国内小説 - 文芸社作品一覧

  • 幾つになっても冒険者
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    1巻924円 (税込)
    2011年夏、還暦を過ぎて妻を失った主人公は、ベンチャーズの公演に行き、学生時代の友人に会う。友人の会社は3.11の大震災で甚大な被害を受け、会社の施設から放射性物質が飛散した。被害者のはずの会社は加害者になり、会社の存続も危うくなった。それぞれに心にショックを受けていた二人は、78歳のドン・ウィルソンはじめ四人合計270歳のベンチャーズのサウンドに勇気づけられ、仲間を集めて四人合計230歳のエレキバンドを立ち上げる。幾つになっても友情・正義・ロマンを持ち続けるオヤジたちの青春ノスタルジック冒険小説。
  • 居酒屋わかば
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    1巻990円 (税込)
    「変わらない味は、その時の思い出を誘う。……飲みたい時の酒がある、飲みたくない酒もある。ここ居酒屋わかばには、失った温かみを感じられる席がある。切なさをほどいてくれる酒がある」(本文より)。このお店は、家に持って帰れない話を置いていく所。飲んで話して元気もらって──。お店に集う人々の生き様と心に秘めた思いを、やさしく包み込むようなヒューマン小説。
  • 異色の恋 母娘ママ友
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    1巻990円 (税込)
    介護施設のデイサービスに通う厚弥季春は、施設のスタッフである夏季と、ほのかに惹かれ合っていた。夏季には三人の子どもがいたが、上の娘二人と末の男の子の年が離れていた。そのため、上の娘の子どもたち、つまり孫たちと自分の末子の年が近く、夏季は娘たちとママ友でもあった。90歳の季春と52歳の夏季。年齢を重ねた者同士の、豊かな絆を感じさせるプラトニックな関係を描いた小説。
  • イジメに負けるな
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    1巻990円 (税込)
    イジメの加害と被害は、子ども同士に限らない。学校の先生が加害者となっているケースもある。それをキャッチしているのは被害者の子どもだけというところに、問題の根深さがある。教師と生徒という異議を唱えづらい関係の中で、イジメは「存在しない」ものとされてしまう。しっかりと監視して報告すべき人に自覚がないという根本問題も含めて、イジメの被害者側から心情を吐露した物語。
  • 異世界転移 世界自然遺産の島 ─ボニンアイランド“母島”─
    NEW
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    1巻1,188円 (税込)
    はじめて母島を開拓した折田家の足跡を小説仕立てにするとともに、二十年ぶりに島を訪れた旅を記録したことで世界自然遺産の島の総括的紹介も含む多層的な作品となった。正確さ、実証性を重視しつつ、島の自然や生き物、島の歴史への熱い想いが感じられる。小説とドキュメンタリーが巧く同居しリアリティーに富んだ本書は、小笠原を訪れる人により深い理解と啓蒙を与えるだろう。
  • 13,328日 ~あなたの時間~
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    1巻990円 (税込)
    当たり前に生きているうちには気が付かないことがたくさんある。その最大のテーマは「命あることの意味」かもしれない。36年間と半年ほど(13,328日間)でその生涯を終えた英樹は、ある日、劇場に招かれる。スクリーンには自分の人生が映し出され、一人で鑑賞する。子どもの頃には分からなかった家族の考えや、親身になってくれた姉の姿を初めて知る。生きているときには見えていなかったものとは……。
  • いつか辿り着ける陽のあたる場所 ~薬物依存症の家族を抱えて~
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    1巻990円 (税込)
    「自分は依存症じゃない」「ちゃんとコントロールできている」そう言って薬を飲み続ける春也に、どうすれば気づかせることができるのだろうか──。依存症という沼にはまった家族との赤裸々な闘いの日々を、妻の視点から冷静に見つめ、描写した実録小説。市販薬物に限らず、依存症は、本人を蝕むばかりではなく、関わらなければならない家族をも蝕んでいく……。
  • 命のねだん 戦争孤児と引揚者のふたつの物語
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    1巻1,056円 (税込)
    90歳超の著者が戦争体験者から聞いた話をもとに書いた2つの物語を収録。「今日を生きてつなぐ」は朝鮮北部に住んでいた少女がソ連侵攻を逃れ家族と一緒に占領下を脱出する物語。「夜明けのらせん階段」は大阪で暮らしていた少年が空襲により家も親も失いながらも残された妹と必死に生きていく物語。本書は戦争が起こるとどうなるのかを伝える貴重な作品となっている。
  • いろいろな謎、見つけた
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    1巻1,188円 (税込)
    あれ、何か困っているのかな? どうでもいいことだけど気になってしまう……。小さな〈事件〉や謎を、人を思うやさしい心と視点で解いていく青春物語。「空色って、どんな色なんだろう」いろいろな空の色。どの色も、そのときの空を表している。まるで、人の気持ちのように。人の気持ちは見えないけれど、表情や言動で現れるように。(『空色の舞台の仲間たち』より)
  • インパチェンス
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    1巻495円 (税込)
    皆に呆れられながらも、「月の石」と称される石を買った男は、急に元気になって真面目に職探しを始めたが……。「金色の葡萄」をもとめて辺鄙な里山に分け入った男は村人に案内され……。軟弱で父虎に勘当をくらった虎の子供は、兎の師匠に鍛えられ、メキメキと強くなったが、父虎に兎の師匠を食い殺されて……。世の不条理と諧謔、風刺とほんの少しの切なさのこもったオムニバス作品集。
  • 宇宙人と暮らしてみれば
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    1巻1,089円 (税込)
    【こっちの世界で、ねえちゃんとマユミ以外の人間にお目にかかるのは久し振りだなあ、オイラもついてるよなあ。おう、どうでい、お気に召してもらえたかい。おっと、枕だけ読んで本棚に返(けえ)すって、ヤボなマネはいただけねえなあ】(「枕」より)。二匹の犬あずきと大福、そして妹のマユミと暮らす“ねえちゃん”。そこに宇宙人が現れて……。一体これからどんな生活が始まるのか!?
