よしさんのレビュー一覧
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最初は少し怖い話なのかなと思った。家出をして、知らない場所の夜の海で不思議な少女に出会うという設定は、どこか不気味で緊張感があった。しかし、読み進めていくうちに、怖い物語ではなく、孤独や家族への複雑な気持ちを抱えた人の心を描いた物語なのだと感じた。
特に印象に残ったのは、主人公が家を飛び出したときの気持ちである。家族に対する不満や、自分のことを分かってもらえないような苦しさは、誰にでも少なからず経験があるものだと思った。だからこそ、主人公のどこか遠くへ行きたいという気持ちが他人事には感じられなかった。
また、夜の海や白いワンピースの少女など、少し怖さを感じる描写が多いのに、読み終わった後には不思議と温かい気持ちが残った。読み終えると、この物語で描かれているのは幽霊よりも、人が誰かに出会うことで心が変わっていくことなのではないかと思った。
短い物語なのに、登場人物の気持ちが細かく描かれていて、家出という行動の裏にある誰かに分かってほしいという気持ちが伝わってきた。 -
購入済み
クリスマスという特別な日の雰囲気と、少し不思議な出来事が組み合わさっているところが面白いと感じた。探偵が登場するため、事件の謎を解いていく物語なのかと思っていたが、単純なミステリーではなく、人とのつながりや優しさが描かれている作品だと思った。
登場人物たちの会話や出来事がどこかユーモラスでありながら、読み終わった後には温かい気持ちになれるところである。大きな事件が起こるわけではないが、何気ない出来事の中に意味があり、それが最後につながっていく展開が伊坂幸太郎さんらしいと感じた。
クリスマスという「誰かと過ごすこと」や「人とのつながり」を意識しやすい日に物語が設定されていることで、登場人物同士の関係がより印象的に感じられた。ミステリーとして楽しめるだけでなく、人を思いやる気持ちについても考えさせられる作品だった。 -
購入済み
恋愛というより人との繋がり
人とのつながりは、会わなくなったからといって簡単に消えてしまうものではないのだと感じた。主人公は姉の元恋人たちと関わる中で、別れてしまえばその人との関係も終わってしまうものだと思っている。しかし、物語が進むにつれて、過去のつながりが思っていた以上に今の自分たちに残っていることが分かり、その描き方が印象に残った。