ごくろうさんのレビュー一覧
レビュアー
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ネタバレ 購入済み
まさかとは思ったが
広い屋敷と体の渇きを持て余した女&執事兼使用人の年寄り男。他の作品にも同様の取り合わせがあったが、本作の読後感は妙な表現だが、ホッとした、というもの。何しろ「女主人」では、老いた男の下半身の描写が飛び出して「勘弁してくれぇ」と内心絶叫したものであったから。この「閨」ではさいわい、憂き目に遭わずに済んだ。それは良いのだが、男女の営みも、ない。主人公は25歳の社長夫人。夫以外の男性経験がない、結果的にではあるがいわゆる一棒主義を維持したまま夫婦であることを続け、そのためか、どこかウブさをとどめている女性。ある時夫が長期出張で家を空け、夜間は家政婦も引き上げ、ヒロインと前出の老執事のみ。淋しさのせい
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購入済み
妖精に魅せられて
タイトルともなっている「森の妖精」とはいったい何者なのか、は明かしません。本作品は雰囲気で読ませる藍川作品の中でお特にヤマ場である男女の営みに持っていくまでの過程が秀逸です。舞台は十和田湖、八甲田山。京都など古都をよく場所に用いる著者にしては珍しいが、北東北の数々の名所の美しさがヒロインの揺れ動く心情に投影され、妖精の魔法にかかったがごとく甘美な空間を演出しています。性描写も丹念で、一歩一歩丁寧に読者の気分を高めてくれます。ただ一つ、個人的な趣味かもしれないが、ヒロインの設定が子持ちというのがちょっと、生活感が出てしまい、盛り上がりを冷ましてしまうかも。そのため星は一つ差し引いて四つとしました
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購入済み
購入済み豪華カタログ
フランス書院、と言えば、三笠書房が提供する官能小説分野の老舗レーベルであり、こうしたベスト盤を発行してもらえるのは本当にありがたい。投稿者の興味のない作風の著者も載っているため全てに目を通したわけではないが、通読すると時代の流れがよくわかり、貴重な資料である。黎明期はひたすら男性読者の性的関心をひくような、一種暴力的でさえある性格の作品が多いが、時代が下るにつれソフト化・現実化路線を辿っているように感じられる。この世界も多様化の流れの圏外ではなかったということか。ただBOOKLIVEさん、こうしたベスト盤を取り扱うのであれば、掲載されている全作品を販売しなきゃね、と思った。
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購入済み
和で雅な藍川文学の代表作
藍川女史の作品は、和服の女性が多く登場し、流麗で雅な文章に乗せて読者を耽美な世界にいざなう、といった特長があるが、本作はそのエッセンスが凝縮された象徴的な作品といえる。
主人公は16歳の、少女といっていい年代。早くに母親を亡くし、父の再婚を機に叔母夫婦の家に身を寄せるが、叔母の配偶者である和人形職人が屈折した性癖の持ち主で、そこから男女のアブノーマルな物語が展開していく。
シリーズ全4編という大作で、第1作となるこの「夜の指」は、その後のより大きな広がりを期待させつつ終幕となる。性愛小説にはちがいないが、どこか甘く気怠い耽美さを持った純文学作品のような性格を併せもっており、女性でも安心して -
購入済み
猛女、獅子奮迅だが
急死した親のリリーフで、飲食チェーン企業の経営に乗り出した若い女性社長が主人公。読み始める前のイメージは男勝りの主人公が次々と異性を征服していくというものであったが、ちょっと予想とちがった。パワフルな女性にはちがいないが、そのエネルギーは自社に就職志望の若い男のコたちを自分のオモチャにするこに向けられる、というスジ(男のコの調教シーンはもう少し抑えられなかったか)。かとおもうと70男のまるで従属的な副社長の局部表現があったりと、特に後半は主人公と不釣り合いな世代との絡みが目につき、正直気分が萎えた。壮年の男との逢瀬もあり、また主人公の友人の美女も登場してある程度見せ場をつくるものの、主人公のキ