国内小説 - 文芸社作品一覧

  • 余命10年
    完結
    4.9
    全1巻550円 (税込)
    第6回静岡書店大賞 映像化したい文庫部門 大賞受賞作 20歳の茉莉は、数万人に一人という不治の病にかかり、余命が10年であることを知る。笑顔でいなければ周りが追いつめられる。何かをはじめても志半ばで諦めなくてはならない。未来に対する諦めから死への恐怖は薄れ、淡々とした日々を過ごしていく。そして、何となくはじめた趣味に情熱を注ぎ、恋はしないと心に決める茉莉だったが……。涙よりせつないラブストーリー。 カバーイラスト・loundraw
  • 生きてさえいれば
    完結
    4.8
    全1巻550円 (税込)
    「生きていなくちゃ、悲しみや絶望は克服できないのよ」――大好きな叔母・春桜(はるか)が宛名も書かず大切に手元に置いている手紙を見つけた甥の千景(ちかげ)。病室を出られない春桜に代わり、千景がひとり届けることで春桜の青春の日々を知る。春桜の想い人(秋葉)との淡く苦い想い出とは? 多くの障害があった春桜と彼の恋愛の行方と、その結末は?
  • 陽だまり古書店
    -
    1巻1,089円 (税込)
    ようこそ、ここにはいろいろな本たち、ファンタジー、童話、伝奇、恋愛、ブラックユーモアetc…、それらがあなたの目にとまるのを待っています。今、どんな気分ですか? なごみたい、笑いたい、泣きたい……。バラエティ豊かな作品であふれる中短編集。ゆっくりと作品たちとの出会いをお愉しみ下さい。あなたのお気に入りが見つかりますように──。
  • 髪と家族
    -
    1巻968円 (税込)
    42歳の大学職員の「わたし」は、仲の良い叔母・祐子がウイッグを買うのにつき合ったのをきっかけに、髪について考えるようになる。ある日、母の淑子のがんが再発し、入院することになった。離婚後、女手ひとつで自分を育ててきた母に対する想い、そして別れた父に連絡をとることへの戸惑い──「髪」を通し、3人の女性たちが老いと向き合う姿を軽やかに描写した小説。
  • 通訳ガイド美桜の日本へようこそ! プロポーズは松本城で
    続巻入荷
    -
    1~2巻1,188円 (税込)
    〈通訳案内士〉って、どんなお仕事? 世界中からやって来る外国人。日本の良さを知ってほしい、この旅を楽しんでほしい、みんなと仲良くなりたい──。新たな道を歩み始めた女性の奮闘を描くお仕事小説。「世界中からのお客様をお迎えし、仲良くなれるというのも素晴らしいことです。こんな……素晴らしい……仕事……。私は話しながら、感極まってしまった」(本文より)
  • 不可思議短編集
    -
    1巻770円 (税込)
    あなたの人生、それで満足? それとも……。願いをかなえてくれる魔人、人生を交換する店、しあわせになれる壺をレンタルするセールスマン……等々、ファンタジーのように見えて、実は読者の背後にリアルに潜む思い込みや勝手な欲望を照らして見せる絶妙な語り口。現代人の心に淀むあやうい何物かを描き、手品のように現れては消える奇妙な味わいの作品集。
  • とみ食堂の人びと 1 歩み出そう! 心に萌芽を求めて
    -
    1~3巻1,584~1,782円 (税込)
    「ロンリー・ユウ」という芸名でプチブレイクしたのはもう10年前。いまや街を歩いても誰からも振り向かれない「元・一発屋芸人」のおいら。仕方なく実家の「とみ食堂」の手伝いをしていたんだけど、そこに来る年配のお客さんたちと話したり、あれこれ心配したりしているうちに、たくさんの挫折も、心に残るモヤモヤッとした思いも、少しずつきれいに晴れつつあることに気がついたんだ。
  • いつか天使が舞い降りる
    -
    1巻660円 (税込)
    全寮制の高校に入学した真菜は、ある女子生徒にひと目で夢中になってしまう。理子という名の彼女の存在によって、真菜の毎日は輝きはじめる。しかし、真菜にはずっと悩みがあった。高校の入学が遅れた理由、それは父親の事件があったからだ。父への怒りと、憧れや友情だけでは片付かない理子への思いを抱えて寮生活が続く中、問題を抱えるのは真菜だけではないことがわかって──。
  • RI過剰投与
    -
    1巻1,287円 (税込)
    放射線技師が医師からの指示で小児に与えた放射性医薬品の量が問題になった。メディアは数値だけを取り上げて危険性を強調し、病院内では力関係によって技師にだけ責任が押し付けられた。技師の家庭では、妻や子が誹謗中傷やいじめを受け、そして技師はついに……。正義とは何か? 真実とは何か? 決して一面からでは分からない問題にどう向かい合うべきか? と世に問う医療小説。
  • 討ち入りたくない内蔵助
    5.0
    松の廊下での刃傷事件の情報がもたらされると、籠城だ仇討ちだといきり立つ藩士たち。内蔵助は彼らをのらりくらりとかわしながら、「藩士どもを殺してたまるか!」とお家再興に向け画策する。しかし、精一杯やっているのに四面楚歌。やってられるか、こんなこと! 筆頭家老の責任なんて投げ出せたら楽になれるのに……。既存のイメージを覆す、人間・内蔵助を等身大で描く新たな忠臣蔵。
  • 診療所の大事件
    -
    1巻1,386円 (税込)
    命と健康を守るために日々奮闘すべき、神聖な職業であるはずの「医師」の中に紛れ込んだ、仲尾琢磨医師による数々の奇怪な「大事件」。そんな医師がいるとも知らずに、診療所に赴任した山口アキラ医師が事件解決に奔走する、あまりにも「喜劇的」な物語。医療業界の「アナザーフェイス」。偏差値の高い医師が、必ずしも「有能で親切な医師」というわけではないことが分かります。
  • ブラックナイト
    -
    1巻792円 (税込)
    凄絶な人生を過ごしてきた少女、黒木小百合。自死を考える小百合をサングラスの男が雀荘へと連れて行く。そこにはそれぞれの人生に鬱屈を抱えている人々が集っていた──。小百合は麻雀によって卓を囲むメンバーと刹那の時間を共有し、徐々に世界の中での孤独感や居心地の悪さが薄れていくのを感じるのだった。牌譜とともに人間の心の闇を描く著者渾身の一作!
