小説・文芸 - 筑摩書房 - 筑摩叢書作品一覧

  • 残酷物語
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    11世紀に発するフランス屈指の大貴族の家系に生まれ、ボードレール、マラルメをはじめワーグナーら当時の錚々たる詩人・芸術家たちの友情と畏敬を勝ち得るほどの才能に恵まれながら、もっぱら美と崇高への奉仕に専念し、時流と大衆に迎合した一切の文章を書くことを拒んだために、生涯を洗うがごとき赤貧のうちにおいた孤高の文学者、ヴィリエ・ド・リラダン伯爵。その得がたい批評精神の真髄を伝える28篇の全訳をリラダン研究に半生を費やした詩人、斎藤磯雄の彫琢の訳文で贈る。
  • 千利休
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    秀吉によって切腹を命じられ、悲劇的な最期をとげた利休は、いまなお日本の生活や文化のなかで大きな比重をもって生きている。本書は、利休の生涯を、世阿弥、芭蕉のそれと比較し、権力者たる信長、秀吉と結びついた利休芸術の真諦を追求した、すぐれた芸術論であり、日本文化論である。
  • 創造的人間
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    驚異的な発展を続ける科学技術の世界と、時に押しつぶされそうになる人間の生活世界。わが国最初のノーベル賞受賞者である著者が、人間の創造性の本質に着目しながら、両者のかかわり方の可能性を考えるエッセイ集。危機に立つ人間の存在と尊厳をいかに保持し発展させうるかを示唆する名著。
  • 大正文学史
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    1巻1,540円 (税込)
    好景気から社会不安へ、あわただしく過ぎた大正という時代には、完成期にある明治の作家、早熟な花を開いた大正の作家、さらに昭和へと芽を出していく作家らが多様な活動を展開していた。当時の社会思潮の推移を克明にとらえながら、大正期文学の史的再評価をおこなった労作。
  • 無用者の系譜
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    「日本には昔から今にいたるまでなぜかくも無用者が多いのか、質において高い者が、なぜ意識して無用者となったのか、日本の高級な思想や文学がなぜ世の無用者によってかたちづくられてきたのか。」この一貫した主題の下に、業平、一遍、芭蕉、良寛、秋成等から荷風に至る、いわゆる無用者となることを選びとった人々の生きざまに独自の視線を当て、日本文化の根底をさぐった異色の評論。
  • 室生犀星
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    つねに歴史の最前線で社会と格闘してきた著者が、文学の父と慕い、人生の師と仰いだ室生犀星について綴った文章の集成。「犀星観はあるがままの、あつたがままの犀星に即しなければならない」。四十年におよぶ親交に裏打ちされたその語り口が、人生的でありながら幻想的で唯美的、天衣無縫な前人未到の境地に達しえた文学者の生涯と人物像をあざやかに描きだす。
  • 明治文学史
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    1巻1,925円 (税込)
    開国から二度の戦争を経て、世界の強国へと激しく変動した明治という時代。その歴史と文学の流れを、鋭利な分析と透徹した理解力を持って論証する。西洋の大きな影響のもとに出発しながら、いつしか独自の様式を獲得するにいたった近代日本文学の特異性が明快に描き出される。卓抜した批評家の本領を示す労作。

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