  • 烏羽玉の夢
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    1巻1,188円 (税込)
    長年にわたり歴史に興味を抱き短編小説を書き続けた著者の作品の中から、混沌とした中世を舞台にした、時代に翻弄されながらも、和歌・茶道・などの芸術に関わり一時代を創った名人・上手の「道を極めん」とする生き方に光を当て、独特の視点からその姿を浮き彫りにし描き記した掌編を厳選した五編をまとめた、歴史好きには見逃せないアンソロジー。
  • 海に向かう風の匂い
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    1巻594円 (税込)
    都心から少し離れた遊山中学校に赴任することになった若き無量。彼は己の信念のもと、新校長の打ち出す「生徒を肯定する」教育方針に共感を抱いた。しかし、生徒の暴力沙汰は収まらず、教師同士も思想の違いから対立に明け暮れている。このような状況で無量に一体何ができるのか? 新校長の方策は成功するのだろうか? 実際の教育現場で悩み、格闘してきた筆者が展開する人間ドラマ。
  • うんこ日記
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    1巻1,089円 (税込)
    2023年1月末、父が自宅前で転倒し、第二頚骨と右手首を骨折。救急車で搬送され入院し、リハビリのために転院。転倒してから110日、やっと自宅に戻ってきた。そして、その日から私の父の「うんこ」と「おしっこ」との戦いが始まった──少しずつ変化していく父親の日常と、それに対して湧き上がる複雑な感情を、娘の視点で赤裸々に描くエッセイ。
  • 永遠と驚異
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    1巻1,188円 (税込)
    偶然集められた選ばれし4人の若者。高宮、翔、エリ、宙。4人は先生と名乗る者に「紙に書けば望むものを永遠に手に入れることができる。ここは永遠ですから」と告げられる。その教室には時間が存在しなかった。4人は仮の部屋に理想の世界を作り、それぞれが行き来し合いながら心に秘めた本当の願いを探し始める。錯綜する中、彼らが辿り着いた答えとは? 新感覚パラレルワールド小説。
  • 笑顔のおすそわけ
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    いつも一緒だったウグイスが突然姿を消しました。それはカラスがゴミを漁るせいで街が汚れてしまったからです。ボランティアでゴミ拾いを始めました。ゴミ拾いには協力者も出てきました。その次は旗を持って児童の交通を安全にしていきました。そうしたらウグイスも戻り、子供も大人も森の動物達もみんな笑顔になりました。みんなで輪になって万歳をしました。
  • 笑顔の守り番
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    1巻880円 (税込)
    「ご主人が車で交通事故を起こされまして……」夫と娘2人の幸せな日常に突然訪れた夫の事故の連絡。夫の意識は戻るも頭を強く打ち、記憶や行動に後遺症が残ってしまう。早紀は夫の突飛な行動や日常に振り回されつつも、両親の助け、娘たちの明るさや小さな気遣いに支えられ、家族の笑顔を守っていくことを強く誓う。困難に直面しつつも、家族の絆で乗り越えていく温かな希望の物語。
  • NF─エヌ・エフ─
    NEW
    -
    1巻1,089円 (税込)
    「NFの歌は聞こえた?」「試合中たしかに鳴り響いているもの、流れているものがあったんだ。そうだね、あれがNFの歌なのかもしれない」「言葉で説明するのは難しいようね」「歌というより、どっちかといえば一種の幸福感みたいなものかな」動物たちはなぜ闘うのだろう? 人間の争いとは異なる獣たちの闘いの本質を求めて、創司はNF(ナチュラル・ファイティング)のリングに上る。
  • M&A仲介人・村上直人の11の事件簿
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    1巻1,144円 (税込)
    やる気のない二代目社長と、会社が売却されれば退職すると宣言する、その会社の「腕」とも言える古参の社員。専門外のことにはまったく無知な経営者である医師と、それを食い物にしようとする「反社」の面々。ただ金儲けのために企業を買収し、高値で売り抜けようとする「ハゲタカ」投資者……。M&Aを巡る数多くの難題に、仲介人・村上直人が全力で立ち向かう!
  • エリート極道の独占欲
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    1巻1,188円 (税込)
    「俺の女になれ」命知らずの極道は女の身体に愛を刻みつけ、狂おしいほどに抱きしめる。惹かれてはいけない危ない人、言葉とは裏腹に淫らに酔いしれて、求めずにはいられない。極道鷹見龍一(孤児院で育ち、親の愛を知らない高沢組の若頭)と世間知らずのアラフォー牧瀬めぐみ(恋愛経験がない世間知らずのお嬢様だが、外見とかけ離れた気の強い一面も併せもつ)の危険なラブストーリー。
  • AI彼女
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    1巻693円 (税込)
    国語の教科書を読んで一緒に優しい大人になろうよ。 国語の教科書とは、我々に与えくれた価値ある文集だ。 それはコミュニケーション能力を鍛えるだけではなく、自己認識と他者理解の能力も育て、感受性も育て、他人の気持ちが分かるようになってくる。 この能力は、イマジネーションから生まれる。それは同時に嘘を吐く能力も身に付くが、真理の探究にも、美の表現も、役立つ。 それは、最高のイデアの真善美に目覚める事である。 動物は、嘘を吐かないが人間は嘘を吐くから嫌いだという人間は、人間に与えられたイマジネーションの偉大さを知り、人間として生まれた事を喜びだと感じて欲しい。 そのために、ワンさんは、ここに最初に登場する不幸な3人のAI少女に再度、それぞれ国語の勉強をさせて未来があり中身のある魅力的な女性に変身させるのであった。
  • お稲の昭和 不器用な物語
