佐藤健二作品一覧
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5.0ステロイドを使いたくないと言っている患者の行動を「ステロイド忌避(きらいさけること)」という言葉で皮膚科医などが表現していることについて一言述べたい。私の所で脱ステロイド・脱保湿を行って1、2ヵ月経過した患者が「すべての外用を中止すれば1ヵ月ちょっとでこんなに痒みが減り、皮膚がよくなってしまった。私はこの10年間、一体何のために皮膚科に通い、ステロイドを外用してきたのかとつくづく思う。皮膚科へ行けば『きちんとステロイドを塗ってないのと違うか』『もっと真面目に治療せなあかん』などと怒られっぱなしだった。きちんと塗ってもいたし、言われた通りに保湿もしてきました。医師は私の言うことを信じてくれませんでした。だから、ときには民間療法にも高いお金を使っていました」と言う。そして、「腹は立つけど、医師に直接文句は言いにくいです」と言って自分を慰めている。忌み嫌われているのはステロイドであろうか、それとも患者の訴えを聞くことができず皮疹の変化を認識できないステロイドー点張りの医師なのであろうか。ステロイドの新しい副作用を認識できず、またその副作用の治療を知らない皮膚科医は、ステロイド外用剤を上手に使用する専門医とは決して言えない。
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-※この電子書籍は固定レイアウト型で配信されております。固定レイアウト型は文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 イギリスでは2021年1月に、国立湿疹協会とイギリス皮膚科学会が共同でステロイド離脱症候群(外用ステロイドを中止したときに生じる酷い症状のことです)について見解を発表しました。その中でステロイド使用中のアトピー性皮膚炎患者にとっては、ステロイド外用中止も一つの治療法であることを認めました。外用ステロイドが皮膚を悪化させたことを承認し、脱ステが治療法として認められはじめた、ということです。(はじめにより)
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