  • シャルール ~土曜日だけ開くレストラン~
    -
    1巻550円 (税込)
    週に一度だけオープンするフレンチレストラン「シャルール」には様々なお客様が来店します。結婚前夜の娘と父親、仲直りのきっかけがつかめない女子大生、亡き夫との思い出の一皿を探す老婦人、“もう一人”のお客様といらした老紳士――極上の料理とワインと共に紡がれる6つの物語のア・ラ・カルト。土曜日の夜にだけ訪れる誰も知らない小さな奇跡。感動と癒しのひとときを召し上がれ。
  • 音楽学校からメロディが消えるまで
    -
    その知らせは突然だった。「岡田音楽院高校 来春以降の募集停止」との見出しが地元紙に踊ったのだ。町の人たちにも愛され、一流の音楽家を輩出し、中部地方唯一の音楽単科高校で長い歴史を持つ学校が、なぜ「閉校」という結論を出さねばならなかったのか。そして、保護者会、教師、理事会の思惑が交錯する中奔走していた飯島が、音楽院復活の道を探るべく始動させたプロジェクトとは。
  • 月曜日が、死んだ。
    -
    目覚しのアラームが鳴り、スマホの画面を確認した。そこに表示されていたのは「火曜日」の文字。おかしい、今日は月曜日のはず!! 飛び起きたナカガキがカレンダーを見ると、あるべきはずの曜日が消えていた。薄れていく月曜日の記憶、おかしな宗教団体、そして元カノの存在。死んでしまった月曜日の悲しみに気づき、元の世界を取り戻せるのか。第3回文芸社文庫NEO小説大賞大賞受賞作。
  • もののふうさぎ!
    -
    1巻781円 (税込)
    網戸うさぎは居合道部の2年生。武道に打ち込むことで中学時代の弱い自分を乗り越えようとしているが、いまだに過去の自分から脱却できない。そんな中、うさぎに「女子剣豪大会」の話が舞い込んだ。形試合ではなく、実際に剣を交えるのだという。手練れのもののふ居合女子たちを相手に、うさぎの本当の闘いが始まった! 第6回文芸社文庫NEO小説大賞優秀賞作品。
  • 紫式部の一人娘
    -
    1巻770円 (税込)
    女流文学界の最高峰、賀茂斎院に出仕し、都に名の通った女流歌人である斎院中将。13歳で藤原教通と結婚し、ひたすらに子を産むことを求められ命を削った藤原公任の娘。天皇を寝とるという野望に挑むべく宮仕えを決めた、美貌と才能と度胸をもつ藤原隆家の孫娘、元子女王。三者三様の生き様を紫式部の娘・賢子は冷静に見極めて、己の道を決めていく。平安の世を必死に生きる女達の物語。
  • 京大相撲部 まったなし! たんぽぽの咲く土俵
    -
    赴任先の京都でうまくいかない日々を送る佐藤は、鬱々としたまま神社に立ち寄った。その時に見た相撲大会で清々しく負けていたのは、京都大学相撲部の面々。そしてなぜか相撲部へ入部することになった彼は、部員たちと接することで徐々に気持ちが変化していく。個性派集団の京大相撲部は、インカレで勝利できるのか!? 打倒東大を目標に一歩ずつ前に踏み出す青春群像劇。
  • 列車食堂
    -
    1巻1,287円 (税込)
    日本中に洋食を広め、人々の羨望の的となっていた特急「燕」の食堂車。そこに乗務する風変わりなコック「ハチクマ」は、料理の腕は確かだが、探究心が旺盛すぎて、従来にない味付けや調理方法を次々と試し、その度に騒動を起こしていた。ハンバーグ、ポークカツレツ、コールドビーフ、……次々と出てくる洋食メニューにお腹も空いてくる、ユニークでちょっぴりスパイスも効いた一冊。
  • 虚構の砦
    -
    1巻847円 (税込)
    夫・利輝の希望で、得意な英語を使う貿易事務の仕事を辞め、専業主婦になった沙織。一家は高台にたつ高層マンションに居を構えるが、派手好きで自己中心的な夫との間には次第に溝が生まれ、ついには屈辱的な別れを迎える。母娘二人きりとなった沙織だが、一人娘・叶望の「パパが欲しい」という言葉に背中を押され、次のステージへと一歩踏み出す。真実の愛に目覚めていく女性の成長物語。
  • 紗江子の再婚
    -
    1巻1,078円 (税込)
    37歳の時に夫の裏切りで離婚をし、女手一つで子育てをしてきた50代の木田紗江子、ある機会から妻を亡くした男性との再婚話が持ち上がる。一人は、定年後も中学校の教壇に立つ西野彰生、もう一人は上司の中島だった。恋愛、そして結婚、その単純な図式が簡単に成立しない年齢、そんな中で織り成す人間模様と穏やかで真摯な中高年の恋愛模様を細やかな筆致で描くヒューマンノベル。
  • ある行者の回顧録
    -
    1巻1,089円 (税込)
    「『無』の境地にはなかなかなれぬ苛立ちから、ある日を境に真言密教の本に移ったのでした。すると今まで読んだ仏教とは大きく違い、素直に私の心に溶け込むように入ってきて、自分でも驚くほど理解することができたのです」(本文より)。ある本との出合いが、波乱万丈で喜怒哀楽を誰よりも味わった男の人生に大きな変化をもたらし、価値観を変えた。
  • 不完全協和音 反発と絆
    -
    1巻1,089円 (税込)
    「争族問題発生の根本原因は、九十八歳で没した亡母の遺した公正証書遺言の記載が詳細を欠いたことにあった。『三人が平等に分けよ』という趣旨の大まかな表現があっただけなのだ。このため個々の財産の扱いをめぐり三姉妹の間に諍いが生じた──」。なれそめから結婚当時に鳴った「ドミソ」の和音が、「ド、ミ」程度の不完全協和音になったことを佐山は痛感するようになる。
  • ソウルハザード
    5.0
    1巻1,056円 (税込)
    元自衛官の村主雅哉は、残虐な殺人事件により恋人の雪乃とその家族を失った。犯人は二十歳の男で、危険運転を咎められたゆえの身勝手な犯行だった。村主の怒りは、犯人、その妻、そして彼らの一歳の息子へと向けられる。接触を果たした村主、そして──。機能不全家族に生まれた人間が悪果となることは、定められた運命なのか。第5回草思社・文芸社W出版賞金賞受賞作、堂々刊行。
  • 幼姫妃
    -
    1巻770円 (税込)
    心が幼いままの妃と娘である姫。血のつながった母娘とはいえ、さまざまな思惑が錯綜するなか、歪んだ関係が構築されていく……。幼い頃から一緒にいる老女を「マンム」と呼んで慕う妃は、娘に愛情を注ぐことができなかった。母性を支える父性をなくした時、女は魔女になる。父性を包みこむ母性をなくした時、幼女は悪魔になる。「白雪姫」をモチーフに描く新たな物語。
  • さよなら、バンドアパート
    -
    ミュージシャンの夢を追って上京した男の波乱万丈の物語。2022年春、映画化決定!/「バンアパは理想が低い! サザンを目指せ!」マネージャーの怒声が赤坂の会議室を揺らした。傲慢、横柄、不遜を恫喝で和えた味のする言葉だった。体育教師さながらの体躯をしたマネージャーが、僕たち三人に鋭い眼光を向けている。ホワイトボードには『二〇一三年の目標』と書かれていた。(本文より)
  • 上田娘は動画で生きる
    -
    1巻814円 (税込)
    高校生の弥生は、友人の葉月に誘われ、地元・長野県上田市をネタに動画制作を始めた。弥生にとって葉月は「みんなが友達になりたい、魅力のある子」。一方、弥生は葉月にとって「本気になれば、すごいことをやってのける子」。二人は信頼し合い、その友情は無敵だった。しかし、大人気インフルエンサー・樹音が声をかけてきたことをきっかけに、二人の友情に危機が訪れて!?
