哲学・宗教・心理 - 国書刊行会作品一覧
-
-※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 本巻には、 ・『顕戒論縁起』など入唐開宗の経緯を示す諸著作、 ・『授菩薩戒儀』『顕戒論』など大乗戒の確立をめざす諸著作、 ・『法華経』の開経たる『無量義経』の註釈『註無量義経』、 を執筆年順に収める。 伝教大師が築かれた、円・密・禅・戒を統合する日本天台宗の原点がここにある。 【目次】 凡例 『現代語訳 最澄全集』を読むための基礎知識 願文 請入唐請益表 授菩薩戒儀 大唐新羅諸宗義匠依憑天台義集 天台法華宗付法縁起 註無量義経 山家学生式 比叡山天台法華院得業学生式 請菩薩出家表 請立大乗戒表 天台法華宗年分得度学生名帳 内証仏法相承血脈譜 顕戒論 上顕戒論表 顕戒論縁起 遺言 総解題 解題 原文校訂
-
-古代インドで仏教と同時期に同地域で誕生し、いまなおインドで続くジャイナ教。初期仏典にも多くの記録が残り、祖師マハーヴィーラは六師外道のひとりニガンタ・ナータプッタとされ、主な教義と死亡記事も伝わる。しかも、ジャイナ教聖典と同一の詩句が仏典中に多く見られ、仏教の教えとして伝わっている。 ジャイナ教徒はインド総人口のわずか0.4%ではあるが、19世紀にはインド民族資本の大部分を占めていたといわれ、マハートマ・ガーンディーの非暴力・菜食主義に影響を与え、南方熊楠はその徹底した不殺生を仏教よりも高く評価した。 本書には、ジャイナ教の二大分派である白衣派の聖典から、【第Ⅰ篇】には古層文献を、【第Ⅱ篇】には出家者と在家者との戒律文献を、【第Ⅲ篇】には初期仏典と共通する伝承から作られたパエーシ王の物語を、【第Ⅳ篇】にはジャイナ教の祖師マハーヴィーラの伝記を収めた。 【第1章】『アーヤーランガ』第一篇は、出家修行者が解脱を達成するために遵守すべき禁欲的な修行生活全般を主題とする。なかでも第九章は、マハーヴィーラ出家後の厳しい苦行生活を古風な韻文で描いた、最古の祖師伝である。 【第2章】には、『スーヤガダンガ』第一篇第四章と第五章第一節を収めた。前者は男性出家者が女性との接触を避けるべきことを教示しており、最初期ジャイナ教のジェンダー観に有意な資料を提供する。後者は最初期ジャイナ教の地獄観を表す資料であり、『スッタニパータ』などの初期仏典、ヒンドゥー教の大叙事詩『マハーバーラタ』や法典『マヌ法典』にも類似した観念が見出され、当時の地獄観の共通認識を知るうえで欠かすことができない。 【第3章】には『ウッタラッジャーヤー』から古層に属する第一章から第二〇章、そして第二五章を収めた。出家者の生活への心構え、説話、伝説、対話篇、修行論、解脱論や業論といった教学的議論など、さまざまな内容で構成され、仏典にも並行する詩句が見出される。 【第4章】『ダサヴェーヤーリヤ』(十夜経)は、基本的な教義や出家生活上の規定をまとめた白衣派の古層をなす聖典であり、現在でも出家の儀式を終えた者が最初に学習する派もある。 【第5章】『ウヴァーサガダサーオー』第一章は、白衣派聖典中、もっともまとまって在家信者の宗教生活を説く章であるとともに、後に数多く著された在家信者向けの行動規範マニュアルの祖型ともなり、ジャイナ教の在家信者観をうかがう上で欠かすことのできない資料である。 【第6章】には、来世を信じず霊魂と身体が同一であると主張するパエーシ王と、ジャイナ教僧ケーシの対話である「パエーシ王物語」(『ラーヤパセーニヤ経』後半部)を収めた。訳注には、これに並行するパーリ仏典と3本の漢訳仏典との対応箇所を記した。 【第7章】には、白衣派ジャイナ教在家者にもっともよく知られる『ジナチャリヤ』(ジナたちの伝記)からマハーヴィーラ伝を収録した。 【第8章】『ヴィヤーハパンナッティ』第九篇第三三章「クンダッガーマ」を収めた。前章においてマハーヴィーラは最初にバラモン族の夫人の胎に宿り、胎児のままクシャトリア族の夫人の胎に移った。本章前半では、最初の母であるバラモン族の夫人と夫がマハーヴィーラと再会し、出家して解脱するまでが描かれる。後半部では、最初の教団分裂を引き起こしたジャマーリの出家から死までが記され、仏典におけるデーヴァダッタの破僧事件を彷彿とさせる。 アルダマーガディー語原典から訳出された本書により、マハーヴィーラ在世時の姿が、ここに蘇る。
