

例えば、対策チームは藤本靖氏が普段一緒に狩りをしているハンターたちで構成されるのだが、彼ら一人一人の強みや人となりについ書いてある部分はとても詳細に書かれていて、「なんて頼りになるメンバーたちを集めたんだろう」と読んでいる方は深く感心してしまった。

過熱するマスコミに対しての苦労話、OSO18というたった一頭の熊を北海道という広大な土地で探すという気の遠くなるような仕事について、そして熊の習性など少し固く専門的な話が書かれる中、著者は折に触れて対策チームが食事を楽しむ場面などを挟んでくれる。内容に緩急をつけて専門外の読者の事を気遣ってくれる。北海道中を車で探索する中、メンバーはセイコーマートという北海道にしかないコンビニでしょっちゅう食べ物を補給するのだが、「ホットシェフ」という店内調理による大きなおにぎりが特に美味しそうで、読んでいてぜひ食べてみたいと思った。

常に現場に出ている人が書くので、OSO18という熊が現れてしまった説明は「理論」じゃなくて「この場所が」という具体的な場所の描写で現れる。一冊の本として実に実直で、本当に面白い本だと思った。

ちょっと過激な宣伝文句で売り出そうとするのもある意味納得。広く読まれると良いのになぁ。

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2025年11月23日

Posted by ブクログ

4月に都心から少し離れた場所に引っ越してきたのですが、先日、近くでクマの出没情報があり、興味を持ってこの本を読んでみました。

クマを狩ること、そしてクマと共存することの難しさがよく分かる一冊でした。
「OSO18」という名前が、ある意味で誤解を生み、またOSO18自身が人間の存在を少し理解してしまっていたことが、事件を大きくしていったのだと思います。最期はあっけないものでしたが、決してハッピーエンドとは言えないと感じました。

あとがきに書かれていた「共存とは、あくまで人間を優先とした考え方である」という言葉が印象に残っています。
OSO18の出現は人間が引き起こしたものでしたが、一度肉の味を覚えてしまったクマは駆除するしかなかったという現実も描かれています。

自分にできることはせいぜい、クマと鉢合わせしてしまった時の対処法を学ぶことくらいだと感じました。

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2025年10月16日

Posted by ブクログ

人間が捨てた鹿を食べた熊が人間の家畜を襲い、人間と敵対し人間に殺される。
全ては人間が蒔いた種。全て人間主軸の業。胸が苦しくなった。

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2025年10月04日

Posted by ブクログ

釧路から網走へ旅行した際、数年前に話題になった牛を襲う熊が出没していたことを思い出し、旅先の本屋さんで購入しました。

前年に姉崎等さんの「クマにあったらどうするか」を読んでいたこともあり、クマを無駄に怖がる必要はなくとも、何かを見落としていればそれが生死を分かつという予感もあり、読む前は緊張していました。

ですが、読み始めると、家畜が襲われた、大型の熊だと騒いでいたメディアとは異なり、現地の人々もハンターも、重大な事態が生じているからこそ、冷静で、クマと距離を取り、できる対策を行いながら、粛々と情報を集め、解決に向けて知恵を絞り、互いに相談し、じっと待つ。
問題のクマとの決着を知らなかっただけに、ラストには唖然としました。
本を読むまで知らなかったとはいえ、著者やハンターの創造に疑えるところはなく、最初から最後まで、人の愚かな所業に翻弄されたクマの一生えだると、哀れに思いました。

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2025年02月24日

Posted by ブクログ

めちゃくちゃ面白かった。文章がうまくて流れがすごく分かりやすいし、すいすい読める。ゴールデンカムイから得た知識のおかげで、熊の習性や地名の解像度が高いのはありがたいw
駆除をしたシカが適正に処分されず森のなかに放置されている実態など、さまざまな規制や懸念も提起されており、OSOのようなクマを産み出してしまった背景に、ニンゲンの行動に起因する問題がいくつも潜んでいたようだ。OSOの生い立ちも行動も最期も、ニンゲンの犠牲になっているように思えて切ない。

育成牛は農家さんから預かっているだけという話、そりゃあクマの被害は気が気じゃないよなと、身につまされました…。

そしてOSO対策本部の胃袋を支えていたのはセコマのおにぎり。

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2025年02月09日

Posted by ブクログ

肉食熊OSO18を追い続けた捕獲班たちのドキュメンタリー。
実際の進捗を読みやすく綴られていて、大変興味深く、また面白かった。
怪物熊を作り出したのは人間であり、今後も第二第三のOSO出現も示唆されていて恐ろしい。