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    1巻990円 (税込)
    田舎を出て自立したいと上京し、勤労学生から看護婦養成所へ。看護婦として帝大病院の外科や産婦人科を担当したあと、桐生市の病院で新生活を始めた。結婚、出産し、家庭は充実したが、日本が戦争へと突き進んでいく時代だった。そして、夫に召集令状が……。進歩的でマイペースに大正から昭和の時代を生きた稲。その生涯を、時代背景と、稲の人生の出来事を織り交ぜながら描く。
  • おえりゃあせん
    -
    1巻1,089円 (税込)
    「登紀は、弱い心、コンプレックスを、お金で今まで支えてきた。それをほとんど失った今、彼女は中途失明の人にも似て、どう生きたらいいのか、自信も失い自分の生きる意味すら否定したくなったに違いない」(本文より)。叔母を支えられるのは自分しかいないと覚悟を決めた美里が、気難しくも憎めない登紀と二人三脚で歩んだ濃厚な日々を語っていく。
  • 大いなる意志
    -
    1巻1,089円 (税込)
    惑星タニルで産声を上げた少年カズが、周りの大人の力を借りながらも仲間とともにポラリス帝国の宰相にまで上り詰めた。『銀河の果てで』/雷に直撃された少年ナーダ。運よく死を免れた彼の頭に、「私は、あなた。貴方は誰?」と声が響いてきた。やがて、ナーダとそっくりな少年の写真を持った男がナーダを探しにやってきた。『大いなる意志』/他1編。
  • おおつごもりから
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    1巻1,089円 (税込)
    認知症高齢者グループホームを経営するとも子は大晦日の夜、道で倒れている女性を助けた。ユキと名乗る女性はお金も帰る家もないという。とも子はユキにホームで働くことを勧める。ユキは入所者の言動に戸惑いながらも懸命に働く。初めて心を開いて話せる貴田とも出会い、ホームの生活に馴染んだユキだったが、誰にも言えない闇を抱えていた。介護現場のリアルと社会の闇が交差する小説。
  • 大姫と義高
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    1巻924円 (税込)
    平安末期。権勢を誇った平氏にもかげりが見え始め、国内は平氏、鎌倉を中心とする源氏、越後を統治する木曽義仲の三大勢力の時代へと変わろうとしていた。そんな中、木曽義仲の嫡男義高は、源頼朝の長女大姫の許嫁として鎌倉へ送られる。時に義高11歳。大姫は6歳。大きな歴史のうねりに巻き込まれた二人の悲恋を描く表題作をはじめ、豊かな創作力を感じさせる4作品を収めた短編集。
  • 奥出雲風土記 「世津子とお婆々」
    -
    1巻616円 (税込)
    昭和初年。馬木村に嫁いできた世津子は、留守がちの夫に代わり家を守っていた。隣家のお婆々は、そんな世津子に寄り添う。大馬木川の大改修が行われることになり、外から人が来て、村人も工事に関わったりして、閉鎖的だった村にさざ波が起こる。世津子もまた、思いがけぬ身の上になるのだった……。奥出雲の風土、風習、気風の中で育った著者の、郷土愛に満ちた力作。
  • 小倉ナイト
    -
    1巻1,089円 (税込)
    当時ハイカラで、女性の憧れの職業だったバスガイドになり、見染められて東京の人と結婚したが姑とうまくいかず、シングルマザーとなって故郷の京都に戻り、小倉でスナックを始めたチーちゃん。病院で死に直面している彼女の波乱万丈の人生と、小倉でたくましく生きた女性3代の生きざまが、チーちゃんを慕ってやまない孫の視点で語られる、しみじみ家族の泣き笑い物語。
  • 起凶十郎 髑髏の花嫁
    NEW
    -
    1巻1,584円 (税込)
    戸多藩の照姫が姿を消した。その探索を依頼された起凶十郎。仲間たちの協力を得て調べていくうちに、事件の背後には、戸多藩の秘宝をめぐる老中と豪商の癒着、藩同士の対立などさまざまな陰謀があることがわかる。神社や寺に巣くう悪党どもと激しい闘いが始まり、凶十郎の必殺飛雷の剣がさえわたる。舞台は江戸から伊豆、三河と西へ移ってゆき──娯楽性あふれる痛快活劇時代小説。
  • お袖狸と大蛇の話
    -
    1巻594円 (税込)
    「お袖狸」松山藩主の元にお輿入れした姫に伴ってやってきた狸の化身「お袖」は、誠心誠意を込めて姫に尽くすが、藩主に不満を抱いた者たちが騒動を起こし、藩主は帰らぬ人となる。姫とお袖狸の運命は。「湧ヶ淵 大蛇伝説」松山城築城の頃。石の掘削現場近くに棲む大蛇の一匹を殺め、供養をしたのだが、その頃、美しい女が掘削の指揮を任された男のもとに現れる。いったい女は何者なのか。
  • 男たちのラプソディー 大手商社の片隅で事業にかけた男たちのドラマ
    -
    1巻1,320円 (税込)
    1980年6月29日、ミラノに駐在していた槇山純平のもとにエムビックス・フランス社長吉水の訃報が届く。二人は70年代、海外ビジネスの成功例とされた複写機販売の海外事業に関わった仲間だった。誰もがもがき苦しみながらも目を輝かせ、自信をもって未踏の分野にチャレンジしていた時代。会社の垣根を越え、ともに戦ってきた仲間たちへのオマージュ。
  • 鬼の萬年堂奇譚 ~ヤスケと栄~
    -
    1巻693円 (税込)
    時空を超える不思議な力を持つ鬼は、浮世絵師・北斎を訪ね、北斎の娘と知り合う。そこから始まる不思議な縁は…。表題作「鬼の萬年堂奇譚~ヤスケと栄~」のほかに、禁断の地で不思議な館に招かれた若神、介護ヘルパーの女性と独居老人の交流、おひとり様女性たちの友情などを描く「笠井さんの家」「小勝山の鳩と猫」「春山にて」「夢の景色」「ほな、な」などを収録。
  • お祖母ちゃんと一緒
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    1巻990円 (税込)
    不幸自慢ならいくらでもしてやる! 『いい人』には到底なれないわたしが、積極的にやれるのは肉親の悪口だけだ。いや悪口じゃない、事実なのだから。報復だな。母はいくらでもしつこく執念深く、周りがうんざりしても、父とキミエの恨みを言い続けているし、父は死ぬまでだらしない生活と、屁理屈をほざいていた。なのに、わたしだけ言っちゃいけないなんて不公平でしょ?
