≪2022年10月号≫月刊 書店員すず木

≪2022年10月号≫月刊 書店員すず木
この道10年以上のプロ書店員・すず木です!
前月に配信された新作マンガで実際に読んで面白かったものの中から<少年・青年マンガ><少女・女性マンガ>それぞれ1作品を勝手に「今月の書店員すず木賞」としてご紹介!

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今月の書店員すず木賞

少年・青年マンガ

      • われわれは地球人だ! : 1

        われわれは地球人だ! : 1

        これは……女子高生3人組が未知の科学により地球から飛び立った巨大ショッピングモールで宇宙を旅する、友情と冒険と遭遇の物語である――。藤子・F・不二雄先生が提唱した「すこし・ふしぎ」の精神を継承する高橋聖一が放つSFコミック!

        女子高生が巨大ショッピングモールを宇宙船として、宇宙を旅するSF(すこし・ふしぎ)な物語!

        別々の高校に通う3人の女子高生。
        彼女達はそれぞれの事情を抱えて巨大ショッピングモール パンゲアに集います。
        彼女達を乗せ(?)突然地球を飛び立つ巨大ショッピングモール。
        これまで全く接点のなかった3人の少女達が、巨大ショッピングモールでの共同生活&宇宙旅行をはじめるのですが…。
        まずはこの物語の主人公となる3人の少女をご紹介します。

        オープンを控えた巨大ショッピングモール・パンゲアを作った会社の社長令嬢 飛野 火乃子(ひの ひのこ)。
        彼女は、父親のツテでショッピングモールのオープンイベントに招待されようとする同級生達に嫌気が差し、オープンに向け忙しい両親にクリスマスの約束を反故にされ、学校でも家庭でもショッピングモールのことばかりな状況に怒りを募らせていました。
        そしてついに怒りが頂点に達した火乃子は家にあったショッピングモールのカードキーを手にパンゲアへと向かいます。

        奈々鉢 弓(ななはち ゆみ)は多数派を嫌い、我が道をいく少女。
        大衆音楽や巨大ショッピングモールの商業主義に反発を感じるものの、パンゲアのちらしにレア物インディーズCDを取り扱うショップの広告を発見し、開店前に並ぶべくショッピングモールへと向かいます。

        春畑 未々美(はるはた みみみ)は両親の仲を取り持つために、頑張って貯めたお金でショッピングモール内にできるレストランの高級コースを予約していました。
        しかし、そんな未々美の気持ちを知らずお互いを罵る両親の姿に耐えきれなくなった彼女は家を飛び出し、気が付けばショッピングモールに来ていたのでした。

        ショッピングモール店内から聞こえた不審な音に様子を伺いに入った未々美は、そこで破壊活動をしている火乃子とそれを見ていた弓に遭遇します。
        3人で言い争いをしている最中、突然轟音が!!
        音が止んだと安心する彼女達の前には宇宙空間が広がっていたのです!!

        どんどん地球から離れていくショッピングモールですが、店内は不思議な事に空気も重力もあり、電気の供給も途絶えていません。
        一体どういう原理でそうなっているのかは全くの謎。
        ですが彼女達はその状況を受け入れ、快適に過ごしているのです。

        この物語にはとにかくワクワクが詰まっています。

        子供の頃、ショッピングモールやデパートに住んだら楽しそう!と思ったことはありませんか?
        この物語はそんな子供の夢物語が描かれているようなワクワクが詰まっています。
        謎だらけで全く解明されていないのですが、「理屈は解らない。でも凄い科学力が働いている!」そんな感覚的な摩訶不思議もワクワクポイントです。
        主人公の3人が抱える問題が今後どうなるのかも注目のワクワクポイントではないでしょうか。

        この物語の“SF”は「サイエンス・フィクション」としての“SF”だけではなく、藤子・F・不二雄先生が提唱した「すこし・ふしぎ」の“SF”なのです。

        果たして3人は地球に無事帰還することができるのか!?
        そもそも何故巨大ショッピングモールは宇宙に旅立ったのか!?

        彼女達の宇宙旅行を一緒に楽しんでください!!

少女・女性マンガ

      • きみの横顔を見ていた(1)

        きみの横顔を見ていた(1)

        高1男女4人、全員片想い中。すべてが愛しい青春群像劇! 1人目の主人公は平凡を極めた高校1年生の光。 恋愛とは縁遠く、親友の美少女・麻里に見合う男子を探す日々。 そんなある日、麻里の相手役として妄想していた クラスのムードメーカー・大谷くんと 学年一のイケメン・朝霧くんから話しかけられて――...

        高1男女4人、全員片想い中。交差する想いに胸がぎゅっとなる、極上の恋愛物語!!

        社会問題や重い題材の恋愛マンガではなく、とにかく純粋な10代のラブストーリーを読みたい!!という方にお勧めしたいのが、こちら!!

        自分のことを平凡と思っている森 光(もり ひかり)は、親友の美少女でありながら極度の人見知りな髙橋 麻里(たかはし まり)こそが物語の主人公たる存在であると思い、麻里の相手役にはクラスのムードメーカー大谷 慎太郎(おおたに しんたろう)か学年1モテる朝霧(あさぎり)が良いのでは?と妄想していました。
        そんなある日、突然大谷と朝霧から話しかけられ、大谷が麻里のことを好きであることを知ります。
        大谷が麻里の相手に相応しいと思った光は大谷の恋を応援するのですが、次第に自分の気持ちが大谷に向いていることに気付き…。
        この物語はとても丁寧に各キャラクターの心情が描かれています。
        それを表しているのが、光の部活のシーンです。
        麻里と大谷との仲を取り持とうとする内に大谷の優しさに気付き、次第に彼のことばかりに目がいくようになった光。
        そんなある日、所属する吹奏楽部で3年生のポジションを1年である光が奪ってしまったのです。ポジションを戻して欲しいと教師に頼みに行った際、
        「あなたは本当はどう思っていて、どうしたいと思っていますか?」
        と問われて、部活だけでなく恋においても自分の気持ちに気付くのです。

        ずっと主演は麻里、自分は彼女の物語に友情出演するだけのポジションであると思っていた光。
        平凡で良いと思いながらも、吹奏楽のホルンは誰よりも練習をし、誰よりも大谷を見ていた光。
        彼女が大谷への気持ちを自覚した時から彼女の表情や彼女まなざしの先の風景が変化していきます。
        その描写がとてもリアルで心が苦しくなります。

        1巻の途中からは大谷視点でも描かれており、4人の中で恋愛関係が巡るのかと思いきや…!?

        読み進めるほど10代のキラキラしたピュアな恋模様にぐっと惹きつけられます。
        恋をしたからこそ新しい自分に気付き成長する姿は、私には眩しすぎます…!!

        4人の片思いが交差する純粋な極上ラブストーリーをご堪能ください。

こちらもオススメ!!

惜しくも今月の書店員すず木賞からは漏れたものの、オススメの作品をご紹介!!

書店員すず木

2005年より電子書籍サイトの仕事に携わる、この道10年以上のプロ書店員。
年間に読むマンガの冊数は2000冊以上。
「面白いマンガを多くの人に読んで欲しい」をモットーに、オススメのマンガをご紹介します。

最近の書店員すず木:スプラトゥーン3をはじめたのですが、全然上達せず…。ひたすらローラーで自陣を塗る日々を過ごしています。
ジャイロ機能を活用しているのですが、そのせいでゲームしなが体が動きまくっています…。

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