-
-『ダンマパダ』第1章から第3章までの由来を物語る全32話 初期仏教最古の詩篇のひとつとされ、古来広く伝承されてきた『ダンマパダ(真理のことば)』。 そのパーリ語註釈書に説かれる、これらの詩句にまつわる物語を原典から全訳! ・口論を続ける比丘たちに失望し、象の世話を受け独りで雨安居を過ごしたブッダ ・サーリプッタとモッガッラーナの誕生から出家までと前世の誓願 ・ブッダに敵対して生きながら地獄に落ち、十万劫後に独覚となるデーヴァダッタ ・マハーリに問われて、ブッダが三十三天とその王サッカ(帝釈天)の由来を語る など、ブッダゴーサの珠玉の筆致で語られる、時にウィットに富み時に心が洗われる物語の数々を、ご堪能あれ!
-
-
-
4.0地球平面説、気候変動否定、コロナ否定、反ワクチン、反GMO、そして陰謀論—— 彼らはなぜエビデンス(科学的証拠)から目を背け、荒唐無稽な物語を信じてしまうのか? その謎をさぐるべく、神出鬼没の科学哲学者は陰謀論者の国際会議に潜入し、炭鉱労働者と夕食を囲み、モルディブの海をダイビングする……。 はたして科学否定論者は何を考えているのか? 知りたくない事実に耳をふさぐ人たちに、どうやったら事実を受け入れてもらえるのか? 本書では、科学否定論者に共通する5つの特徴を通じて、地球平面説(フラットアース)、気候変動否定、反GMOなどの行動原理を分析。最新科学の成果も交えて、エビデンスを嫌う人たちの考え方、説得の方法を考える。 《科学否定論者に共通する5つの特徴》 1 証拠のチェリーピッキング 2 陰謀論への傾倒 3 偽物の専門家への依存 4 非論理的な推論 5 科学への現実離れした期待 インターネットを通じて勢力を増し、政治の世界にまで影響を及ぼしている科学否定——その拡大を止める反撃の狼煙となる一冊! 「マッキンタイアは、社会心理学の成果を用いて信頼関係に基づいた対話の有効性を理論的に補強し、その『実践編』として様々な人々と実際に会って議論を交わし、ときには潜入取材まで敢行している。それゆえ本書は、豊富な知識と堅実な論証で裏打ちされた論考でありながら、科学否定論のリアルな実態に迫る重厚なノンフィクションでもある」――解説・横路佳幸
-
4.0《世界が変わる哲学》がここにある! 現代フランスを代表する作家ウエルベックが、19世紀ドイツを代表する哲学者ショーペンハウアーの「元気が出る悲観主義」の精髄をみずから詳解。その思想の最奥に迫る! *** 本書『ショーペンハウアーとともに』は単なる注釈書ではない。一つの出会いの物語でもある。二十五から二十七歳のころ――つまり、一九八〇年代半ば――ミシェル・ウエルベックは、パリの市立図書館でほとんど偶然に『幸福について』を借りた。「当時、私はすでにボードレール、ドストエフスキー、ロートレアモン、ヴェルレーヌ、ほとんどすべてのロマン主義作家を読み終わっていたし、多くのSFも知っていた。聖書、パスカルの『パンセ』、クリフォード・D・シマックの『都市』、トーマス・マンの『魔の山』などは、もっと前に読んでいた。私は詩作に励んでもいた。すでに一度目の読書ではなく、再読の時期にいる気がしていた。少なくとも、文学発見の第一サイクルは終えたつもりでいたのだ。ところが、一瞬にしてすべてが崩れ去った」。衝撃は決定的だった。若者は、熱に浮かされたようにパリ中を駆け巡り、『意志と表象としての世界』を見つけ出す。それは、彼にとって「世界で最も重要な書物」となった。そして、この新たな読書はさらにすべてを「変えた」。 私の知る限りでは、いかなる哲学者もアルトゥール・ショーペンハウアーほどすぐさま心地よく元気づけてくれる読書を提供してくれる者はいない。