  • おばあちゃんの恋ものがたり
    5.0
    1巻550円 (税込)
    年相応にシワを刻んでいるが、若いころはさぞかし美人だったのだろうと思わせる上品な横顔のおばあちゃんには秘密があった。それは、記憶のピースをなくしてしまったこと。すべてのピースがそろわなければ、人生というパズルの絵は完成しない。教員になるかお嫁さんになるか、人生の岐路に立った私は、おばあちゃんとなくしたピース探しの旅に出る──。
  • お日さまも笑ってる 今日もいい天気 ドラ猫女房が語る昭和家族の物語
    完結
    -
    全1巻880円 (税込)
    「第1回 人生十人十色大賞」長編部門最優秀賞作品。年齢を重ねると抗えない人生の流れを強く感じる時が訪れる。懸命に抗っても、結局その流れに身を任せてきた。振り返ればいつも、何でもやってやれ!の精神で凸凹人生を通り過ぎてきた。そこで以前から書きたいと思っていた実家と婚家の話を昭和の風景をからめて書き始めたが、改めて昭和の時代は面白かったと思う。昭和から平成、そして新しい時代へと引き継がれる、ある家族の物語。
  • 思い出のなかのバード・アンド・ハート
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    1巻1,188円 (税込)
    「考えてみると、世間並みに他人と夫婦にはなったものの、子供が育って独立し、子育てから解放されると、いつのまにか妻との間がぎくしゃくするようになった。このまま一緒にはいられないと、妻は出て行った。(中略)言われるままに、離婚届に判を押した」(本文より)。本当は皆がわかっていた大切なことを、七十年の歳月が教えてくれた。著者の思考や思索の跡、死生観が凝集された小説。
  • 思い出の謎、見つけた
    -
    1巻1,188円 (税込)
    きっと、きみも誰かのヒーロー! (あれっ?)見覚えがない写真だった。「この写真、誰が撮ったんだ?」写真が、突然、謎めいた一枚の写真に変わった(本文抜粋)。子どもだから気づく、小さな「違和感」……。子どもの「成長」を見守る人々と写真の奥にある「やさしさ」で彩られたヒューマンドラマ。『小さい謎、見つけた』『いろいろな謎、見つけた』に続く第3弾。
  • 親子マンタふわり
    -
    1巻880円 (税込)
    神谷育海(かみやいくみ)が中学に入ってすぐ、母の澪(みお)が心臓発作で亡くなった。突然すぎて、四十九日が過ぎた今も実感が湧かない。仕事に忙しい父の拓海(たくみ)が母をどう思っていたのか育海にはわからない。母とはいつか南の島へ、母の大好きなマンタに会いに行くはずだった。マンタに、母に抱かれたい。そう考えた育海は、たった一人で石垣島に行く計画を立てるのだが……。2021年バレンタインプロジェクト 文芸社 Loves TOKYO FM ラジオドラマ原案募集『for you... 大切なあなたへ』長編部門最優秀賞受賞作品。
  • オラホノ国
    -
    1巻495円 (税込)
    今の日本を考えるきっかけに! 理想的な国オラホノから見えてくるものは…? 私は、Qさんと知り合う。「オラホノではそんなものはないよ」オラホノとはQさんがかつて住んでいた国で、そこには軍事力も資本もない。「それでどうして外国の侵略から国を守ったり、経済活動をするんです?」教育、徹底した話し合い、欲望のコントロール…、Qさんの話への興味はつきないのだった…。
  • 女一代奮闘記
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    1巻1,001円 (税込)
    思いもかけないことから伊豆・修善寺の旅館の仲居になった妙子。謙虚で誠実、勤勉な彼女は、持ち前の“おもてなしの心”でお客様を歓待し、周囲の信頼を得てゆく。その後、様々なタイミングが重なり、伊豆にホテルを建てて独立の道を歩み始めるが、その傍には愛する人が──。優美でたおやかな筆致で旅館・ホテル業界の舞台裏を情感豊かに描き上げた、大和撫子のサクセスストーリー。
  • オンナごころがわからず彼女にフラれた俺がにょたいかしちゃったら!?
    -
    1巻825円 (税込)
    研究中の薬を誤って飲み、突然体が女になった男子高校生。元に戻る薬が開発されるまでの期間、女体の神秘を追求したいという好奇心が次第に暴走していく。周りの男たちの欲望も痛いほどわかるだけに、つい受け入れてしまう一方、女体の頼りなさ、心の動きにも気づいていく。そんな中、罠にかかり、不良たちの餌食となってしまい──。エロティックな冒険を圧倒的な官能シーンで描ききる!
  • 女達のトラベリン・バス Anecdote of MARIKO 愛の唄
    -
    1巻770円 (税込)
    傷心の麻理子が親友、遥子に連れてこられた場所、そこは年末の日本武道館。誰もが知っている、あの【カリスマ・ロック・スター】の唄、そして生き様に魅せられた者達との出逢いを通して麻理子の人生の新たな扉が今、開かれる。笑いあり。涙あり。お色気あり(笑) ページから音楽、そして拍手と歓声まで聴こえてくるかの様な新感覚ノベル。著者のブログで読者から好評を博したネット小説、待望の書籍化!!
  • 海竜
    -
    1巻1,320円 (税込)
    「地震は、やはり来る。しかも明日──」突然、現れた竜は、ひとつの命を奪って海に消えた。そして、竜の出現は震災までを引き起こすのか。帰らぬ夫を一心に待ち続ける妻、復讐を誓う老漁師と大規模地震の予知に奔走する学者が交錯する。災厄の訪れる日、竜は再び現れるのか──。古代生物や大規模地震にまつわる人間模様を壮大なスケールで描いた小説。
  • かえるぽこぽこ
    -
    1巻891円 (税込)
    現代の男女の高校生と、江戸時代の若様・姫様が織りなす、ちょっとコミカルなヒューマンドラマ。女子高生の菜央は、幼馴染の誠の作ったタイムマシーンを勝手に使い江戸時代へ。結婚話に悩む小夜姫と会い、現代に連れ帰る。小夜の結婚相手の義丸を探ろうと江戸時代に来た誠だが、帰れなくなってしまう。そして義丸が現代に現れた! 彼らは自分の時代へ帰れるのか?
  • 輝く、スカイブルーのドーム/実子虐待の真相
    -
    1巻1,386円 (税込)
    大人達に極めて理不尽に餌食にされ、去って行く子ども達。親、兄弟のために犠牲となった少女達の群れも、スカイブルーのドームに辿り着いた。実母からの凄惨な虐待の実態を描いた長編『実子虐待の真相』、著者の切なる願いを込めたプロローグ『輝く、スカイブルーのドーム』と併せて収載。いつの日か人類が叡智へと辿り着き、すべて子どもらが救われんことを。
  • 影送火
    -
    1巻1,584円 (税込)
    昭和20年8月6日。人類史上初めて投下された原子爆弾。その光は時を越え、一人の軍国少年を孫の元へと導いた。2087年、2021年、2011年、そして1945年……。交差する時代と忘れてはいけない記憶。祖父の記憶を受け継いだ孫の五月もまた、未来からの記憶を辿る。現在・過去・未来に関わる人々の想いをつないだタイムスリップエンタメ小説!
  • かげろう源氏物語
    -
    1巻990円 (税込)
    藤原正清と環原子のデートはバーで会い、食事にゆき、原子が『源氏物語』の講釈をするのが一つの定番になっていた。ただ一度それを外れ、原子が本音のようなものを見せたことがあった。「私、あなたが藤原と名乗ったとき嫌な顔しなかった?」「した」とは言えなかったから「そんなことないよ」と言った。「私、藤原兼家って男、大嫌いなの」「そいつどこの奴だい?」「どこって昔の人よ」
  • 過去が追いかけてくる
    -
    1巻1,386円 (税込)
    歳を重ねると誰もが過去に思いを馳せるようになります。人生の岐路で下した決断の後悔、別れた異性への秘めた思い、屈託のない青春時代の思い出などが脳裏を過ります。そんな過去と向き合い、残り少ない人生に向かって力強く一歩を踏み出そうとする主人公。“心に染みる短編集”です。若い人にもこの気持ち、分かる日が来るはずです……。
  • 風見鶏は、朝に飛ぶ
    -
    1巻1,232円 (税込)
    本作の共著者であるセナの12歳から23歳までの出来事を小説化した物語。複雑な家庭環境の中で青春期を過ごす主人公森川あゆみが、苦難を乗り越えて成長する姿を描き出す。家庭、学校、クラブなど様々な場面で苦境に立つたびに、自分のことよりも家族のため、恋人のためを思い、傷つきながらも強く歩む主人公の強さ、優しさ、そして深い愛情が、読む者の心を揺さぶる。
  • 風と語り光と戯れ……
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    1巻770円 (税込)
    ロックコンサートで、仙子は自分を呼ぶ声を聞いた。それは、仙子の頭に直接響いてくるステージ上のベーシストの声。タクとの五年振りの再会だった──「風」になって戻ってきた青年と、足の不自由な臨床検査技師の女性の物語。魂の結びつきはさらに深まり、濃密な時間を過ごす二人。しかし、仙子はついに問う。「こうして私とつき合ってくれるのは、一体なんのため?」と。
  • 仮想部
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    1巻693円 (税込)
    大学2年の若葉こうは1年の並木かすみに突然コクられ、二人は付き合い始める。そして初デートの日。女性に慣れていない若葉を応援しようと若葉の仲間たちは二人のあとをつけるのだが、彼らもまた若葉と似たようなもの。そんな中、二人の心はどんどん近づき…。うぶな二人と彼らを応援する仲間たちの笑いと胸キュンの青春ストーリー! さあ、あなたもガチな恋の目撃者になろう!
