作品一覧

  • 古琉球 海洋アジアの輝ける王国
    4.3
    1巻2,420円 (税込)
    世界に開かれていたのは日本ではなく「琉球」だった! 13~17世紀の古琉球の時代、ボーダーレス海域でどのような歴史と文化が展開されたのか。琉球に残されたかな文字の碑文や『歴代宝案』などの外交文書、中国・朝鮮ほか、近隣諸国に残る史料などから総合的に検証。冊封体制論からはみだした古琉球の独自の事象を浮き彫りにする。同時代の日本を含むアジア世界の歴史のありかたに境界史から光をあて、その全体像に新たな視角を拓く。
  • 定本 中世倭人伝
    -
    1巻1,650円 (税込)
    中世アジアの海の世界を鮮烈に描いた書籍の決定版! 苛烈な略奪を繰り返し諸国を悩ませた前期倭寇。その結果生まれた倭人居留地「三浦(さんぽ)」は、朝鮮に巣食う「腫瘍(しゅよう)」とまで呼ばれ、後期倭寇は、アジアに進出してきたヨーロッパ勢力をも巻き込み、銀をめぐる密貿易で世界史に躍り出る……。彼ら倭寇・倭人は日本のものとは明らかに異なる「倭服」に身をつつみ「倭語」を操る、国籍や民族を超えた集団だった。14世紀から16世紀にかけて東アジアの海を舞台に、国家や民族集団からドロップアウトし、しばしば暴力をともないながら、自由に、どこまでもしたたかに生きた人々を描き出す。 「倭人は帯方の東南、大海の中に在り」。邪馬台国の史料としてよく知られる『魏志倭人伝』。ここからおよそ1200年後の朝鮮王朝の記録に、再び「倭人」は現れる―― 14世紀後半、女性や子供にも容赦ない前期倭寇の略奪が『朝鮮王朝実録』に恐怖の記録として生々しく克明に記された。倭寇に苦しむ朝鮮王朝がとった懐柔策によって15世紀に誕生したのが、倭人居留地の三浦である。エネルギッシュで、自由奔放で、論理を越えた倭人がひしめく三浦は、猫のひたいほどの場所でありながら、周辺の朝鮮社会に巨大な経済的影響をあたえ、やがてソウルの政財界まで巻きこんだスキャンダルを引き起こしていく――。 三浦を中心に、倭寇王の後継者として豊臣秀吉が登場するに至る中世東アジアの海域世界を描いた『中世倭人伝』。文庫化にあたって、原本には入れられなかったソウルの倭人たち、江南沿海域を中心とする後期倭寇の猖獗、石見銀山の爆発的増産によって世界を駆け巡った日本銀、さらに16世紀ヨーロッパの古地図に描かれた、銀と海賊に特徴づけられる日本像などの論考を増補し、倭人たちが躍動する海の世界を大きく広げた決定版登場!(原本:岩波書店、1993年)  【本書の内容】 学術文庫版はしがき I 中世倭人伝 「魏志倭人伝」によるプロローグ 一 国境をまたぐ地域 二 「三浦」──異国のなかの中世 三 密貿易の構造 中華の崩壊によるエピローグ 文献案内 あとがき 『中世倭人伝』韓国語版刊行によせて II 倭人群像 一 三浦の鎮城と関限――薺浦を中心に 二 倭人たちのソウル 三 三浦の乱時のソウル倭館 四 石見銀山と倭人ネットワーク 五 海賊、銀山、ザビエル――ヨーロッパ製古地図を読む 六 琉球王国と「倭寇」 七 中世日朝貿易における経典の輸入 学術文庫版あとがき
  • 増補 中世日本の内と外
    3.3
    1巻1,210円 (税込)
    「国境」という概念が定着する以前から、東アジア世界にもたしかに領土・領有意識はあった。しかしそれはあくまで権力者の都合によるもので、一般の民衆には大きな意味をなさなかった。日本と新羅の国交が断絶した9世紀、朝鮮半島南西部を拠点にした海上貿易のドン・張宝高は、日本に唐物の商品を運び、貴族からも大いに喜ばれた。また中国の仏教聖地を訪れるために遣唐使船に同乗した天台僧の円仁は、新羅人の船に乗って帰ってくる。日朝間の海域では「倭人」が活発な交易を行っていた。境界を軽々とまたぎ、生活していた東アジアの人びとに焦点をあて、境界観の歴史をたどる。
  • 世界史のなかの戦国日本
    4.0
    1巻1,210円 (税込)
    サハリン・沿海州貿易を手中に収めようとする蛎崎氏、琉球王国を狙う島津氏、南蛮貿易のためにおたずね者まで取り込む松浦氏、世界基軸通貨=銀貨をめぐり暗躍する倭人ネットワーク……。15、16世紀の日本では、商業圏拡大という覇権争いが始まっていた。「グローバル・ヒストリー」の先鞭をつけた歴史学の名著。
  • 北条時宗と安達泰盛 異国合戦と鎌倉政治史
    値引きあり
    3.5
    1巻847円 (税込)
    生まれながらに執権の地位を約束された若き執権北条時宗と、彼を支え無謀にも思える大胆な幕府改革を試みた硬骨の政治家安達泰盛。二人が中核を担う13世紀の日本に、ユーラシア大陸を席巻したモンゴルの嵐が迫る――。 「救国の英雄」では決してなかった時宗の素顔とは? 泰盛の弘安徳政は、幕府が構造的に抱えていた限界にどのように挑んだのか。二人を主人公に、絵巻や彫刻、宗教など多様な視点を取り入れ、血なまぐさい権力闘争相次ぐ政治史を、著者ならではの手腕で立体的に編み上げた労作!(原本:日本放送出版協会、2001年) はしがき――時代、世界、個人 プロローグ――若君誕生 第一章 時宗誕生前後の幕府政治 第二章 北条得宗と御家人安達氏 第三章 蒙古襲来のなかで 第四章 絵にみる時宗時代 第五章 時宗と日中禅宗世界 第六章 時宗死後の政治改革 エピローグ――記憶のなかで  あとがき  付録1 書評と紹介 川添昭二著『北条時宗』 付録2 研究余滴 大河ドラマあやかり本の大罪 学術文庫版あとがき 主要人物の生没年 安達泰盛の経歴 北条時宗の履歴書

