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「国境」という概念が定着する以前から、東アジア世界にもたしかに領土・領有意識はあった。しかしそれはあくまで権力者の都合によるもので、一般の民衆には大きな意味をなさなかった。日本と新羅の国交が断絶した9世紀、朝鮮半島南西部を拠点にした海上貿易のドン・張宝高は、日本に唐物の商品を運び、貴族からも大いに喜ばれた。また中国の仏教聖地を訪れるために遣唐使船に同乗した天台僧の円仁は、新羅人の船に乗って帰ってくる。日朝間の海域では「倭人」が活発な交易を行っていた。境界を軽々とまたぎ、生活していた東アジアの人びとに焦点をあて、境界観の歴史をたどる。
...続きを読むPosted by ブクログ 2013年04月14日
中世日本史を専門とする村井章介先生の一般向け書籍。
東アジア諸国との関係が不安定になり市井の日本人や韓国人、中国人の相互の感情が悪化していく今において、改めて東アジアにおける日本とは何かを考えるにあたってよい材料となる本でした。
大学生向けの入門授業のノートをもとに構成したという本書は、現代とは...続きを読む
Posted by ブクログ 2014年12月12日
全て理解できていない。理解を進めるには、朝鮮史や中国史も知る必要がある。中世の境界に対する意識にせまるという視点が興味深い。国境や一つの国家という概念が生じたからこそ、国際化は難航しているのかもしれない。多少脇道にそれるが、外国人労働者の劣悪な労働環境や、インドネシア?などからの看護師?の受入がその...続きを読む
Posted by ブクログ 2013年04月04日
中世史概観、特に孤立主義と国際化を試みたリーダーという構図や、9世紀から16(17?)世紀までの長い中世像は一種の古典的価値か。
ただ、足利義満に関する評価が今では異なっている、など、統一感を優先して議論をアップデートしなかったのはどうなんだろう。お弟子さんによる解題も必読というのは古典ならでは、...続きを読む
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