  • KAZOKU
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    1巻990円 (税込)
    介護施設に入る父親に付き添って母親も一緒に入居した。そのときから娘はより一層、家族ということを考えさせられるようになる。父母の身終いに振り回されながら、自分では選べない家族のありがたさを実感し始める。結婚と離婚の経験がある娘に、自分で選べる家族と、選べない家族は、何が違うのかという問いが生まれる。淡々と日常を見つめた言葉の中に奥深い家族愛を感じ取る物語。
  • かな
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    1巻1,188円 (税込)
    空き缶拾いをして生計を立てている孤独な老人、宗太。彼は訳あって、朝一番の電車が通る時間に、毎日のように駅に通っている。そしてある朝、ホームから飛び降りようとしていた小学生の女の子「かな」を助けて……。命の重さ、学校の在り方、家庭の役割を、少女、老人、クラスメイト、担任教師それぞれの立場で見つめる、珠玉の1冊。心あたたまる、年齢を超えた友情物語。
  • 悲しみの詩
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    1巻1,287円 (税込)
    学生時代の行動に縛られ、一人で生きてきた古谷遼真。死を目前にした彼が必死に綴ったのが過去の自分を戒めるために書かれた小説『半世の記』と女性への想いを綴った詩だった──表題作『悲しみの詩』と、祖先たちの過ちが多くの人類を滅亡させたとされる近未来で、先人の知識を渇望する若者の激しい想いと行動を描いた中編小説『母世界(マザーワールド)』の二編を収録。
  • 彼女にミモザを贈るとき
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    1巻1,188円 (税込)
    人材サービス会社で過ごした40~50代の12年間、それは激動の日々だった。大プロジェクトのリーダーを任せられたが軌道に乗った頃に突然、新規顧客開拓を命じられる。さらに人材紹介事業の立ち上げ……と次々とミッションが降りかかる。その裏にはトップの派閥争いに翻弄されながら、怠ける古参の社員が七希の力を試し続ける──。多くの使命を果たしてきた女性のリアルな仕事小説。
  • 鎌近 一九八四-一九八六 〈作品一〉
    -
    1巻1,386円 (税込)
    美術館に転勤となった事務員の潮田。初仕事となる「ドイツ表現派展」の開幕は、着任の5日後に迫っていた──。1984年から1986年にかけての神奈川県立近代美術館(鎌近)での展覧会準備や運営、職員の日常を、主人公・潮田了二の視点で描く。展覧会の盛況と個人の葛藤、成長が交錯し、来館者にとっては静謐な美術館の舞台裏、リアルな現場の様子と人間模様が描かれる。
  • 釜野物語
    -
    1巻1,386円 (税込)
    湘南の海から数キロ内陸の集落で、8歳の晶子は、曽祖母のミナ、祖母のキヨ、母の弓子と暮らしていた。この家では祖父の話はタブーだった。晶子の父は家を出たきり、3年も帰らない。父の記憶はおぼろげだ。でも、女ばかりのこの家で、晶子はささやかな幸せがずっと続くものと信じていた。だが、夏休みに、思いがけず出自を知ることになって……。「運命」に翻弄される少女の物語。
  • 神様とゆびきり
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    真那は小さな頃から神様が見えた。そう、ずっと友達。神様に守られ、まっすぐに成長した彼女は、学校で一番と言われるイケメンの涼介から告白されたことで、彼に好意を寄せていた同級生から恨みを買ってしまう。そんな時、真那の身に起きる異変。身勝手な気持ちでかけられる安易な呪詛。涼介の持つ“見える”力。呪いはどこへ返るのか? そして、神様、真那、涼介をつなぐご縁とは?
