村井章介のレビュー一覧

  • 古琉球 海洋アジアの輝ける王国
    【世界をつなぐ海の王国】
    「古琉球史はなんてったっておもしろい」で始まるこの本は前近代の琉球について、各国に残るありとあらゆる史料と人種論・言語などから分析したもので、日本とは異なる独自の文化があったことがよくわかる。琉球人の起源(確かなことはわかっていないが)、その後中国文化が流入。王国が誕生して...続きを読む
  • 世界史のなかの戦国日本
    16世紀にアジアとヨーロッパが繋がり、世界史の中に日本が大きく登場する事となったきっかけ、明との関係、銀山の発見採掘を述べ、如何に16世紀が流動的な社会だったのかが分かる。
  • 北条時宗と安達泰盛 異国合戦と鎌倉政治史
    時宗の誕生から霜月騒動までを対象に、幕府が構造的に抱えていた限界を改革しようとした状況が書かれています。
    絵巻や彫刻、宗教など多様な視点を取り入れてるのは興味深かったです。
  • 北条時宗と安達泰盛 異国合戦と鎌倉政治史
    2001年刊行本の文庫版。時宗の誕生から霜月騒動までを対象に、蒙古襲来前後の権力構造の変質と政治改革の挫折の過程を描く内容。禅宗系史料から見る時宗の人物像や、泰盛の目指した体制の考察など興味深い内容だった。
  • 古琉球 海洋アジアの輝ける王国
    海洋アジアに足跡を残す、古琉球の成り立ちから終焉までを、
    多彩な史料を読み、検証して、明らかにする。
    序論  古琉球から世界史へ
    第一章 王国誕生前夜
    第二章 冊封体制下の国家形成
    第三章 冊封関係と海域交流
    第四章 和/琉/漢の文化複合
    第五章 王国は滅びたのか
    文書、碑文、書簡等の画像豊富。各種...続きを読む
  • 世界史のなかの戦国日本
    第1章は総論。教科書を読んでいるようで、なかなかスピードに乗れなかったが、2章以降の各論は楽しめた。日本の辺縁部と世界との繋がりは興味深い。しかも、中央集権が完成前夜の地方の大名・豪族の動きや、海を越えて密貿易するしたたかな人々。古琉球の章では『テンペスト』を思い出した。鉄砲伝来も教科書では説明され...続きを読む
  • 世界史のなかの戦国日本
    きちんとした歴史学者の著作なのでやや堅苦しいが、面白い。日本中世から近世への移行期を、東アジアをはじめ、世界史の中の広い視野で位置付けて考えるために、大いに参考となる本である。
    こういう本を読むと、まだまだ知らないことは多いし、分からないことも多い、と痛感させられる。統一的な整合性ある理論で歴史を語...続きを読む
  • 増補 中世日本の内と外
    中世日本史を専門とする村井章介先生の一般向け書籍。

    東アジア諸国との関係が不安定になり市井の日本人や韓国人、中国人の相互の感情が悪化していく今において、改めて東アジアにおける日本とは何かを考えるにあたってよい材料となる本でした。

    大学生向けの入門授業のノートをもとに構成したという本書は、現代とは...続きを読む
  • 北条時宗と安達泰盛 異国合戦と鎌倉政治史
    学術書。最近でた学術好きは ほう となるような発見があったりするもの。この本は大河ドラマの時期に出版され、最近の発見をふまえ少し改稿されたもの。わかるのは権力の継承はスムーズになされなかったことぐらいか。

    ※評価はすべて3にしています
  • 北条時宗と安達泰盛 異国合戦と鎌倉政治史
     元寇の際の鎌倉幕府執権の座にあったことで有名な北条時宗であるが、実はそのひととなりを物語る史料が極端に少なく、具体的な人物像を描くことは難しいとのことである。
     そのような中ではあるが、様々な史料を博捜して時宗の人物像に迫ろうとしたのが本書の特徴である。あわせて、時宗を支えたものの時宗死後、いわゆ...続きを読む
  • 古琉球 海洋アジアの輝ける王国
    世界のネットワークに繋がってた、琉球。大航海時代のヨーロッパから見ると、鎖国を敷いた日本より、琉球国の方が、大きな存在だった。それを現してか、ヨーロッパで作成された世界地図の中で、日本よりも琉球の方がかなり大きく描かれていた。

    様々な地域と繋がり、交易をすることで生き延びる戦略は、弱者の闘い方とし...続きを読む
  • 増補 中世日本の内と外
    全て理解できていない。理解を進めるには、朝鮮史や中国史も知る必要がある。中世の境界に対する意識にせまるという視点が興味深い。国境や一つの国家という概念が生じたからこそ、国際化は難航しているのかもしれない。多少脇道にそれるが、外国人労働者の劣悪な労働環境や、インドネシア?などからの看護師?の受入がその...続きを読む
  • 増補 中世日本の内と外
    中世史概観、特に孤立主義と国際化を試みたリーダーという構図や、9世紀から16(17?)世紀までの長い中世像は一種の古典的価値か。
     ただ、足利義満に関する評価が今では異なっている、など、統一感を優先して議論をアップデートしなかったのはどうなんだろう。お弟子さんによる解題も必読というのは古典ならでは、...続きを読む