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2025年01月07日

Posted by ブクログ

一気読み。結局人間が気をつけないといけないのだった。OSO18はお肉の味を覚えてしまっただけの普通のくまさんだったのだ。

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2024年10月27日

Posted by ブクログ

牧牛を次々と襲うヒグマを追ったドキュメンタリー。
標茶町オソベツ地区でヒグマの食害が見つかり18センチの足跡から名付けられたOSO18。

シリアルキラーを追うような感覚を覚えるOSO 18を追い詰めるハンター達の姿は、実話だけに緊張感に溢れ命がけの捜索であった。
物語ならば辿り着かない結末にはあっけなさもありながら、OSO 18が置かれた環境下の不自然な人間の悪意がもたらした結末を思うと、単純な猛獣駆逐だけの話ではなかった。
考えさせられた一冊だった。

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2024年10月16日

Posted by ブクログ

OSO18のことは、テレビや新聞でいろいろ情報は入っていたが、改めて、その捕獲駆除に従事していた方々の活動の記録。ドキュメンタリーだけれど、ドラマを見ているような高揚感があった。
命懸けのボランティア。その労力には頭が下がる。
最後が呆気なく、罠が左手に食い込んだまま歩き続けて最後を迎えるOSO18に、少し感傷的な気持ちになったり。
クマを駆除することに批判的なSNSの投稿が多数あったとも聞いているが、そういう人たちに是非読んでほしいわ。

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2024年10月13日

Posted by ブクログ

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近年、野生のクマによる被害の報道を、よく見聞きするようになりました。
特に、北海道で発生したヒグマによる被害は、"OSO18"と呼ばれる特定の個体が繰り返し起こしていると、センセーショナルに報道されていました。
野生動物と人間との関わりについて、以前から興味を持っていたので、この事件について詳しく知りたいと思っていました。
報道がひと段落した後に書店巡りをしていたところ、題名に"OSO18"とあるこの本が置かれていたので、読むことにしました。

著者は、事件が起きた北海道東部で、ヒグマに関するNPO法人の理事長をされているとのこと(執筆当時)。
OSO18による被害は当初、担当外の近隣の町で起こっていましたが、協力の依頼を受けて関わるようになったそうです。

被害が続いたため、著者達は地域のハンターらを集め、特別対策班を編成します。

OSOを捕獲すべく、捜索を開始した対策班。
しかしその対象は、東京23区の3倍という広大な範囲に及びます。
過去にOSOが事件を起こした場所を中心に捜索しますが、少ないと言われていたこの地域に数多くのヒグマがいることもわかって・・・という始まり。

本書は、最初の被害から四年がかりとなった、著者と対策班の活動の日々が、時系列でまとめられています。

複数の牛を襲って怪我を負わせていながら、その中でも一部の牛のみを食べるOSO。
「普通のクマ」という想定で捜索を始めた著者たちですが、上記をはじめとする複数の謎が浮かび上がります。
その謎解きも、本書の読みどころの一つです。

そしてOSOの特徴として、繰り返し書かれているのが、並外れて「用心深い」ということ。
最初は半信半疑だったのですが、読み進めるにつれて、OSOが自らに迫る人間の動きを察知して行動しているということを、驚きをもって理解しました。

自分自身、不思議に思っていたのが、哺乳類の肉を食べることが少ない野生のヒグマがなぜ、自らの意思で牛を襲うようになったのかということ。
この点は本書のメインテーマの一つでもあるのですが、自分なりに以下のように理解しました。
(1) ヒグマがエゾシカの肉に容易にありつける環境が、人為的な理由により増えてきた
(2) エゾシカの個体数そのものが増え、牛がいる牧場の周囲にも出没するようになった(⇒牧場の近くに、ヒグマが来る場所が出来てしまう)

そして、マスコミの報道ではわからない部分が多かった、OSOの最期について。
著者の推測で補われた部分もありますが、おおよそこういうことだったのだろうと、納得しました。

今回の経験を踏まえて著者は、OSOのようなクマは再び、出現してしまうだろうと書いています。
エゾシカをめぐる問題については、改善に向けた取り組みも始められているようですが、地方の過疎化が進む今後は、危険性がさらに増すのではないかと、自分も心配になりました。

野生動物が減りすぎたり絶滅してしまうのはかわいそう、でも、自分たちに危害や被害が及ぶのは困る。
多くなりすぎた動物は間引きが必要、でも、その処理能力が足りない。

経験やノウハウを持った人が減っていく中で、野生動物とどう向き合っていくのか?
地方行政の一つの課題として全国で取り組み、良い事例を広めていくなど、工夫していく必要があるように思えました。