  • 神ならず
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    1巻594円 (税込)
    充樹は高校卒業後、憧れていた紀州の地に単身移り住み、19歳の梅雨までの一年余りをそこで過ごす。人魚が住んでいるだろう本物の青い海が気に入り、そこで住むうちにますます海が好きになった。本当の自然は人間を選ぶということを知った。そこを故郷とする人々はあまり海に愛着を持たず、充樹が無口であることを知ると、関心を示さなくなる。
  • 殻を捨てよ
    -
    1巻495円 (税込)
    万年平社員の倉元信二は、間もなく定年を迎える。退職後は好奇心のままに人生設計を立てたいと思う。休暇を取って試してみることに…。朝いつもの時間に家を出、駅の改札口は素通りして公園のベンチへ。次第に激しくなる通勤ラッシュの靴音に背を向けると、ゴミ籠の中を漁る男が目にとまった。目が合うと笑顔で「隣、いい?」と言う。様々な人と出会って不可思議な日常世界を描く物語。
  • カラーバーボーイ
    -
    1巻594円 (税込)
    テレビ業界を描いて騒然! テレビで一目惚れしたタレント「さくら鈴」と結婚できると信じて疑わない森口健太郎は、とにかく彼女の視界に入ろうとテレビ業界の道を志す。しかし、クリエイティブと呼ぶには余りにも人間臭い世界に、転職を考えるのがほぼ毎日! しかも、彼女を一度も目にすることなく10年。「不純な動機で勤まる仕事じゃない」と辞表を出した日…森口の運命は転がり出す──。
  • 苟且
    -
    1巻1,584円 (税込)
    権謀渦巻く王宮からすべては始まった……。邪神の申し子“エヴァ”の正体とは──。孤高の剣士が進むのは修羅の道、次々に現れる刺客との対峙。しかし守りたいのは愛する女。新たなる世界を描き上げた大河小説、ついに完成! 「果たして、人間とは何処へ向かって往くのか。若しや、本当は、何処にも向かってなぞ居やしないのではないのか」(本文より)
  • カワセミの君
    -
    1巻495円 (税込)
    学生時代からの友人、ジュンコさんが亡くなった。訃報を聞いて北海道まで駆け付けた和子だったが、そこで彼女の生きていた日常に触れて──「裂き織り作家─ジュンコさん」。メキシコで暮らす娘のもとに旅をした母。女一人の海外旅行は、見るもの聞くもの、すべてが心ひかれ新鮮で──「メキシコシティはかつて湖だった」。人との出会いと歴史の発見を綴るエッセイ。
  • 川端康成 時空の旅 『雪国』終章で川端が描こうとしたもの
    -
    1巻990円 (税込)
    川端康成は昭和9年から書き始めた『雪国』を刊行後、晩年に至るまで推敲し続けている。改稿を重ねて描こうとしたものとは何だったのか。複雑な改稿を行った「繭倉火事」場面の経緯、そこに描かれた天の河が象徴する意味の変化における島村の中の観念や美的世界、そして現実との葛藤とは──。作中やあとがきに補足された水上周辺の地を実際に訪ね歩いて川端の境地に思いを馳せていく。
  • 観潮楼の月 森鴎外夫妻の愛 十四話
    -
    1巻1,980円 (税込)
    鴎鴎外が太陽ならば、志げ夫人は、美しく澄んだ観潮楼の月であった──。近代文学の偉人・森鴎外と、夫人となる荒木志げ。鴎外の私小説『半日』から悪妻として語られる志げであるが、著者は「悪妻と的外れに噂される」として、二人の出会いから今生の別れまでを、史実や文献をもとに、ドラマチックかつ丁寧に追っていく。夫妻の強い絆、愛を描き切った、著者の鴎外夫妻研究の集大成となる一冊。
  • 学園家族 自由の森日記
    -
    1巻990円 (税込)
    ここには「再生」の森【チカラ】があり、真【ココロ】の家族がいる。己の人生【みち】がわからなかった青年が、生きる意味と目標を見つけるまでの日々と、ようやく得た居場所で生きることに大いなる喜びを見出し成長していく様子を描いた自伝小説。「もう少しで訪れる『卒業』について、『時間よ止まれ、止まってくれ!』グラウンドを走りながら叫ぶしかなかった」(本文抜粋)
  • ガラス細工のショパン
    -
    1巻1,386円 (税込)
    すずが健一郎から戦場の話を聞いたのはこれが初めてだった。「そして覚悟を決めた時、声が聞こえたんです。とにかく走れ、日本に帰る為に走れと。その声はすずさん、あなたの声でした。その時はっきり気づいたんです、自分の本当の気持ちを。もう一度あなたに会いたい、いやあなたに会う為に必ず日本に帰るのだと」「西崎様」健一郎の言葉にすずはそれ以上かける言葉が見つからなかった。
  • ガルーダの末裔
    -
    1巻1,584円 (税込)
    時は1981年。アジアの新興国たちが、深呼吸をするかのように大きく発展していったその裏で、警察と軍が衝突し、ヤクザ同士が抗争を繰り広げ、海賊が海を支配するという混乱の時代。まだ若かりし僕は、インドネシアからの独立を画策する東チモールへ、巻き込まれるまま「常在戦場」の心持ちで向かったのだった……。事実をもとにした、エネルギーに満ち溢れていた頃の「回想録的小説」。
  • がんばっている、あなた達へ
    -
    1巻1,188円 (税込)
    もうがんばっている人も、これからがんばる人も──みんなにエールを! だいじょうぶ、きっとあなたにも仲間がいるよ。人との“つながり”を通した、発見や成長を描いた5編の物語。──この本を読んで下さったあなたにとって、この一冊との「出逢い」が、何かをスタートする「時」の、些細な「きっかけ」と「出逢い」になることを心から願っております。
  • 記憶の扉─「生い立ちの記」より 母、その九十六年の記録
    -
    1巻990円 (税込)
    自宅で母親の介護をしながら聞いた、母の生い立ちや強く印象に残っている思い出を「生い立ちの記」としてノートにとりまとめていた著者。母の生涯を知ることで自身のルーツを探ることになり、長年、母に対して抱き続けていた感情が介護をきっかけにほどけていった。一方の母は、己の生涯を語ることによって、愛する養母の生きた証を伝えたのかもしれない。本書は母娘三代の軌跡を綴った作品とも言える。
  • 如月堂夢譚
    -
    1巻1,287円 (税込)
    十年ぶりに『如月堂』を訪ねた僕は、子供の頃の記憶が鮮やかによみがえるのを感じた。ポプラの綿毛が舞う中、洋館の外観も室内の調度も、当時のまま時を超えて存在していた。その佇まいは、忘れていた記憶を呼び覚まし、まるで過去へとタイムスリップしたかのようだった。──歴史に埋もれた名もなき人々の姿に光をあてた、心を揺さぶるヒューマンドラマ。
  • Kiss Incomplete
    -
    1巻1,001円 (税込)
    バスジャック事件で、はからずも高校生を死なせた傷の癒えない警官、季生。休職中に逃げ込んだのは廃車置き場のプレハブ。そこへ妖艶な少年が突如現れる。記憶喪失なのか、精神に混乱を生じているのか、少年の素性は知れない。その日、焼けただれた車と、海に沈んだ車から、無惨な男の遺体が発見される。彼らと少年のつながりは……? 美少年を巡る男たちの愛憎物語。
  • 帰巣の限界をこえて ─ミツ蜂の大冒険─
