作品一覧

  • 新編 疾走するモーツァルト
    -
    1巻1,463円 (税込)
    モーツァルトくらい、孤独と華麗、激情と蕩揺のあいだの距離の大きい音楽家はいなかった――。小林秀雄、河上徹太郎等、日本人のモーツァルト受容史を精緻に跡づけつつ、幼少期から今日迄その音楽を鍾愛し、聴き抜いたモーツァルティアン高橋英夫が、耳と心を研ぎ澄まし、変幻するモーツァルト像に迫る表題作に、「音楽的貴種流離譚」等モーツァルトをめぐるエッセイ14篇を加え新編とする。
  • 偉大なる暗闇――師 岩元禎と弟子たち
    3.0
    1巻990円 (税込)
    夏目漱石が『三四郎』の“偉大なる暗闇”広田先生のモデルとしたとの“伝説”の旧制一高独逸語教授・岩元禎。頑固一徹、情容赦なく落第点をつける徹底した厳格さの古典的理想主義の哲学者。その変り者の生涯と精神の軌跡。近代ヨーロッパ文化と初めて遭遇し苦闘するその姿を漱石など関連の人物たちと対比させた多面的評伝にして明治の精神史。思想探求の書。第13回平林たい子賞受賞。
  • 暢気眼鏡 虫のいろいろ 他十三篇
    3.7
    1巻814円 (税込)
    洒脱で晴朗なおしゃべり。出世作となった「暢気眼鏡」以下一連の貧乏ユーモア小説から、身辺な虫の生態を観察した「虫のいろいろ」、そして老年の心境小説まで、尾崎一雄(1899-1983)の作品には一貫して、その生涯の大半を過した西相模の丘陵を思わせる爽やかな明るさがある。代表的な短篇15篇を編年順に収録。

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  • 暢気眼鏡 虫のいろいろ 他十三篇

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    ネタバレ

    いやあ、これはよかったなあ。読めてよかった。貸してもらってこれを今読めたのが最高に運がいい。
    二作目の芳兵衛から、完全に作品の中に入った。p54-55の夫婦の会話(これは灯火管制)がすごくいいなあとなり、ここまでの三作がまず繰り返し繰り返し読みたくなる作品なのは間違いない。
    虫のいろいろの好きなところは、いろいろな虫の特徴と、人間の性格を照らし合わせて主人公が自分とも重ねるところで、解説にも書いてあったけれど、尾崎一雄のそういう思考を覗きやすい作品でもある。
    ここまでで大満足なのに、後半の蜂についての話がまたよかったなあ。家のそばの自然をよく見、よく書かれている。そういえば振り返ると松風もかな

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    2021年08月06日
  • 偉大なる暗闇――師 岩元禎と弟子たち

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    滄海遺珠。後半よりも前半のほうが好み。偉大なる暗闇は、暗闇のままでなければならない。偉大なる暗闇を偉大なる暗闇として我らその残り香を感じるのみ。以て瞑すべし岩元禎。でかした原勝郎! 遥かなる粟野観音像。

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    2012年11月07日
  • 暢気眼鏡 虫のいろいろ 他十三篇

    Posted by ブクログ

    やはりベストは『虫のいろいろ』。額のしわで一匹の蠅をつかまえながら(くしゃおじさんに匹敵)、そこから確率論、宇宙の有限or無限まで話がいって、最後は「うるさくなったのだ」というサゲ。笑える。

    続く「蜂」の連作もよい。対象即自己。『城ノ崎にて』を落語にするとこんな感じか。

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    2013年07月14日
  • 暢気眼鏡 虫のいろいろ 他十三篇

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     曲が終わった.すると蜘蛛は,卒然といった様子で,静止した。それから,急に,例の音のないするするとした素ばしこい動作で,もとの壁の隅に姿を消した.それは何か,しまった,というような,少してれたような,こそこそ逃げ出すといったふうな様子だった。――だった,とはっきりいうのもおかしいが,こっちの受けた感じは,確かにそれに違いなかった。
     蜘蛛類に聴覚があるのか無いのか私は知らない。ファーブルの「昆虫記」を読んだことがあるが,こんな疑問への答えがあったか無かったかも覚えていない。音に対して我々の聴覚とは違う別な形の感覚を具えている,というようなことがあるのか無いのか。つまり私には何も判らぬのだが,こ

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    2009年10月04日

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