  • ソーシャルワークの神様
    -
    1巻792円 (税込)
    美咲は、育休を経て、診療所でソーシャルワーカーとして働き、忙しいが充実した日々を送っていた。問題を抱えた患者さんも多く、周囲の人たちの助言やサポートにも幾度も助けられたが、上司の田村さんにだけはなぜか釈然としないものを感じていた。ある時、患者さんへの対応について、田村さんの意見に同調できず、つい……。複雑な思いが綾なす人間模様を描いたヒューマン・ノベル。
  • 舞い散る桜に、あなたを想う
    -
    1巻693円 (税込)
    高校の入学式の日に、桜の木の下で出会った浬(かいり)と和奏(わかな)。二人は別のクラスだが、思慮深く控えめな浬は、天真爛漫で積極的な和奏に翻弄される日々を送る。やがて二学期になり、浬のもとに毎日差出人不明のラブレターが。浬は和奏からと確信するが、和奏が連日欠席していると知り……。「命」とひたむきに向き合う二人の切なく儚い恋の行く末を描いた青春恋愛小説。
  • 射なっ!
    -
    1巻693円 (税込)
    伝統ある名門私立校、八坂実高校の弓道部に「道場破り」が現れた! 勝負に敗れた弓道部は、保有していた価値のある高価な弓を奪われてしまうという大失態である。部のエースである1年生のヨイチは、それらを取り戻すために「道場破り」について調査を始めるが……。対照的な性格の2人の高校生と、個性ある弓道部の仲間たちが繰り広げる青春エンタテインメント小説。
  • 愛慕
    -
    1巻1,089円 (税込)
    定年退職して、家に引きこもりがちの初老男性は、日々を寂しいとは思っていなかった。ただ、少し、虚しいと感じていた。そんな男性が、喫茶フィリオを舞台に、そこで知り合った女性に恋をするのだが、やがて、「もっと一緒にいてやればよかった。もっと大切にしてやればよかった。生まれ変わったら、もう一度」と、亡き妻への想いを新たにすることになる。
  • 青空バルコニー
    -
    1巻1,386円 (税込)
    親から受け継いだ会社を経営する河野達也は、家族を大切に思いつつ、妻以外の女性と親密な関係を持っていた。その裏で妻は自分の夢を諦め、親の介護問題も抱えていた。ある日、達也が幸せの象徴と思っていたバルコニーでの夫婦の食事中に、妻から別居を切り出される。娘にも次々と問題が降りかかり、達也はこれまでの人生を顧み、これからの生き方、家族の形を模索する。
  • 証 それぞれの道で
    -
    1巻594円 (税込)
    様々な人が肉親や友人を亡くすが、それが人と人とのつながりの契機となって、命のリレーを紡ぎだす。人の死は悲しいが、亡くなった人は必ずなにかを後に残す。たとえ世を去っても、思いは残された人の心の中で生き続ける。たとえば、交通事故に遭う女子中学生の晶が生前語っていた夢をその友人が受け継いでいたり…と。不思議な巡り合わせで命と命をつなぐ、オムニバス・ストーリー。
  • あのセミはきっと夏が知りたい
    -
    1巻693円 (税込)
    「扉を開け、中をのぞき込むと、僕と同い年ぐらいの女の子が一人ベッドに座り本を読んでいた。(中略)しばらく彼女から目を離せずにいると、本から顔を上げた彼女がこちらを見た。突然目が合ったものだから、慌てふためいた僕は何も言わずに扉を閉めようとした」(本文より)。外に出て夏を知ってみたかった少女とともに、つかの間、煌めく大切な時間を過ごした少年の暑い日々を描く。
  • 希望の記〈完全版〉
    -
    1巻1,485円 (税込)
    きれいごとだけが〈家族ドラマ〉ではない! そこには、裏切り、嘘、暴力、嫉妬、欲望、欺瞞、偽善など、さまざまなものが絡み合っている。それが家族という、抗えない〈絆〉なのだ──切腹未遂の弟、電車に飛び込み死んだはずの兄、子供を捨て行方をくらました恋人、友人の精子で子供を得た夫婦──強烈なキャラクターが交錯する、リアルな『家族の物語』。
  • 君という光
    -
    1巻693円 (税込)
    姫野凛は自分のせいで大事な人を二人も亡くしてしまった。そして、いつからか声が聞こえ始めた。「自分だけが大事なんだもんな?」「救いの手を差し伸べるふりをして」……自分は生きていてはいけない、しかし死ねない。姫野の前に現れた水橋怜羅は電車に飛び込もうとしていた。二人はお互いを助けようとしながら、「生きていていいのか?」という自問の答えを見つけていく。
  • 桜駅 ~遠い日のノスタルジー~
    -
    1巻1,056円 (税込)
    洋子は駅でケガをし、偶然その場に居合わせた真一郎に世話になる。休暇には桜を追いかけて写真に収めるという趣味の真一郎は、別の機会に、洋子と瓜二つの女性を駅で見かける。声をかけると、人違いである。その女性、明子はわずかな記憶を頼りに自分の出自を探る旅をしていた。やがて三人の運命が絡み合う。それぞれに哀しみを抱えた三人には、さらに心を痛める出来事が起こる。
  • 数珠僧 ─人はなぜ、人を助けるのか─
    -
    1巻847円 (税込)
    人はなぜ、人を助けるのか? 人間が普遍的にもつ罪と罰、愛と誠…。「困っている人をみつけては、それを納得するまで助ける。それを繰り返して、自分の心に償いをするのじゃ。それゆえ人助けは、他人も助けるが、自分の後悔の心を助けるのじゃ」(「数珠僧」より)。時代にうごめく、命をめぐる根源的なテーマに肉薄する。「数珠僧」「万作の風景と武蔵」「真実の剣士」「魔人」の四編を収載した、人間に同居する憎しみと愛を描く時代小説集。
  • たった一人の裁判
    -
    1巻1,089円 (税込)