本書を読んで、この問題への理解が深まった部分がある反面、知らないことがまだたくさんあることも認識しました。
今後も関連書籍を読んで、自分なりに考えを整理していきたいと思います。
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2025年11月24日

Posted by ブクログ

なぜOSO18と名付けられたヒグマは牛やエゾシカを襲い食べるようになったのか

自然界での突然変異!なんてことはない
結局のところ動物が絶滅したり行き場を失ってしまったり、、何かしらで人間が関わっているのだと思うとやるせない

もちろん直接は関係ないんだけど、今後クマのニュースを見たときにOSO18が頭をよぎる気がする



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2025年10月28日

Posted by ブクログ

熊殺しについて肯定する理由が1つでも見つかるかと思ったけどまじで1つもなかったわ

個々のハンターのことはまったく悪く思わないけど、家畜襲ったってだけで当たり前のように殺すのが胸くそすぎる
だってどうせ人間に食べられる家畜ならなんで熊が食べちゃいけないの?
せめて人間を殺した個体だけにしろや

シカ捨て場とかふざけんなよ
結局全部人間のせいじゃねーか
それでなんで熊殺しが正当化されるのか意味不明すぎ
自然の摂理に反しすぎ
じゃあ熊だって責任能力なしで無罪放免だろーが
なんで人間だけ特別だと思ってんのか頭沸きすぎ

しかもOSOに関しては人間は1回も襲ってないどころかプロがビビりって言うぐらい人間のこと自分からちゃんと避けてたのに
しかも非合法な括り罠で痛めつけるとかまじで被害者でしかない可哀想

思想は別として、著者はじめOSO18特別対策班のみなさんのことは本当に尊敬する

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2025年09月08日

Posted by ブクログ

OSO18という肉食熊を作り上げたのも人間だった
「クマとの共生は人間優先でしかありえない」
という言葉も心に響いた
この世は人間ファースト
仕方ないのかもしれないけれどおそろしいことだなぁ…

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2025年05月15日

Posted by ブクログ

本編とはまったく関係なけど、おじさんたちの和気藹々感が紙面から溢れ出ていてめちゃくちゃ興奮した。なんにしろ、ルールは守らないと大変なことになるな。

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2025年04月23日

Posted by ブクログ

OSOとの攻防ハラハラの連続。だが最終的に対策班が捕獲できなかったことを知ってるので、肉薄してるかのような描写は却って虚しく感じた。人間が生み出した怪物という表現は秀逸。

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2024年12月03日

Posted by ブクログ

専業の作家が書いたかのような筆致で、熊ハンターたちを率いるチームのリーダーが書いたヒグマとの闘いの記録。
人間の振る舞いがヒグマの肉食化を助長し、OSO18という化け物を(ある意味想像的に)創り上げる結果となったという考察は、北海道の僻地においてももはや人的な介入が自然を大きく変化させているのだということを読者に突きつける。
サスペンス的面白さもある名作ドキュメンタリーだった。

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2024年11月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

シカ猟の処理が不十分だったことで熊が肉食化して牛が襲われるというのが説得力があった。色々変わるんだなあ。びっくり。

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2024年08月27日

Posted by ブクログ

 2019年から2023年にかけて道東で、ヒグマに家畜が連続して襲われる獣害事件が発生した。
 最初の襲撃の場所オソベツと、足跡の直径18cmという情報から名付けられたのが”OSO18”。
 通常のヒグマが好む木の実やフキには目もくれず、執拗に家畜の内臓を好んで食べる。
 さらには通常のクマは”自分が狩った獲物に固執する”が、OSO18は獲物に対する固執はなく、人間の気配を感じると慌てて逃げていく臆病さを持つ。
 
 OSO18が現れた2019年から、2023年夏にあっけなく捕殺された幕切れまでを、対策メンバーの中心者がOSO18を追った足跡を記す。

 なぜ、肉食を好む習性が身に着いたのか。
 そこにはハンターのモラルが守られていない人間起因の理由があった。
 さらに恐ろしいことには、道東周辺のヒグマはOSO18に限らず肉食だという習性も分かってきた。

 クマとの共生は「人間優勢でしかありえない」。
 アイヌはクマを神としてあがめたが、人間に害をなすクマは悪い神として徹底的に駆除した。
 人間と自然とのレッドラインを維持する対策が必要だ。