ユーザーレビュー

  • 古琉球 海洋アジアの輝ける王国

    Posted by ブクログ

    「古琉球」は、慶長14年に薩摩の島津氏に征服される以前の琉球をさす言葉。 
    古琉球の時代、琉球は大和政権やその後を承継した政権のコントロールの埒外にあり、むしろ中国王朝の柵封体制の元にあった。
    それ故に、その歴史を再現する史料、古文書類がたくさん残されている。
    琉球王朝の話は、燃えてしまった首里城や県立博物館でさらえたが、復習も兼ねて面白く読ませて頂いた。
    琉球とアイヌは日本という国を考えるに当たって勉強しておかねばならないのである。

    0
    2024年08月21日
  • 古琉球 海洋アジアの輝ける王国

    Posted by ブクログ

    【世界をつなぐ海の王国】
    「古琉球史はなんてったっておもしろい」で始まるこの本は前近代の琉球について、各国に残るありとあらゆる史料と人種論・言語などから分析したもので、日本とは異なる独自の文化があったことがよくわかる。琉球人の起源(確かなことはわかっていないが)、その後中国文化が流入。王国が誕生して東南アジアと明とをつなぐ「中継貿易」で栄える。世界に開かれた繁栄の時代を経て島津氏の琉球征服。1冊に収まっているのが嘘のような圧巻の内容だ。

    沖縄の歴史というと近代以降の琉球併合や第二次世界大戦前後についてばかりだが、古琉球の時代を知り日本史とも並行してみてみたい。たとえば遣唐使のころ奄美からの貢

    0
    2023年05月01日
  • 世界史のなかの戦国日本

    Posted by ブクログ

    16世紀にアジアとヨーロッパが繋がり、世界史の中に日本が大きく登場する事となったきっかけ、明との関係、銀山の発見採掘を述べ、如何に16世紀が流動的な社会だったのかが分かる。

    0
    2023年11月04日
  • 北条時宗と安達泰盛 異国合戦と鎌倉政治史

    Posted by ブクログ

    時宗の誕生から霜月騒動までを対象に、幕府が構造的に抱えていた限界を改革しようとした状況が書かれています。
    絵巻や彫刻、宗教など多様な視点を取り入れてるのは興味深かったです。

    0
    2023年07月09日
  • 北条時宗と安達泰盛 異国合戦と鎌倉政治史

    Posted by ブクログ

    2001年刊行本の文庫版。時宗の誕生から霜月騒動までを対象に、蒙古襲来前後の権力構造の変質と政治改革の挫折の過程を描く内容。禅宗系史料から見る時宗の人物像や、泰盛の目指した体制の考察など興味深い内容だった。

    0
    2023年04月17日

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