    礼子は愛車を運転中、安倍川のバイクに一方的に接触される。双方怪我はなく、愛車の修理費も10万円程で済んだのだが、保険会社同士の話し合いでは交差点の真ん中での事故ゆえに、過失は「5:5」であるという。それに納得できない礼子は、慣れない法律用語と提出書類の多さに悪戦苦闘しながらも、弁護士を雇わず一人で損害賠償請求裁判の裁判を起こすことを決意する。
  • 伝言 過去から現在へ
    -
    1巻990円 (税込)
    人類がまだ文字を持たず、厳しい自然環境の中で生きていた頃、一人の女性が獣に襲われて亡くなる。夫と小さな息子は女性を祀る墓のようなものを作り、首飾りを納めた。数万年の時を経てその場所には今、とある高校の桜の樹が育っている。梶井基次郎の小説『桜の樹の下には』を読んだある男子が桜の樹の下を掘ったところ……過去と現在のつながりが生まれていく。
  • 生麩
    -
    1巻594円 (税込)
    東京に出てきた僕は、大学に入学早々サークル勧誘の嵐に晒されるが、同じ新入生のギセイが助けてくれた。彼とめぼしいサークルを探すうちに、勧誘の美しい良江さんに惹かれ「国家論研究会」なるサークルへと入会をしてしまう。そこで酒・煙草・麻雀・新歓合宿etc. 一通りの大学生活を満喫していたが、次第に会はその正体を現し始め……。昭和五十年代という時代を生きた学生の物語。
  • 華岡家の憂い
    -
    1巻1,188円 (税込)
    ある地方都市の名家の長女として生まれ育った美沙子は、実家の世間体と名誉を守るため、自分の離婚の本当の理由をひたすら隠しながら生きてきた。やっと平穏な日常を取り戻したかに思われたが、予想もしなかった新たな問題が露見する。それは、亡父が頭取を務めていた地元銀行に勤務する次男の驚きの告白から始まった……。もし、夫と息子が〈ゲイ〉だったら、あなたはどうしますか?
  • 春の帰還
    -
    1巻1,089円 (税込)
    山での滑落事故で一人息子の俊哉を亡くした直治と恵美。ところが、俊哉を亡くした心の傷の癒えぬうちに、妻の恵美が病に倒れ、この世を去ってしまった。独り残された67歳の直治は無為な日々を過ごしていたが、俊哉の死から3回目の命日に、息子の魂の眠る北アルプスへと一人で向かった。亡き妻との約束を果たすために……。家族喪失のその先を見つめる小説。
  • バカだった人
    -
    1巻990円 (税込)
    好きというのは本音。だけど、そんな自分が好きになれない──。中学2年生のモテ女子・龍菜といつもふざけてばかりの照星。親友のために書き溜めた「未来ボックス」から妖精があらわれたり、照星のことを好きなクラスメイトからは怪しい目つきでみられたり。奇想天外な事件によって、一方的な片思いはいつしか「本物」に変わって……。現役小学生が描くファンタジー恋愛小説。
  • 晩鐘(ばんしょう)
    -
    1巻990円 (税込)
    一年経てばまた会えるよ。それまでの辛抱だからね。小さな島の高校の同級生であった健吾と利子。島を出て働き始めた健吾は、利子との約束を果たすべく懸命に日々を送っていた。そんなある日、健吾に1本の電話が──。一人前になるまではと、友人や、恋人の利子とも連絡を絶ち、懸命に働いていたのに、いったい何があったというのか。二人の思いがけない運命を描いた小説。
  • 彼岸の家
    -
    1巻1,386円 (税込)
    昭和から平成に変わる頃、新宿上落合で畳屋を営んでいた孝平と妻の志津は、三人の娘が嫁いで二人暮らし。孝平の提案で、娘たちは婿を連れて新年と初午、秋祭りに孝平の家に集まるのが長い間の慣例であった。やがて志津、そして孝平が年を重ねて徐々に衰えていき、時代の流れとともに、一家の姿は静かに変わっていく。新婚夫婦の日常を描いた『待つということ』を含む二編を収録。
  • 秘愁 綾に織り成す
    -
    1巻1,089円 (税込)
    池袋の割烹で出会った秋元幸夫と、一緒に暮らし始め、入籍した美江子。幸夫は居酒屋の女社長をはじめ、複数の女と関係を持ち、美江子は自殺未遂するまでに追い詰められた。だが美江子の妊娠を機に「すべてを清算した」と幸夫は彼女の元に戻ってくる。転勤に次ぐ転勤、双子の死産、幸夫の故郷・北海道への移住──前作『秘愁』に続く、一組の男女の一途な愛と死までを細やかに書き切る。
  • 幻よりも甘く
    -
    1巻770円 (税込)
    たった一つの出会いが、気の弱い将来を失っていたサンマを鯨に変身させ、大海原を大回遊していた昨日。皆の前で「彼女と結婚する」と宣言したのに……。得恋の17歳の高校生が失恋し、一転、日本全国のふられ男子高校生の中でも5本の指に入るくらいにサエない顔となった。受験までの揺れる心に教師は、愛あるからかいで接する。四国、今治の方言による担任との掛け合いが楽しい青春小説。
  • 満ち欠けのない月
    -
    1巻924円 (税込)
    結婚して十年以上たつ「僕」は、自然妊娠が望めなくなった妻と、ずっと一緒に生きていくつもりだった。しかしあるとき、一回りほど年下の女性と職場で出会い、関係を持った末に彼女は妊娠する。……そこから始まる三人の葛藤。岩手と東京を舞台に、「新しいスタイルへの生き方」へと歩き出すまでの心の動きを、静かな筆致でつづった再生への物語。
  • 悪い人だったら、よかったのに。
    -
    1巻693円 (税込)
    「私さぁ、幸せになっていいのかな? 許されない罪を犯したのに」かつて同級生をいじめるという罪を犯し家に籠もりつづける女と、彼女をそばで見守る男。そして二人の出会いも普通なものではなかった。二人はどうして同居にいたったのか。そして、男の決めたこととは? 罪とは? 幸せになっていいかどうかなんて、いったい誰が決めるのだろう…?