    -
    1巻1,089円 (税込)
    運命なんて、こわくない。1~2ヵ月しか生きられない働き蜂が自分の生き方を問い直した。自由とはなにか、働くとはなにか。心の声に従い、冒険の旅へ。小さな羽ばたきは、運命すらこえていく。すべてを受け入れ、生き抜いたミツ蜂モーネ。その小さな命の旅に、心が揺さぶられ人間としての人生を重ねる。小さな命が教えてくれる、自由への祈りと希望の物語。
  • 北国の片隅で
    NEW
    -
    1巻1,386円 (税込)
    終戦後、樺太引揚者の両親のもと、自然豊かな北海道の富良野・麓郷で育った少年は、受験の失敗や父の死など、様々な苦労を経て教員となった。教員としての苦悩や社会経験、家族との絆を通じて、主人公の波乱の半生を綴る成長物語。戦後の歴史的背景、政治や社会問題への考察、平和への願いなど、主人公の人生を通じて社会の変遷と課題も見つめている。
  • 吉祥寺の真里亞 無党派全共闘幻想史
    -
    1巻1,485円 (税込)
    ぼくらは誰のために、何のために闘っていたのか。そして、この国は何処へ行くのだろう──。「かつてのように正義を振り翳して闘う社会よりも、電波空間のなかでの独善に溺れ、現実世界が波風の立たないことを歓迎していた。それが平和な社会なのだろうか。黎の観念が『それは違う』と憤っている。」(本文抜粋)。混乱する1960年代末、〈闘争〉に憂き身をやつした男の独白小説。
  • きっかけは珈琲カップのなかに
    -
    1巻968円 (税込)
    レトロな街の一角にひっそりと佇んでいた喫茶店。初めて足を踏み入れた「私」を包むのは深い珈琲の香りと「店主」の温かな歓迎だった。そんな優しい店主と話していると、話題は二人が経験した「いじめ」になる。辛い記憶を互いに語りつつも、明日に向かう希望を見出していく。傷ついた心に温かく寄り添う優しく深いひと時を、珈琲とともに──。
  • 君だけの僕。僕だけの君。
    -
    1巻1,232円 (税込)
    美波は初恋の黒田君と十数年ぶりにメル友になったが、彼は既婚者だった。黒田君への未練を引きずりつつも、30歳目前で結婚を焦る美波は、会社の同僚に紹介された男性と交際を始める。美波は思春期に心のバランスを崩して以来、心療内科に通っているが、ある日担当の川上先生から、「聞いてもらいたいことがある」と切り出されて……。純粋でひたむきな心が奇跡を呼ぶラブストーリー。
  • 君を夏の日にたとえようか
    -
    1巻1,584円 (税込)
    歯科医・園田の妻、恭子が転移性乳がんステージIVと診断された。絶望する園田だが、乳がんの勉強を始め、恭子を守り生き抜くことを決意。一方、恭子はつらい副作用に耐えながら懸命に闘っていた。だが、あるとき脳に転移が見つかり……。乳がんで最愛の妻を亡くした著者による私小説。リアリティーと臨場感あふれる闘病記を軸に妻への愛を描き、綺麗ごとだけではない夫婦の姿が涙を誘う。
  • Q島便り
    -
    1巻1,232円 (税込)
    島を訪れた伝道者が出会った人々は──。高齢者ながらも自立して生きる女性、おもてなし精神の溢れる男性。豊かな自然と奥深い文化に魅了された、伝道者の信仰と再生の物語。「もうすぐ、ここも晴れるかしら。西の空に光が見えるわね」上川はその言葉を聞いて、空の明るさが戻ってくるかもしれないと思った。──今は暗くとも、明るくなってくる。何も気を落とす必要はない。(本文抜粋)
  • 矜持 坂上美儀短編集
    -
    1巻1,089円 (税込)
    新しい道路ができ、外車が行き交い、田畑が減っていく。オートレース場や競輪場が賑わい、女性がハイヒールを履きはじめ、水族館ではイルカのショーが人気を博す。戦争はまだ、過去のようで過去ではない。力強く生きる者、あるいは没落していく者たちの日常が、少年、会社員、農家、教師、動物など多様な視点から、リアルで微細な描写と哀感あふれる筆致で綴られる筆者渾身の短編小説集。
  • 今日は何をしない日にしようか
    NEW
    -
    1巻1,089円 (税込)
    深い心の傷を抱えた人々の再生を描く短編集。別れの手紙で交わる多村黄菜と高見幸太郎のやりとりを軸に、幼い想いの象徴としてのカブトムシが示す贖罪と赦し。母からの手紙が導く新たな命、カケルの誕生。月夜に語られる三人の目撃談から始まる『満月の子守唄』では、見えない絆と奇跡の再会が白い鳥居の下に結実する。それぞれの物語が手紙や証言で交差し、新たな感動と発見が待つ。
  • 議会の正義
    -
    1巻1,386円 (税込)
    すべての国民から責任のある仕事を負託された象徴である「議員バッジ」。しかし、人々のために無心で仕事をする覚悟のない議員は、果たしてバッジをつける資格があるのだろうか。元地方議員が赤裸々に語る、選挙、政治を巡って繰り広げられる衝撃の問題作。「正義を重んじる地方議会が、日本国中に伝染すればいい」と、よりよき政治を目指そうとする地方議員がどれほどいるのだろうか。
  • 戯曲 扉
    -
    1巻990円 (税込)
    33年前、全国優勝を目指し、日々厳しい練習に励んでいたみどり中女子野球部だったが、熱心に野球部を率いていた顧問の赤岩の厳しすぎる生徒指導が問題となり保護者会が開かれる。そして生徒たちの心理面や進路にも影響を及ぼしていき……。「ああ、私が悪いんじゃなかったんだって思えたら……、そしたら、どんなに安心できたでしょうね、私……」──過去と現在が対話する戯曲。

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  • 虐待
    -
    1巻990円 (税込)
    格闘技好きの兄によって、幼い頃からその技の暴力の対象にされてきた弟の俺。虐待の事実を知りながら、兄を止められない母。親不適合者! 不満と怒りがつのる。大人になっても俺への二人の虐待はやむことはなく、傷ついた俺の心の痛みはさらに深まってゆく。さらに父親が癌で亡くなると、新たに第二の地獄が始まって……。著者自身の体験に基づいた異色の実録小説。
  • 銀行員の歩む「獣道」
    NEW
    -
    1巻1,089円 (税込)
    「昭和」とは本当に“勢い”のある時代だったのか……。「どんな人でも暗い道よりも明るい道を歩きたい。だが、人として生きてゆくには誰も通ったことのない、暗くて、危険な獣道にも似た道を選んで進まざるを得ないこともある」(「まえがき」より)ままならないことも、理不尽なことも、「仕事」として生き抜いた男の自叙伝。今の時代「生きる」ことに迷うあなたに──。
  • クオリティ オブ デス 心優しき死神たちの物語
    -
    1巻616円 (税込)
    人はどこまで「死の価値」に手を加えることができるのだろう。早苗は、些細なきっかけで病理の道へ進んだ。多くの剖検を担当するうちに、幼くして亡くなる命、自殺、認知症、老人介護、終末期医療など、様々な命と人生の終焉を深く考えるようになる。命の瀬戸際で、人は何を思い、何ができるのか──。豊富な医療体験から綴られる、いつの日か「死」に向かうすべての人への問題提起の書。
  • くじらのあしあと
    -
