こはく文庫 - 新刊(1ヶ月以内)作品一覧
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4.0幼い頃から婚約を交わしていた公爵令嬢のリーリエと皇太子であるシュテファン。互いに想い合う二人は幸せな夫婦となれるはずだった。しかし二人に待っていたのは、子宝に恵まれないという悲劇。いつしか二人の間には夜の営みもなくなり、シュテファンには側室が設けられた。そんなある日、リーリエは毒を盛られてしまう。死を覚悟したリーリエは、「愛していた」と本当の気持ちを伝えようともがく。しかしそこで目にしたのは、シュテファンの手による「妻を殺す方法」という走り書き。毒を盛ったのはシュテファンだと悟ったリーリエは、どうせ死ぬのならと彼の目の前で自ら窓下の湖へ身を投げた……が、リーリエは目を覚ます。そこは王家へ嫁ぐ以前、18歳まで過ごした実家の自室だった。そう、死んだはずのリーリエは6年前の世界で目を覚ましたのだ。人生をやり直すチャンスを得たリーリエは、シュテファンとの結婚を回避すべく行動を起こすが……。
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-恋愛ゲームの運営や企画を仕事とする瑠香には、三次元の恋人はいない。MMORPG(多人数同時参加型オンラインRPG)でよく遊ぶ「カラスさん」のことがちょっと気になるけれど、それも恋愛感情とまではいかないだろう。そんな瑠香には、幼い頃に離ればなれとなってしまった男の子と、結婚の約束をして契約書まで交わした、甘い思い出がある。たまに夢に見る、淡くも大切な思い出だったけれど……。ある日、会社の事業部を立て直す上司として現れたのは、その幼馴染みの男の子・結翔だった! しかも彼は、瑠香が幼馴染みの少女だと気づくと、いきなり求婚してきたのだ。驚いた瑠香は、気になる相手がいると言って断るが、それでも結翔は引かなかった。瑠香は彼の情熱に押されるがまま、仮初めの婚約を結ぶことに。あっという間に結翔と同棲をすることになってしまった。動揺する瑠香は、癒しをカラスさんに求める。ところが、彼の正体は幼馴染みの結翔その人で……。
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3.0篠原千花の背中には昔遭った事故による大きな傷がある。それが原因となり、大学時代に大きなトラウマを抱えてしまった千花は、28歳となった今なお、人間不信気味だった。当然、恋愛からも遠ざかっているのだが、どんな相手の誘いも平然とかわす千花のことを周囲の人々は「恋愛経験豊富な高嶺の花」と噂していた。そんなある日、千花は衝撃的な再会を果たす。相手は大学時代に千花の恋人だった神崎遼。千花にトラウマを植え付けた張本人だ。遼は千花を仕事の窓口として指名し、過去の出来事など忘れたかのように情熱的に迫ってくる。だから千花は遼を失望させてやろうと決意する。本来の自分とは真逆の、噂どおりの遊び慣れた女を演じることにしたのだ。数多の男と夜を共にしたとうそぶき、彼の誘いにも軽いノリで乗ってみせる千花。昔とは変わってしまった自分に彼は幻滅するだろう。千花はそう思っていたのだが、遼の溺愛は関係を重ねる度に強くなっていき……。
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4.3王立美術館の学芸員として働くクローディア。念願だった仕事がようやく軌道に乗り、上機嫌で恋人の自宅へ向かった彼女はそこで、恋人の浮気を目撃してしまう。ショックと怒りで混乱した感情のまま町の酒場に飛び込みひとりで呑んだくれていると、見知らぬ男性から声をかけられる。舞台俳優のように美しいその男性は、クローディアの身に起きた最悪な出来事に耳を傾けてくれた。彼と言葉を交わしているうち落ち着きを取り戻したクローディアは、互いの名前も知らぬままに彼と一夜を共にしてしまう。その日を境に、彼とのセフレのような関係が始まった。しかしクローディアは彼に「ディア」としか名乗らなかった。彼の名乗った「エヴァン」という名もきっと、偽名なのだろう。そんな関係が続いたある日、クローディアはとうとう彼の正体を知ってしまう。エヴァンは第三王子だったのだ。身分の差に愕然としたクローディアはエヴァンの前から姿を消すが……。