  • 奇跡 強運 幸せのヒント
    完結
    -
    全1巻616円 (税込)
    誰でも自ら動き出せば、奇跡は必ず起こります。それは生きていることに喜びを感じ、自ら奇跡を受け入れる心の準備から始まります。原動力は「笑顔」。重要なのは動き出すタイミングです。素直に心の声に従って行動してください。必ず幸せを大きくしていく方法は見つかるでしょう。数々の苦難を乗り越え、幸運を手にした中国人女性事業家、馬英華が語る開運へのメッセージ。
  • オートマティック
    -
    1巻990円 (税込)
    「山のようなプラスチックが押し寄せてきて、宴会は中止になり、三十郎は、慌てて乙姫様を連れて、陸へ帰ろうとした。しかし、乙姫様は海に残ると言い、赤と青の玉手箱を渡してきた」(『浦島三十郎』より)ときに近未来的世界観を示し、ときに現実の空気感をシニカルに漂わせる。幅広いテーマと切り口による多彩な作品をおさめた短編集。「幸せ」ってどんなカタチなんだろう・・・。
  • 河童異聞記
    -
    1巻1,287円 (税込)
    あなたの隣にそっと寄り添う「河童」の知られざるお話、たっぷりご覧いただきましょう。えっ、河童なんて見たことない? そんなはずはありませんよ。テレビに出ているあの方も、歴史上の有名なあの方も、ほら、近所のオバちゃんも、じつは河童のお仲間、っていう話ですからね。それを知ったあなたも、きょうから立派な「キューリタン」ですよ。
  • あかね色の空に夢をみる
    完結
    4.5
    全1巻550円 (税込)
    同級生・宮里の突然の死を未だ受け入れられない茜は、彼女との思い出を繰り返し夢に見ていた。家族との問題に苦しみながらも、自分が変わってしまえば宮里を本当に失くしてしまいそうで、一歩を踏み出すことができずにいた。茜の葛藤を描いた青春小説。第1回NEO大賞受賞作品『あかね色の空に君を想う』とその後の物語『思い出のハンバーグ』を併録。
  • 薄紅色コスモスの花束
    5.0
    1巻704円 (税込)
    主人公は高校3年生の少女。女手一つで育ててくれた母との突然の永遠の別れをきっかけに、人生が大きく動いていくことになる。そして、ずっと顔も名前も知らなかった父についても明らかになっていく。過去を知った少女が未来へと進むためには、優しさと強さが必要だった──。絆を信じてさえいれば、そして、生きてさえいれば、きっとどこかで逢えるかもしれないから。
  • 真夏の夜の夢
    -
    1巻880円 (税込)
    川沿いの紫陽花の葉が銀色に光る日、「わたし」は入院した。すべてが白い病室で夢を見る。山の上の木の家にいる「わたし」。香木の香りがして、シャガールの版画がかけてあり、鳥やリスがエサを食べに来る。そして、ときどき「あの人」を見つけられる家。あの人は、蛍の家を作ろうとしていた──美しい詩のような文章で夢と現実の境界を越え、幻想的な世界に引き込む一編。
  • 黒化する地球
    -
    1巻1,056円 (税込)
    2050年、コロナ禍は一定の収束を見たものの、人々は依然としてマスクをし、変異株への警戒を緩めていない。そこに現れた得体の知れない喘息。喘息患者、肺炎罹患者と死者の漸増。しかもその原因は特定されず、2019年発生の新型コロナウイルス禍によるパンデミック以来の外出自粛の要請も出る──次第に高まる不吉なトーンに引きこまれる、地球環境をテーマにした近未来小説。
  • 式部と少納言 私の源氏物語
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    1巻1,089円 (税込)
    「恋とは存命の喜び。男女の仲にあるだけでない。春の曙を待つとき。おかっぱ頭を傾けて苺を食べている子を見るとき……それも恋」「花が終わったあとに出かけたときは、また会えて嬉しいと葉が小刻みに震えていました。雨の日の風情は、ことのほか床しい」……女三宮の目を通して語られる源氏物語。移り行く時代の中でも、変わらない人間の愛と業を優しく、時に力強く紐解きます。
  • とある女との過去
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    1巻1,485円 (税込)
    どこですれ違ったのか、なにを間違ったのか──。「私の人生をメチャメチャにしたくせに……!」再会もできず、後悔と想いを抱え続けた男のモノローグ。「あなたは気が付いているでしょうか。この手紙の中で私は、あなたに関しては一度も“愛”という言葉を使ってはいないことを。……私はあなたに直接、この言葉を口に出して伝えることができなかったからです」(本文より)
  • 働きなさいロックスター
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    ロックスターを目指し10年前に上京した。13年前の事件、親父との反目……故郷の土は踏まないはずだった。だが今は、故郷に帰るため岡山駅で新幹線を降りたところだ。これから瀬戸内海を渡る。同じ境遇の幼なじみは今も故郷に残り、昔と同じ場所で生活しているはずだ。上京後のことを聞かれるだろう。気まずい。強がるしかないのだ。自分が帰ったって何の波紋も起きるはずはない……。
  • Afterglow ─最後の輝き─
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    1巻462円 (税込)
    啓介は精神科の医師。現在は相模湾を一望できる美しい病院でホスピス病棟の患者、内科・外科で精神症状のある患者を診察している。ある日彼はホスピス患者恵を診察する。保育士だった恵は40歳という若さで余命数ヶ月。天真爛漫な恵に、医師と患者としてではなく惹かれていく啓介。著者が精神科医であるだけにリアルで、命の輝きのようなものも胸に迫る。大人っぽい恋愛小説。
  • 愛されて 生きて
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    1巻1,089円 (税込)
    高校生活最後の夏休み、春は自殺未遂を図って病院に入院していた。姉・夏美が春の恋人の旬を誘惑したことが原因だった。献身的に支えてくれる旬や、両親、兄の愛情によって、春は徐々に心身共に回復し、旬との結婚を迎えるが……。様々な障害や悲しみを経験しながらも常に前向きな気持ちを持ち続け、やがて幸せを掴む春と旬の愛の軌跡を描く恋愛小説。
  • 哀愁の歌姫
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    1巻1,188円 (税込)
    【人生にはさまざまな選択肢があります。線路の分岐点で、どちらに進むかを決めるのは自分自身です。今でも私はあのときの選択を間違えたという思いはありません。ただ悔しいのは、その後の運命──】(「プロローグ」より)。歌手としてメジャーデビュー目前、「自分を殺してまでデビューしたいとは思わない」と言い残し、忽然と姿を消した女性の悲劇の人生を描いた実録小説。
  • 愛別の記