    1巻880円 (税込)
    私の父は文筆業を生業とすることはなかったが、何かの作品を「いつか」書いて世に出してみせると意気込みを言葉にすることがあった。しかし、本人の周りの期待とは裏腹に機は熟すことなく、60代の若さで突然父はこの世を去り、「いつか」がやってくることはなかった。それ以来私は、父だけではなく家族のことを「いつか」目に見える形で残しておきたいと思うようになった……。
  • 苦悩と楽観
    -
    1巻1,089円 (税込)
    夫の浮気に苦しむ妻…でも、私は、私の船に乗り、大海原へと漕ぎ出す決意をする。私は一人じゃない。今までも、これからも。そして、私は私を愛しく思う。「何があってもどんなに苦しくても私は何だかんだ、いつも、幸せかもしれない。そんな風にこれからも思うだろう。私は生きて行く。幸せと一緒に。たくさんの出会いに感謝しながら。アッケラカンと笑って生きて行くんだ」(本文より)
  • クリティカル エッセイ 人間についての一考察
    -
    1巻1,980円 (税込)
    “大人”への到達域に近づくには、自己と他者との間隔を埋める感性を磨くことである。思索行動家にして作家である著者が示す、人間と日本人を取り戻すヒントとは──。「この世の中、ものを観る鑑識眼が失われていて、事の本質を見極めることができない社会風土になっているように思います。現代は人間としての平衡感覚が最も要求される時ではないでしょうか」(本文抜粋)
  • 暮れの鐘
    -
    1巻880円 (税込)
    父の遺した一冊の大学ノートを頼りに祖母の足跡を追いかける。そして奇しくも手にしたのは祖母の手書きの句集──『暮れの鐘』。司の体内に堆積していた“拘り”がガサッという音を立てたのは、その時であった──『雪消』。ありのままの生き方で息を吹き返す人々の群像劇──『雨避け』。人生の色とりどりの出会と「人間」を真正面からとらえ描いた短編集。
  • クレヨン供養
    -
    1巻1,287円 (税込)
    本作品は、主人公の夏子が「結婚適齢期」を前にした途端、うるさく干渉するようになった両親との相剋や葛藤から始まり、みずからの半生を振り返りっていく。寂しかった幼少期、素敵な人と文通した青春時代、多くの経験を積んだ社会人時代を経て、『結婚しないと世間からばかにされる』という母の言葉の意味を知る。時に生きづらさを感じながらも“自分らしく生きる道”を進んでいく……。
  • グダイ、ミッチ!
    -
    1巻1,386円 (税込)
    「最後にひとつ、お願いがあります。ずっと道明くんって言ってきたけど、バーバラたちは『ミッチ』って呼んでるでしょう? あたしもミッチって呼んでいいかな? イヤならイヤって、言って下さい。それまでは心の中でミッチって呼んでます。今度会うときは、オーストラリア訛りの英語をお聞かせしますね。こんな具合に。グダイ、ミッチ!」ミッチとシンイチとバーバラの思い出の夏。
  • Good Morning The World
    -
    1巻1,078円 (税込)
    世の中、順風満帆な人だけじゃない。傷を負った人々だから見えてくる人生の襞、厚み、深さ──。過去を背負った様々な人間たち。その出会いと淡い別れを1960代の東京を舞台に物語る。様々な人間たちが出合う人間の交叉点、そこで見えるそれぞれの人生の陰翳。人生は未来に向かって明るく、大きく展開するのか、再生はあるのか……。それとも……。苦汁と希望が交差する大人の物語。
  • グッドラック トゥータイム ボーイ
    -
    1巻1,188円 (税込)
    九州地方に住む中学生・文雄は同じ深夜のラジオ番組を聴いていたことから後輩のみつ子と親しくなるが、みつ子は東京へ転校してしまう。進学した文雄はみつ子と文通したり、自転車で東京へ会いに行ったりして交際を続けるが、卒業後、就職先の福岡で中学時代の憧れだった年上のますみと再会し、大人の恋にのめり込んでいく。1970年代を舞台に青年の葛藤と悲劇を描いた恋愛叙情小説。
  • グミちゃん
    -
    1巻990円 (税込)
    20代、30代、50代、70代の女性の日常を描いた4篇の物語。それぞれが抱える問題や悩みは、どれも現代社会に起こり得ることで、それらをなんとか乗り越えようとする4人を応援したくなる。幸せとはこういうことだ、と示している女性たちではないが、「こんな人生でありたい」と思わせてくれるリアルさがある。目に見えないつながりを信じさせてくれるラストも用意されている。
  • 結婚の野原
    -
    1巻990円 (税込)
    若き日の幾多の恋愛、そして見合いで結婚してから64年の間、苦楽を共にしてきた妻に対する愛情を描いた物語であり、高齢を迎えて自ら躰を壊し入院しつつも、突然認知症を患った妻を、日々戸惑いながらも献身的に介護し続けて、最期を看取った主人公・優和の妻へ捧げた鎮魂歌でもある。後期高齢者時代の到来の時代を真摯に生きる悔いのない余生を綴った小説。
  • ケンコ 荒波を超えて
    -
    1巻924円 (税込)
    親と子、教師と教え子、友と友。たがいの愛と信頼をいかにして築いていくか。遭遇する危機をたがいにどう克服していくか。戦争に塗れた地球の荒野を生きぬくための明日への心のメッセージ。平和な日本の今こそ、いのちに対する感受性を磨いてください。
  • 現代語訳 青砥藤綱摸稜案 曲亭馬琴の名裁判物語
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    1巻1,320円 (税込)
    「よっ、名裁き!」江戸の民が溜飲を下げた逸話の数々を、混迷の時代、現代語訳で読み解く。「『南総里見八犬伝』『水滸伝』……馬琴は数多くの作品を残しましたが、そのなかに中国の公案小説を思わせるものがあることは、あまり知られていません。『青砥藤綱摸稜案』がそれで、なかなか面白いのです」(本文より)推理小説のような展開で進む公明正大な裁判の結末は──。
  • ゲージ・計測器
    -
    1巻990円 (税込)
    メーカー子会社の海外(タイ)駐在と品質保証の現場をリアルに描いた企業小説の力作! かつて自分を巧みな裏工作により追い落とし、出世への道を手にした男が突然自殺したという──「ゲージ」を外れた彼に、何が起こったのか? “真にグローバルな”企業となるためには、何が大切なのかと問いかけてくる作品であり、企業を舞台としてドラマティックな展開を見せる物語。
  • 甲子園でもう一度きみに逢えたら
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    東京本社から大阪営業所へ転勤してきて三年。いやがらせのような会社の辞令に従いなんとかやってきた。地元を出て一生懸命に働き、気づけば30代も半ばを迎えていた里咲は、高校球児だった恋人への断ち切れない想いを抱えたまま、母校が出場する甲子園に向かう。そこで出会った一人のおっちゃんとの交流を通じ、彼女の気持ちはどう変化していくのか。切なさが漂うノスタルジックな物語。

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