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原稿は来週水曜までに
刊行未定作品が予約できる時代、ベストセラー作家の身に何が起きる!? 『ヒガシイチガヤ・ユウスケの最新作(来週水曜発売)、予約受付中』 通販サイトの表示を見た、世界的ベストセラー作家ヒガシイチガヤ・ユウスケは、自分の目を疑った。――来週発売だって? まだ原稿は書き上がっていないのに!? その時、ユウスケは締め切的にも人生的にもピンチだった。半年前に脱稿するはずの原稿はあがらず、脱稿したらプロポーズするはずができず、編集者は家に泊まり込み、彼女には愛想を尽かされかけている。なのに新刊予約受付中!?――それは人工知能が執筆速度を予測し、勝手に予約を取り始めてしまうという最新サービスの結果だった。発売情報は瞬時に拡散、世界情勢と彼女の精神性に影響を与え、彼女から「人工知能を使った執筆」を迫られることに……! あさってくらいの近未来に起こるかもしれない、作家と小説の関係の可能性を示唆している物語……のような、ラブ・ストーリー。 新城カズマ:著 賀屋聡子:編集 Novel Jam 2017 最優秀賞作品 -
ワナビよ、(死んでも)大志を抱け!
全ワナビ必読!元ワナビがワナビに贈る純?文学 「なんだその本は。くだらない」ワナビな日々を経てようやくデビューを果たしたばかりのライトノベル作家、坂東太郎を容赦なく襲う父(読書家。ただし純文学限定)の一言。ニートからワナビ、ラノベ作家というルートは是か非か。苦悩する坂東を救ったのは、 ある元祖ワナビが残した一冊の本だった。著者の実体験をベースにしたショートストーリー。 Novel Jam 2017 出場作品 -
30年後へ「逃げ残り」
父娘をつなぐ1枚の馬券。「勝ち負け」の外に、広がる世界がある。 2012年10月28日、府中市・東京競馬場。そこには驚きの「大逃げ」を打つ競走馬と、その一頭に思いを託す一人の男がいた――。 ひょんなことから、その時の手帳を見つけた彼の娘は、ギャンブルとは無縁のはずの父の肖像を探し始める。謎解きの延長線上に浮かんだ老人から聞いた、驚きの真実とは……? Novel Jam 2017 出場作品 -
老人とプログラム言語
古いプログラム言語を操る老人と、介護アンドロイドの秘密とは…… 「世界中の滅びたデジタルの遺産を探している」「そんなことに意味があるのかね」「俺は外の人間だ。外から来て、空白を埋めて、帰る。それでいいと思っている」「あの子を外に連れて行ってくれないか」――突然現れたデジタル考古学者マコトと、ずっと一緒にいたミコロフ爺さんの会話。介護アンドロイドの少年は、部屋の外でそれを聞いた。 古いプログラム言語の仕事を、細々と請け負うミコロフ爺さんただ一人が入居者の老人ホーム。アンドロイドの少年は爺さんと二人、静かに過ごしていた。そんな暮らしが、“外の世界”から来たマコトの乱入で激変する。刺激に満ちた“外”の情報、疑問にも思わなかった、爺さんに発注される“仕事”の真相。珍しいプログラム言語を収集しているというマコトの行動は、爺さんと少年の日常を壊してしまうのだが……。「行け。お前には外の世界がある」――これは老人にそう告げられ、少年が外に旅立つまでの、とある物語。 松永肇一:著 賀屋聡子:編集 NovelJam 2017 海猫沢めろん賞作品