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    1巻924円 (税込)
    身内だという見知らぬ男性が生前書き留めた記録により、実の親の深く哀しい人生の足跡を辿っていく表題作「愛別の記」では、仏教でいうところの“愛別離苦”を書きたかったという著者。このほか、人生の冬に向かう老境の夫婦と一人の老女の姿を描いた「冬構」、静かに人生を終える老人を思い出の山椒の香りと絡めて描いた「山椒」、珠玉の三編を収録した短編小説集。
  • アイヲエガケ
    -
    1巻1,188円 (税込)
    緊急地震速報が鳴り響く病院の広場で出会ったのは、高校美術教師を辞めた青年と、事故で両親と聴覚を失った女子大学生、そして彼女の姉。青年のつたないけれど誠実な手話と色鉛筆で描かれた美しい絵をきっかけに、3人は距離を急速に縮めていく。惹かれあい夢を語る彼らは、それぞれ抱えていたつらい現実に向き合うのだった──。色鉛筆で描いたような、愛情あふれる瑞々しいタッチの物語。
  • 葵

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    1巻990円 (税込)
    人の一生は出会いの連続である。苦しみを溶かす出会いもあれば、悲しみを喜びに変える出会いもある。今、社会で多発する特殊詐欺は余りにも辛い出会いである。言葉巧みに懐に入り込み、思い込みや勘違いを起こさせ、時には情けに訴え間違った解釈を信じ込ませてお金をだまし取る。辛い出会いを疑似体験する事で詐欺の撲滅を図る『高齢者を狙う詐欺』を含む全6編の短編を収録した作品集。
  • 碧天(あおきみそら)~樹(いつき)の杜(もり)の神子(みかんこ)~
    -
    1巻1,287円 (税込)
    楡神様の神子が人々の支えとなり、穏やかに暮らしてきた村。ある日、邪神を奉じる者たちによって幼女がいけにえにされる。続く災禍を止めるために神子の斎笹は苦悩するが、篁の助けを得て村を守る。斎笹の後継ぎ・雪松は、篁を警戒するも、別れや苦悩に自ら直面する中で、何かを信じることの本当の意味を学ぶ。平安後期の東国を舞台に、正直で謙虚に生きる厳しさと幸せを思い出させてくれる物語。
  • 蒼き闇 汝よ何処へ
    -
    1巻968円 (税込)
    「『何処かのクソ親父の仕打ちとは全く次元の違う話です』期せずして己の闇の領域に誘い込まれてしまった辰雄は、思わず鬱積するものを吐き出していた」(本文より)。さまざまな人々との出会いにより一人の男として成長していくヒューマンドラマ。「兄ちゃんにも使命があるんやで……」父親に将来の夢を絶たれ絶望に打ち拉がれた青年にその言葉は希望となった──。
  • 青空、のち自由。
    -
    1巻891円 (税込)
    ある日突然知った、夫の裏切り。その日以来、空虚な日々を過ごしていた「私」が、一人の男性に出会ったことからさまざまなことが少しずつ変わりはじめる。曇り空から一転、空が晴れ渡るように……。おたがいに家庭を持ちながらひかれあってしまった大人の男女の、ゆっくりと静かに育まれていく純愛を、「私」の息子たちとの関係もからめながら、繊細に描いた物語。
  • あおてんだいぶ!
    -
    1巻1,188円 (税込)
    甲子園ボウルよりすごい「入替戦」?! チームの将来とプライドを賭けた、本物の戦いがここにある!! 北摂大学アメリカンフットボール部「へぼ」ラインバッカー倉橋和也。今シーズン全敗の末に迎える大学最後の試合、二部優勝チームとの「入替戦」。向こうのエースは、因縁のあいつ! 学生最重量級爆走ランニングバック赤澤大樹! 倉橋よ、おまえにビビってる暇はない!!
  • 紅嵐×渡雲
    -
    1巻539円 (税込)
    学園ドラマ+心霊ファンタジー+思春期恋愛もの=至高のエンターテインメント。小さい頃から「本来見えないらしいモノ」が見える特異体質を持っていた「僕」こと笙太と、中年幽霊キワさんが紡ぎだす摩訶不思議なお話。普通に学園生活をおくっていたが、笙太のクラスメートの話がきっかけで、2人(!?)は思わぬ事件に巻き込まれ――そして意外な結末を迎える!
  • 赤い絣の記憶
    -
    1巻1,089円 (税込)
    明治10年。造り酒屋の旦那と女中だった母との間に生まれた八重は不遇な幼少期を過ごす。旦那も母も亡くなった後は住み込みの牛鍋屋で働き、そこで出会った実業家の男性と結婚。娘も生まれ何不自由ない生活だったが、八重は過去に苦しみ娘を愛せなかった。八重の痛みは世代を超えて現在に繋がり、八重を曾祖母に持つ「私」は、負の連鎖を断ち切るため過去を遡る……。
  • 赤い花と青い森の島で
    -
    1巻1,155円 (税込)
    東京オリンピック開催の前年の1963年、斉田順平は大島の定時制高校に着任した。まるで両手を広げて悠然とこちらを見下ろしている白い噴煙を吐く三原山。捉えどころのない不安や期待が湧き起こる中で、順平は教師生活をスタートしたのだった……。夜間で学ぶ生徒たちの様々な事情、教師たちの思惑、順平の理想と現実の狭間で揺れる教育観と淡い恋心を描くヒューマンノベル。
  • 赤いふんどしの秘密
    -
    1巻1,089円 (税込)
    性のめざめ。それは誰しも通る道。物語として、自伝的要素をもとり入れて編まれた作品群。内容:◎短編集「赤いふんどしの秘密」(赤いふんどしの秘密/しょんべんとばし/消えた脱脂綿/出逢い/学校たんけん/だいだい色の満月の夜/青い浮き輪/海にむかって放たれた小便/ぼくの「赤飯」/ひげ?そり/海の輝き/亀岩の女の子)◎「海へ行く」
  • 赤いペチュニア
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    1巻1,188円 (税込)
    待望の第一子が誕生した、都内の大学の専任講師。妻の妊娠中も出産後も積極的に妻をサポートし、それをこれからの父親像・イクメンの姿としてゼミの教え子達に報告していた。学生らの反応は上々で、充足感に浸っていたが、一方で妻は不満げである。最初は好意的だった周りの教授らもどこか冷ややかで…。形ばかりのイクメンから、リアルイクメンとなった男性の変化を詳らかに描いた物語。
  • 茜雲タペストリー
    -
    1巻1,485円 (税込)
    トイレを汚す夫の問題をどう解決するか悩む夫婦、犬に鼻をかじられた男と女の奇妙な関係、メンバーの一人に突然脱退宣言されてその代わりを探すことになったおやじバンド。……それぞれにひと癖あるミドルエイジたちが奇妙な繋がりで結びついてゆく。前作『青空チェイサー』の後日譚もからんでくる物語は、運命のいたずらなのか、それとも……。ユーモアあふれる文章で紡ぎだす第二弾。
  • 秋の序章 残照
    -
    1巻1,188円 (税込)
    母の再婚後、連絡が途絶えていた父方のいとこ達から「いとこ会のお知らせ」が届く。育ての父も母も亡き今、京子は妹の尚子と父の故郷・山形へ向かう「秋の序章」。看護婦長として働くすみ子は初恋相手の平田と再会する。平田の妻が勤務先の病院に入院するという。蘇る思いと命が尽きようとしている平田の妻を看取る立場の狭間で揺れ動く心を描いた「残照」。人々の悲喜を描いた二作品。
