作品一覧

  • 閔妃暗殺 ――朝鮮王朝末期の国母

    閔妃暗殺 ――朝鮮王朝末期の国母

    ビジネス・実用

    -
    1巻1,716円 (税込)
    1895年10月8日、朝鮮駐在特命全権公使・三浦梧楼指揮の下、日本の官僚と軍人が朝鮮王朝の王宮・景福宮に乱入し、王妃を殺害するという大事件が発生した。本書はその顛末を詳述したもの。韓国でも翻訳出版され、大きな反響を得た。日本で「閔妃暗殺」と呼ばれるこの事件は韓国では「乙未事変」と呼ばれ、日本人にとっての「忠臣蔵」のように誰もが知る歴史的出来事となっている。一方、日本では歴史教科書への記載も少なく、認識している人も多くはない。いったい誰がなぜこのような凶行を計画したのか? 未来のために、日韓関係に深い傷を残したこの大事件の全容を知る。
  • いっさい夢にござ候 本間雅晴中将伝

    いっさい夢にござ候 本間雅晴中将伝

    小説・文芸

    3.5
    1巻1,100円 (税込)
    フィリピン攻略戦でマッカーサーを敗走させたものの、バターン半島に立て籠もった敵を攻めあぐね、ついに大将の夢叶わず、予備役に編入された本間。敗戦後、捕虜虐待等の責任に問われた夫を救うため、妻・富士子はマニラに飛び、軍事法廷の証言台に立った――。理性的で情に厚い“悲劇の将軍”の生涯を描いた本格ノンフィクション。 解説・野村 進
  • 甘粕大尉 ――増補改訂

    甘粕大尉 ――増補改訂

    小説・文芸

    4.0
    1巻1,023円 (税込)
    関東大震災下に起きた大杉栄虐殺事件。その犯人として歴史に名を残す帝国陸軍憲兵大尉・甘粕正彦。その影響力は関東軍にもおよぶと恐れられた満洲での後半生は、敗戦後の自決によって終止符が打たれた。いまだ謎の多い大杉事件の真相とは? 人間甘粕の心情とは? ぼう大な資料と証言をもとに、近代史の最暗部を生きた男の実像へとせまる。名著・増補改訂。
  • 一死、大罪を謝す─陸軍大臣阿南惟幾─

    一死、大罪を謝す─陸軍大臣阿南惟幾─

    小説・文芸

    -
    1巻825円 (税込)
    昭和二十年八月十五日朝、劇的な自決を遂げた陸相・阿南惟幾。帝国陸軍の典型的軍人として平凡な道を歩んでいた彼は、突然、その生涯最後の四カ月、歴史の表舞台に引き出された。巨大な組織の統率者として敗戦へ向う過程で、彼は何を考え、何を為そうとしたのか。――一切を語らず自決した軍人・阿南惟幾の行動を緻密にたどり、歴史の事実として捉えた、帝国陸軍の擡頭と崩壊の日。

ユーザーレビュー

  • 甘粕大尉 ――増補改訂

    Posted by ブクログ

    あくまで己が何を求められているかを常に考えていたのだろう。軍から求められる役割、満州の地で求められる役割、それぞれ様々な場所で応えてきた。だから人格がはっきりしない分恐ろしくも見えるし、生真面目にも見えるし、時に人間味のあるようにも見える。
    近代が求めて完成させた、ひとつの人間類型がある。人格と役割を切り離して行動できるという点で。

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    2013年05月09日
  • いっさい夢にござ候 本間雅晴中将伝

    Posted by ブクログ

    本間中将の処刑が、4年前に本間中将が総攻撃の命令を下した同じ月日、同じ時刻にあわせて執行されたという事実、総攻撃時の米軍司令官がマッカーサー(Dugout Doug)で、彼は既にオーストラリアに脱出していたという事実が示すものは…

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    2021年08月24日
  • 甘粕大尉 ――増補改訂