「書く技術」の問題ではないし、この手のジャンルに見られる饒舌でもない。それは公衆に向って発言しようというほどの勇気をもつ者ならばあらかじめ同意書にサインすべき前提条件のようなものだ。『反時代的考察』第三篇は、ショーペンハウアーを否定する少し前に書かれたものだが、そこでニーチェは、この哲学者の深い誠実さ、廉直さ、正直さを賞賛している。ショーペンハウアーの声の調子、その一種の粗野な善良さについて名調子で語り、それを読めば読者は名文家や文体に凝る連中に対して嫌悪感を覚えるだろうと述べる。これこそ、広い意味での本書の目的である。 (本文より) *** Arthur Schopenhauer アルトゥール・ショーペンハウアー (1788-1860) 19世紀を代表するドイツの哲学者。 ドイツ観念論に東洋哲学を取り入れ、実存主義・ニヒリズムの先駆者としても知られる。 主著は『意志と表象としての世界』(1819年)。彼の唯一で独自な思想は、若き日のニーチェを熱狂させたほか、ヴィトゲンシュタイン、フロイト、アインシュタイン、トルストイ、プルースト、ボルヘス、ワーグナーなど、後世の哲学者・作家・芸術家などに多大なる影響を与えた。 今日においては『余禄と補遺』(1851年)からの抜粋である『幸福について』『読書について』などのエッセイが広く一般に親しまれている。
-
4.5修行の世界を垣間見る スタート地点の「慈しみの瞑想」から悟りへの最終ステップ「七覚支」というゴールまでをわかりやすく紹介する、《本物の瞑想》の実践を目指すためのガイドブック。
-
-※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 ご住職、ご自坊の経理、本当に大丈夫ですか? 収益事業がない寺院の税務と会計は、これ1冊で十分! 高額な会計ソフトや煩雑な税法の知識はまったく必要なし! 収益事業を行っていても、自分で簡単にできる事務もたくさんあります。「本書を参考に自分で行えば税理士費用が削減できる」と〈税理士自身(著者)がいっております〉。「これだけは覚えてほしい」という重要箇所はゴチックにして目立たせ、各章末には「ポイント!」欄を設けました。 【第二版】では現在の税法に合わせて改訂し、法定調書とマイナンバー制度とを増補しました。
-
-※本電子書籍は単行本『モンテーニュ随想録』を分冊にしたものです。 1巻には はしがきに代えて———モンテーニュとの六十年——— はしがき———『随想録』五十年の歩み——— モンテーニュの知恵 はじめて『随想録』を読む人のために 目次 凡例 『随想録』 読者に 第一巻 第一章 人さまざまの方法によって同じ結果に達すること 第二章 悲哀について 第三章 我々の感情は我々を越えてゆくこと 第四章 ほんとうの目あてがつかまらないと霊魂はその激情を見当ちがいの目あての上に注ぐこと 第五章 包囲されたお城の大将は講和の際その城を出るべきや否や 第六章 講和の時の危険 第七章 我々の行為は意志によって判断されること 第八章 無為について 第九章 嘘つきについて 第十章 弁舌には早いのも、のろいのもあること 第十一章 予言について 第十二章 勇気について 第十三章 王侯会見の儀礼 第十四章 幸不幸の味わいは大部分我々がそれについて持つ考え方の如何によること 第十五章 みだりに一つの砦を固守する者は罰せられる 第十六章 卑怯の処罰について 第十七章 或る使臣たちの態度 第十八章 恐怖について 第十九章 我々の幸不幸は死んでから後でなければ断定してはならないこと 第二十章 哲学するのはいかに死すべきかを学ぶためであること 第二十一章 想像の力について 第二十二章 一方の得は一方の損 第二十三章 習慣のこと及びみだりに現行の法規をかえてはならないこと 第二十四章 同じ意図から色々ちがった結果が生れること 第二十五章 ペダンティスムについて を収録。