  • 悪女の系譜
    -
    1巻1,386円 (税込)
    突然、末妹の多恵が招集した「家族会議」。その席で多恵が兄や姉に突きつけた要求は、自身が作った借金の肩代わりと月々の援助だった。ここから遺産相続をめぐり、泥沼のきょうだいの争いは裁判へと暴走していく。それは母&姉妹vs.長兄&次男の体も成し、「俺」にとっては悪女との戦いでもあった。家族間で繰り広げられる歪んだ相続争いと、「俺」の内面の葛藤と再生を描いた問題作。
  • 明日、海まで走ろう
    -
    1巻1,188円 (税込)
    「施設に入ってもらえば、今までと変わらない生活が続けられる。それにずっと自分は我慢をしてきたのだ。それなのに、さらに永遠に介護をしなければならないのか──。考えるだけでゾッとしてくる。妹の言うとおりだと思った。これからは夫が我慢する番だ」(本文より)。夫婦関係や人とのつながりを丁寧に描出した情趣あふれる表題作、ほか二編を収載。
  • 明日を打つ 三人の若きボクサーの闘い
    -
    1巻1,386円 (税込)
    「そやけど、わいの試合なんか観に来てくれる人、そないにいるやろか」「お客さんはな、生き様を見に来るんや。派手なパフォーマンスなんかいらん。自分らしいボクシングしたらええんや。あんたを応援したいと思う人は、ぎょうさんいてると思うで」(本文より)。ボクシングに賭ける若者と、彼らを支える人たちの絆を描ききった、熱気の伝わる物語。
  • あそこはハナコの部屋
    -
    中2の葉奈は「便所のハナコ」と呼ばれ、クラス中からいじめを受けている。陰口、仲間外れ、パシリ、汚いもののように扱われ、先生も助けてはくれない。そんなある日の夜、中学時代に同じ「ハナコ」のあだ名でいじめられていたという小華と出会う。小華はこの生活から抜け出す方法がひとつだけあるというが…。孤独な少女が、少しの勇気と小さな行動で自分の世界を大きく変えていく物語。
  • あたしとわたしとメロンソーダ
    -
    1巻495円 (税込)
    好かれようと「わたし」を演じていたあたしを、あたしに戻してくれた人、海斗。あたしは浅見れもん、大学三年生。海斗と過ごす時間が心地よくて、海斗への気持ちがどんどん強くなっていく。わたしたち、ずっとずっと一緒にいられるよね?(あたしとわたしとメロンソーダ) 彼女と住む部屋に、破天荒な姉が転がり込んできた!(a.ne.ki.)
  • あつし tomorrow
    -
    1巻990円 (税込)
    お母さん、おばあちゃん、異父弟の4人で暮らす小学6年生のあつし。食事を与えられず、お風呂にも入れず、持っている服は数着のみ。下着はなく、上履きもありません。クラスメイトに嫌がられているとわかっていながらも、唯一の食事である給食を食べるために、通学しています。そんな彼を支えた人々とのあたたかな交流、あつしの心の成長を飾らない筆致で描いた、実話に基づいた小説。
  • あなたと私の十代 団塊ギャング
    -
    1巻880円 (税込)
    時代は令和へと変わり、団塊世代の若いころもとうとう歴史になった。良くも悪くもエネルギッシュで変化に富んだ時代──昭和。子どもたちは狭い世界の中でせめぎ合い、戦いつつ生きてきた。「私」には苛烈ないじめが襲い掛かり……一人の少女の目を通して描き出す、懐かしい時代の物語。団塊世代には懐かしく、他の世代には当時の世相を実感できる、読み応えある一冊。
  • あなたの目に私は映らない
    -
    1巻1,089円 (税込)
    圭三とはるみは年の差がある夫婦。年上の圭三が定年退職後、認知症を患う。妻のはるみは懸命に介護するが、次第に壊れていく圭三にはるみは日々疲弊する。束の間のまどろみの中、幸せだったあの頃に戻れたなら……。はるみは元気だったかつての圭三を思い出し、夢の中をさまよう。家族介護をテーマに、自分のことを忘れていく夫を介護する妻の心境をリアルに描く。
  • あの頃
    -
    1巻1,386円 (税込)
    あの頃僕はまだ世間知らずで、右も左もわからず、容易に人を信じていた。目にするいろんなものが実際以上に輝いて見えて、怖気づいて見えないように自分を隠すのに必死だった。それらの遍歴を経て、自分が何を獲得したのかはわからない。でも、誰にとっても青春とはそのようなものではないだろうか──。あの頃の僕に伝えたい、いまの僕からのメッセージ。
  • あの頃 東ドイツの片隅で
    -
    1巻1,320円 (税込)
    渉は、網膜剥離でボクサーの道を絶たれ、逃避行のごとく東ドイツへ留学。共産主義国の厳しい規制と物不足にカルチャーショックを受ける。まるでタイムマシーンで50年前に戻ったよう。そして、ベルリンの壁崩壊という歴史の転換点に至近距離で立ち会うこととなる。遠い異国での友人や恋人と出会いと別れ。激動の時代に翻弄される男の青春を描いた小説。
  • あの事件を乗り越えて今がある 高志と佳世の歩み
    -
    1巻1,386円 (税込)
    それぞれ家庭に悩みを抱える幼なじみの高志と佳世。仲の良い高校生の二人が進路の選択という岐路に立たされているさなか、事件は起きる。被害者家族と加害者家族という関係に置かれた二人が、彼らを取り巻く人々の再起を促す応援の声にこたえ、諦めずに生きていく姿を描いた物語。思い描いていた未来とは違っていても、身の丈に合った生き方に幸せが訪れると教えてくれる。
  • あの日の背広
    -
    1巻891円 (税込)
    セミを探しに田んぼの近くまで来たとき、山の谷間にあさがおのような形の濃い赤色の美しい雲が見えた。その雲が広島の町を焼き尽くし、長く父を苦しめる恐ろしいものだと知ったのは、ずっと後のことだった。顔に大やけどを負った父、「戦争で幸せになる人はいない」と言い残し、二十歳になる前に戦死した叔父。悲惨な戦争で心を蝕まれた人々が、未来への一歩を踏み出すまでを描いた小説。
  • アマウツシのもり
    -
    1巻770円 (税込)
    “アマウツシのもり”は、皆いずれは辿り着く「永遠であり 無限であり 生命であり そして 愛そのもの」という場所。主人公アレクが“もり”で経験する不思議な出来事は、偶然と思っていたが、皆、出会うべくして出会ったものであることが解き明かされていく。優しさと、清浄で聖なる空気が漂い、読み手を自然に高みへと招く力のある作品で、命への感謝を気づかせる物語である。
  • 天風×通雲(あまつかぜにかようくも)
    -
    1巻792円 (税込)
    高校生男子の熱い友情と成長を描く学園ドラマ+心霊ファンタジーシリーズ第3弾。夏期講座や部活動、文化祭の準備に追われる笙太、諒平、昴のトリオ。さらに、病院で目覚めないままの美里の今後についても心配なうえ、病院の七不思議といわれる幽霊達も成仏してもらう必要がある。人生で一番忙しく、心を揺さぶられる夏休みを三人は駆け抜ける。笙太の保護者的霊、キワさんの謎も解明!