    Posted by ブクログ

    大杉事件で有名な甘粕正彦の伝記。

    彼が大杉事件について黙秘を貫き、不遇のフランス留学時代を経て、後半生は満州国建設に力を注ぐ姿が描かれている。
    彼の悲運な人生もあることながら、この時代の背景について描かれているので、興味ある方にはお勧め。

    0
    2016年12月12日
  • 甘粕大尉 ――増補改訂

    Posted by ブクログ

    時代の梟勇、満州の裏の帝王、謀略の士。
    満州の時代を彩る『甘粕正彦』のイメージは常に『闇』に充ち満ちている。

    満州モノを読み進める上で、甘粕は多かれ少なかれ必ず登場する。しかし、どれもこれも闇を動く甘粕の信条と心情を深く掘り起こすモノには遭遇できなかった。
    したがって、本書を読むまでのボクの甘粕に対するイメージはいかにもステレオタイプな闇の帝王のイメージでしかない。
    ビジュアル的にはラストエンペラーで坂本龍一が演じたあの無口で不気味な甘粕のイメージだ。

    さて、久々の高得点☆☆☆☆を付けた本書であるが、歴史書にはとどまらないノンフィクションであるが故に、作者の興味のままに一人の日本人としての『甘粕正彦』が十分に描かれている。
    ただし、本書のタイトルは『甘粕正彦』ではなく元帝国陸軍憲兵大尉であったころの『甘粕大尉』である。このタイトルからして、単に満州の甘粕ではないその前時代を含め、後の甘粕自身を形成する一大事件から話が始まるのである。

    そして、この表紙に使われている甘粕自身の写真。
    諦観と慮りの眼差しとともにその瞳は漆黒に満ちており、信念の人とも傍若無人な悪漢ともとれない、ある種不思議な人間性が感じられる。
    この『諦観』というキーワードは本書を読み進める上で、甘粕大尉から甘粕正彦そして満州の甘粕と時代を駆け上がる甘粕正彦の常に心の底辺にこびり付いた澱のように彼の人間性を支配することとなる。

    そのきっかけが関東大震災の混乱の中引き起こされた『大杉栄事件』であるという。
    本書では『主義者』と一括りにされているが、関東大震災当時未曾有の災害の帝都下では、社会主義者や無政府主義者の不穏な動きが必要以上に警戒され、妄想が妄想を呼び、朝鮮人暴動のような流言飛語が現実と区別が付かない状況にまで民衆の不安をかき立て、結果多数の朝鮮人が虐殺されるという現代では考えられないような事件が発生した。
    ここまでは日本史の授業でも語られるところであり、ボクも歴史認識に一つとして覚えているところである。

    しかし、無政府主義者の大杉栄事件とはついにボクの記憶の中には存在しない。
    なぜかと思い、山川の日本史の教科書をめくってみると『大杉栄』の記載は一箇所しか見当たらないのである。
    『第13章第一次世界大戦と日本』の中の『3 平民宰相』の中の一節、『高まる社会運動』の中の一文である。

    こうした状況のなかで、社会主義・共産主義の運動も活発になり、1920(大正9)年には各派の社会主義者たちを集めて日本社会主義同盟が発足した。大杉栄らの無政府主義(アナーキズム)と共産主義とが対立したが、1922(大正11)年にはひそかに結成された日本共産党が、革命をめざす非合法活動を開始した。


    日本史の教科書では大杉栄に関してこの程度の知識でしか教えられていないのである。これでは社会主義と無政府主義の違いすらもわからず、大杉栄という人物がどれほどまでに影響力のあった人物であったかすらボクらにはわからない。
    ましてや、関東大震災のどさくさに紛れて暗殺が謀られたなどとついぞ学舎のなかでは知るよしも無いのである。