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2024年08月24日

Posted by ブクログ

職場の同僚が貸してくれた本です。夏休みに読みました。牛を何匹も殺し、食べていた熊OSO18を捕獲するドキュメンタリー。特別チームが編成され数年にわたり、居場所を探索するのだが、なかなか見つけられません。探索する範囲が広大であることと、人間のニオイがあると近づかなくなる非常に慎重な熊の性格から、なかなか場所の特定ができません。マタギとクマの頭脳戦が展開されます。
結果は、ニュースにもなっているので、ご存じ方もいらっしゃるでしょう。結末を知らない人も、知っている人も熊の生態を知りたい人や、熊が生息している地域にお住まいの方は読んでみても良いかと思います。

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2024年08月11日

Posted by ブクログ

巷では「怪物ヒグマ」と呼ばれたOSO18だが、本書を読んでみると全くもって「怪物」なんかじゃなかった。改めて、ヒグマと人間との共生の在り方というものを考えさせられるものだった。道民ならば一度は読むべき本だと思う。

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2025年10月22日

Posted by ブクログ

熊を猟師さん達の大変さが読める。ニュースなんかで熊が悪すると、行政は何やってるんだとか言う人いるが、実際に熊を追うことの大変さというのはあまり報道されていない気がする。また、熊を殺すなとか言う人いるが、共存の難しさは考えた方がいい。OSO18を追跡するのに、どれだけの人が現場で苦労しているのか、昨今の街中での熊の出没ニュースを見るが、猟師さんの大変さを知れる本だった。

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2025年10月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

本書に書かれていることは概ね真実だろうと思う。

→人間が栄養価の高い牧草を創り出した。
→エゾシカがそれを食べ、容易に冬を越せるようになって、数が爆発的に増えた。
→農作物被害が深刻化、その為、ハンターによるシカの駆除数が増えた。
→駆除したシカの処理が大変で、それを不法投棄する輩が増えた。
→不法投棄された新鮮なシカ肉にクマが容易にありつけるようになり、本来草木類を食べるクマを、肉ばかり食べるクマに変えてしまった。

「OSO18を怪物に仕立て上げたのは最初から最後まで人間、すべては人間のせいである。」

予想外に読み手が考えさせられる一冊であった。

牧草の品質改良がまさかこういった悲劇に結びつくなんて誰も想像だにしなかったろうと思うと共に、このような事態に波及する可能性があることをしっかり認識しておかねばと思った次第である。

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2025年08月30日

Posted by ブクログ

2019年夏。道東に位置する標茶町。町の中心部から8kmほどのオソツベツの牧場で乳牛1頭の腹が裂かれる。引きずってた羆は逃げた。2021年秋から始めた追跡。足跡の幅は18cm。存在は認識すれども姿が捕らえられない。560日の戦い。終わりは意外な形で迎えた。…不法投棄されたエゾシカを食べ、大型動物の肉の味を覚え、後に家畜を襲う。何気ない不注意が禍に結びつく。一線を越えた敵に対しては時に命を奪う。それは自然界の掟でもある。動物との共生は容易ではない。ヒトとクマにとって、今後も不幸な事態が起きないことを願う。

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2024年12月14日

Posted by ブクログ

たくさんの牛を殺していたOSO18捕獲までのストーリー 結果的に別のハンターが捕まえていた。

文章があまり上手くない。

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2024年09月19日

Posted by ブクログ

NHKスペシャルOSO18は見た(録画までした)。あそこに映っていた方が書いた本だ。
怪物ヒグマだの、忍者グマだのという異名をつけられたヒグマを追跡してみたらそれは慎重な、デカすぎることもない普通のヒグマだった。ただそんなヒグマを怪物に変えていったのは紛れもなく人間であり、OSOが襲撃したエリアのヒグマが草木を口にしていないという事実は第2、第3のOSOが出てくる可能性があるという。人間とヒグマとの共存は軽々しく口にするようなものではないと改めて思うと共に、対策班のみなさまおつかれさまでした。

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2024年09月19日

Posted by ブクログ

数年前に話題になっていた、牛殺し熊。
それを追う、特別チームの執念。

なのだが、展開はかなり地味。
猟ってなそういうもんなんだろう。人間と熊の知恵比べ。
ただ、当事者が直接書いているせいか読みづらい。文章が難しいわけでもないのだが、光景が目に浮かばない感じか。

熊害というと、あの、読むのもそう毛立つようなものを思い出すのだが、狡猾ながらもビビリなクマが、肉の味を覚えて家畜を襲う。人はやられてない。むしろ人からは逃げている。

筋書きのあるドラマでもないので、最後はおいおい、という感じでもあった。

一番は、その筋書きではなく、なぜそういうクマが生まれたか、これから同じようなことは十分に発生する可能性があって、それに対してどう人が向き合っていくかが問題。

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2024年09月03日

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