  • 雨上がりの未来に
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    1巻1,089円 (税込)
    渋谷で美容院を開いて夢を叶えたリリは、経営も軌道に乗り順調な毎日を送るも、どこか空虚感を抱いていた。そんな折、俳優兼ミュージシャンとして活動中の高校の同級生・雪を偶然見かけ、連絡を取り合うように。似た者同士でかつては恋愛関係に至らなかった雪との再会、さらに新たな出会いを経て、リリが望んだ未来とは? 音楽活動もしている著者が自身の楽曲とリンクさせて描いた小説家デビュー作。
  • 綾子とともに「反フレイル」
    -
    1巻1,089円 (税込)
    妻が認知症を発症した……。後期高齢者となった主人公・孝雄は、戸惑いつつも優しく妻とその症状を受け止め、献身的に支えていく。そして自身の病気や手術を乗り越えながら、ジムに通い、野鳥を撮影し、登山にも挑戦する。だって、人間は「人生を楽しみ、喜びを味わうために生まれた」のだから。──老い(=フレイル)に負けてなるものか。団塊男性、人生の喜びの物語。
  • アリアドネの糸
    -
    1巻990円 (税込)
    大学のキャンパスで出会い、いまは社会人となった健之、剛、郷史、そして風香。恋人の死、セクシャルマイノリティ、歳の差を超えた想い、未来への漠然とした不安といった悩みを抱える彼らの青春がみずみずしく描かれる。愛するテセウスを迷宮から救ったアリアドネの糸のように、4人の友情がやさしく絡み合い、未来を引き寄せていく、読後爽やかな作品。
  • 有内麗(ありうちうらら)のスピリチュアルな冒険
    -
    1巻1,089円 (税込)
    「南西諸島研究所」でアルバイトをしている有内麗(30代前半)は、神秘体験者たちと接触することが多い。自身も占いを習得し、占い師として鑑定をしていたこともあったが、現在は行っていない。結婚を控えた2022年のある日、研究所の先生の仲介で北方アジアのシャーマンに鑑定してもらうこととなった。麗をはじめ、30代から90代と幅広い年齢層の人々のスピリチュアル鑑定報告。
  • ありがとうがいいたくて
    -
    1巻1,133円 (税込)
    主人公の太炉を取り巻く家族と友情の物語。シングルマザーである母に対する気持ち、大学進学への葛藤と後悔、大学で出会った一生の仲間と経験、妹・花恋の非行、家族の再生、そして母の病気。めまぐるしくも素晴らしい人生を支えてくれたのは、いつも優しい笑顔を向けてくれる母だったと太炉は気づいていく。子どもを思う母、母を思う子どもの「ありがとう」という気持ちが奇跡をうむ。
  • 有咲の選択
    -
    1巻594円 (税込)
    両親が離婚し親戚のもとに預けられた有咲は、進学を諦めるよう迫られた。彼女は山中を彷徨い、一軒の大きな邸宅に辿りつく。邸宅の主人・栄一は何の気まぐれか、有咲を保護し大学進学まで援助すると言った。彼の思惑は一体? そして大学進学を果たした彼女は父親のもとへ身を寄せ、新生活で多くの人々と関わりながら自らの生き方を模索する中で、本当の愛を見出す。愛と心の救済の物語。
  • 或る過去
    -
    1巻594円 (税込)
    「……僕は、社会から逃げて逃げて逃げ回り、ついに病院に捕まる。病院、つまり医者が僕に迫ってくる。自然科学が、僕らの神聖な秘密を暴こうとする。僕はついに、医者に僕の秘密をばらしてしまう……。おお、助けてくれ。僕は、秘密を守りきる自信がないのだ……」──これは誰かが本当に体験したこと……? 青年の凶兆におびえる日々がリアルに描かれた小説。
  • ある侍従の回想 終戦を挟んで昭和三部作
    -
    1巻1,485円 (税込)
    侍従岡部長章氏の回想を中心に終戦前後の宮中の様子や昭和天皇の苦悩、政治的動乱を描いた『ある侍従の回想』。ゾルゲ事件と尾崎秀実、近衛文麿や松岡洋右らのジャーナリスト、政治家の姿を描いた『ある男の肖像』。GHQ高官と子爵夫人のロマンスを描いた『戯曲 ある晴れた日に』。太平洋戦争期の日本を背景に、昭和史の一面を多角的に照射した、実録風フィクションの三部作。
  • ある一人の男の受験物語とその後
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    1巻990円 (税込)
    老境に差し掛かった今、一局の終わりの如く感想戦をしたくなった。人生の重大な局面は折々の受験だ。勢いで受けた中学受験は準備不足で失敗、準備万端で挑んだ高校受験はうまくいったものの、心身の不調に陥り、高校は卒業するのが精いっぱい。一浪して入った大学から大学院に進み、就職。科学技術庁傘下の法人に転職する。人生の節目で経験する「受験」を通して人生を振り返る自伝的小説。

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