    話を戻すと、本書は関東大震災から始まる。最初の舞台がなんと金沢。そして金沢憲兵分隊所属の中村久太郎上等兵の話から始まるというのもなんともはや、現在金沢で暮らすボクとしては入り込みやすい(笑)
    そして、この金沢憲兵分隊が関東大震災への応援で出動命令がくだり、東京憲兵隊本部に着任し、麹町分隊所属となったところで、麹町分隊長であった甘粕大尉と遭遇するのである。
    しかし、この日の夜、麹町分隊所管のところで大杉栄殺害事件が発生する。

    事件は俄に当時帝国陸軍憲兵大尉であった甘粕正彦を犯人として解決が図られるが、この『大杉栄殺害事件』に関する軍法会議の陳述や、当時の甘粕周辺のインタビューどれもこれも甘粕大尉は誰かの命によりすべてを飲み込んでいるがごとくであり、下手人に仕立て上げられた感が否めない。
    しかし、ここですべてを飲み込んで墓場まで持って行くという主義思想は甘粕自身の軍人として思想教育を重ねてきた当時の日本陸軍軍人としての矜持でもあったのかもしれない。

    第二次世界大戦に至る日本人、日本に関する論述で気をつけなければならないのは、現代であるかのようにまだ身近に感じられるかもしれない時代ではあるが、戦後民主主義教育を重ねて育ってきたボクらとは全く異なる主義、信条で生きていた時代である。
    従って、今の道理で判断をすれば間違ったとしかいいようがないことであると思うが、今の規範で当時の物事を図ってしまっては、ではなぜ当時の日本、軍、民衆はあのような行動を取ったのか?ということに理解が及ばなくなってしまう。
    『ダメなモノはダメ』だけでは歴史からはなにも学べないものだとボクは思っている。

    そんな、後の人間甘粕正彦を形成する『大杉栄殺害事件』から、出所後フランスでの一転した自己喪失状態までのルポは、歴史の教科書にはけして触れられない一帝国軍人の信条を理解する上で圧巻である。

    その後、満州建国から満州帝国崩壊にいたる甘粕の活躍ぶりは光と闇それぞれあるが、けして関東軍の威を借りた暴君でも無ければ、満映理事長時代に繰り広げられる文化人でもない。
    甘粕正彦という人物は、頭の先から足の指先まで徹頭徹尾軍人では無くなってからも、帝国陸軍の軍人として『忠君愛国』の士であったということが十分に感じられる内容であった。

    漆黒の闇に包まれた『諦観』は最後の満映理事室での自殺により、彼自身が自らの欺瞞の人生に幕を落とす、ある種の清々しさも感じられる人生の幕引きであったと感じた。

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    2015年04月09日
  • 甘粕大尉 ――増補改訂

    Posted by ブクログ

    甘粕という人に関心があるというよりは、著者の評伝が好きなので手にとった一冊。私にとって甘粕といえば「大杉栄殺害事件の人」ですが、冒頭をその事件の描写から、そしてその事件に残る謎からはじめ、一人の人間を周囲の証言から照らし出していく手法はいつもながら読んでいて面白い。フランス時代の甘粕の驚くほどの弱さも意外。最後の甘粕の独白の辺りの感傷は評価しないが、本編は十分に面白く読んだ。但し筑摩書房での復刊に辺り加筆されたあとがきの辺り、大杉栄殺害事件と並んでとりあげたかったという王希天殺害事件へのくだりは蛇足という気がしてならない。あとがき執筆当時の著者の年齢からしてしょうがないとはいえ、本編の丹念な仕事ぶりからすると残念なほどに「いかなるものかは私は知らないが……(その名前を冠した財団が)いい加減な話で支援してくれるはずないと思われるではないか」などという杜撰さが散見される(名前だけで判断するのでは詐欺にあっても文句は言えない)。確かに日本人は過去を知らなさ過ぎる。けれど、このようなあとがきを読むと、私は著者のためにも残念に思う。というわけであとがきの分だけ★ひとつ減。

    0
    2009年10月04日

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