伊与原新 - 新潮社作品一覧

  • 八月の銀の雪(新潮文庫)
    4.0
    憂鬱な不採用通知、幼い娘を抱える母子家庭、契約社員の葛藤……。うまく喋れなくても否定されても、僕は耳を澄ませていたい――地球の中心に静かに降り積もる銀色の雪に。深海に響くザトウクジラの歌に。磁場を見ているハトの目に。珪藻の精緻で完璧な美しさに。高度一万メートルに吹き続ける偏西風の永遠に。表題作の他「海へ還る日」「アルノーと檸檬」「玻璃を拾う」「十万年の西風」の五編。(解説・橋本麻里)
  • 青ノ果テ―花巻農芸高校地学部の夏―(新潮文庫nex)
    4.0
    東京から深澤が転校してきて、何もかもおかしくなった。壮多は怪我で「鹿踊り部」のメンバーを外され、幼馴染みの七夏は突然姿を消した。そんな中、壮多は深澤と先輩の三人で宮沢賢治ゆかりの地を巡る自転車旅に出る。花巻から早池峰山、種山高原と走り抜け、三陸を回り岩手山、八幡平へ。僕たちの「答え」はその道の先に見つかるだろうか。「青」のきらめきを一瞬の夏に描く傑作。
  • 磁極反転の日(新潮文庫)
    4.3
    地球のN極とS極が反転し始めた。大規模地磁気嵐が発生し、東京上空にオーロラが出現。異様な寒冷化と降り注ぐ宇宙線に不安が広がる中、女性記者浅田柊の耳に奇妙な話が聞こえてくる。都内の病院から妊婦たちが次々と失踪しているというのだ……。謎の団体、脳科学の闇、不可解な妊婦の死。取材の果て、柊が突き止めた恐るべき真相とは。パニックSFの新たなる傑作。『磁極反転』改題。
  • 蝶が舞ったら、謎のち晴れ―気象予報士・蝶子の推理―(新潮文庫nex)
    3.8
    天気予報が大嫌いな気象予報士・菜村蝶子と幼なじみの探偵・右田夏生の元に舞い込んでくるささやかな、でも奇妙な依頼の数々。降らなかったはずの雨や半世紀以上前の雷探し、“誘拐”されたバイオリンや早咲きの桜に秘められた想いを解き明かす鍵は天気予報! 明日の天気を願う時、それは誰かの事を想う時――。あなたの心の雲もきっと晴れるハートウォーミングお天気ミステリー。
  • 月まで三キロ(新潮文庫)
    4.2
    「この先にね、月に一番近い場所があるんですよ」。死に場所を探す男とタクシー運転手の、一夜のドラマを描く表題作。食事会の別れ際、「クリスマスまで持っていて」と渡された黒い傘。不意の出来事に、閉じた心が揺れる「星六花」。真面目な主婦が、一眼レフを手に家出した理由とは(「山を刻む」)等、ままならない人生を、月や雪が温かく照らしだす感涙の傑作六編。新田次郎文学賞他受賞。(対談・逢坂剛)

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