【感想・ネタバレ】食べる時間でこんなに変わる 時間栄養学入門 体内時計が左右する肥満、老化、生活習慣病のレビュー

あらすじ

朝たくさん食べるより夜たくさん食べるほうが太りやすいなど、同じものでも食べるタイミングによって、身体への影響が違うことを、私たちはなんとなく感じています。夜の締めのラーメンは、魅力的ですが、罪悪感が伴ったりもします。そのなんとなく感じている、食べる時間による身体へ影響が、科学的に解明されつつあります。つまり、生物学的に言えば、食行動は、生体に朝・昼・夜など時間軸で起こっている種々の生化学的・分子生物学的変化との関係で説明できるということがわかってきたのです。
食事が体調にどう左右するかは、種々の要因が絡みあっていますが、その一つで大きな要因であるのが、体内時計の働きです。「腹時計」がすぐ思い浮かぶかもしれませんが、体内時計にもいくつかの種類があります。さらに時計遺伝子というものが次々に発見されて、体内時計のさまざまな役割などを担っていることも研究されています。
本書では、これらの体内時計や時計遺伝子のしくみをわかりやすく解説します。また、実際の食材や食品が、摂取する時間帯によって、どのように体への影響を及ぼす可能性があるか、いろいろな実験を元に紹介します。食べ物とそれを摂る時間などによって、血糖値や腸内細菌、脳への影響と、さらに肥満や睡眠、病気などとの関連も解明されてきているのです。たとえばカテキンを多く含むお茶は、朝摂る場合と夜摂る場合で血糖値の上昇に差が出たり、トリプトファンを多く含む大豆製品や乳製品、バナナや卵などを朝食に摂ると、夜の睡眠に効果的だったり、ということがわかってきています。また、子供の場合、シニアの場合で、当然「時間栄養学」が違ってきます。そのような多くのケースをそれぞれ詳しく解説します。
時間に影響を受けるのは、食事だけではなく薬の効果や、運動の効果などもあります。時間栄養学と関連して紹介しながら、体内時計の不調である時差ボケについてや、この時間栄養学を健康により役立っていく可能性についても触れます。
第1章 体内時計とはなにか
第2章 時間栄養学――「いつ」「何を」「どう」食べるかで体が変わる
第3章 食物繊維を摂るタイミングで、血糖値や腸内細菌はどう変わるか
第4章 体内時計と代謝――間食は摂ったほうが体にいい?
第5章 時間調理学――時間によって調理を変えると体も変わる
第6章 ライフステージ別の体内時計――胎児から高齢者まで
第7章 時間薬理学――なぜのむ時間が決まっているのか
第8章 時間運動学――朝の運動と夕の運動で脂肪の燃え方が違う!?
第9章 体内時計の不調に夜、さまざまな「時差ボケ」
付録章 AIと時間栄養学

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Posted by ブクログ

食べ合わせはあることは知っていたが、食べる時間によって変化があるとは知らなかった。




寝る前に腹がエアバックのように膨れるくらい食べると体に悪い程度は知っていたが。





体に何を取り入れるかによって体内時計に影響する。豆類や大豆加工食品などに含まれているL−セリンという物質は、マウス実験で明暗周期が促進されて、新しい明暗環境に慣れる時間が短縮させる。




夕食時の緑茶は、血糖値を抑えるのにいいとある。高濃度カテキン緑茶を飲むことによって、食後の血糖値の抑制に効果があった。




また、世代によっても違う。青春を送っている若者と高齢者とでは体内時計に違いがある。




時間は遅刻しないようにチェックするだけではなく、体内に入れる飲食物の成分がどのように作用するのか見るためのものだと実感した。

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2021年12月25日

Posted by ブクログ

いつ、どんな栄養(食材)を摂取するのが良いのか、が書かれてました。

朝ご飯に、タンパク質豊富な食事するのが睡眠に効果大なのね。

間食も夜が遅くなるときは有効というのも目から鱗。

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2023年06月24日

Posted by ブクログ

体内時計の仕組みから始まり栄養摂取や運動のタイミングを考察する。細かい記述が多いので具体的にどうすればいいのかがぼやけてしまうのが難点。

きっちりとした理系の記述ならやむを得ないのだろうが、自分の求めていたいつどのように食事のメニューを組み、運動すれば良いかが分かりにくかった。丹念に実験結果を記載するどうしてもこうなるのだろう。

多分、結果として朝型で夕方以降は運動もカフェイン等の刺激物も避けましょうとちう内容。それを科学的に裏付けている。

理系の知識がある読者には違った良さがあるのかも。

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2021年11月20日

Posted by ブクログ

今回ブクブクの献本企画でこの本を読ませていただいた。先日の人間界ドックで悪玉コレステロールの値が高かった私にとって、タイムリーな内容だった。難しい説明がどれだけ理解できているか、少々不安だが、生き物の生命維持にとって体内時計は大変重要であることを知ったことは今後の生活に貴重だ。現代の日本人の多くが飢餓に直面することが少くなったドックで思うが、豊かな食生活と引き換えに多くのストレスを抱えていると思う。それから引き起こされる身体の不調も、この本が示す食する物をいつ食べれは効果的か、は大切か知識だと感じた。自分の身体の不調を感じでのいる人には有益な著書だと思う。

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2021年09月10日

Posted by ブクログ

この分野の研究の精度はまだまだ低いが、なかなか刺激的かつ、興味深いジャンルである。
朝の筋トレや有酸素運動はまだ習慣化できていないが、本書を読むことで、朝に運動を取り入れていこうという思いが増した。

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2021年08月27日

Posted by ブクログ

ブルーバックスだしハウツー本ではないから自分で理解して応用しないと具体的にこんな食べ物をこんな時間に食べると良い、らしいことを読み取れない。
対談形式にするとか、多分効くんじゃないかな程度でも良いから章末まとめとかが付いていればヒットするのではと思う。
自分に参考になりそうな項目をつらつらと。

食でインスリンの分泌を促すものは体内時計を調整しやすい。朝カレーとか。
夜食は、体内時計を遅らせて夜型になる。
朝型の方が運動のパフォーマンスが高い。
オルチニンを摂ると夜型にシフトする。例えば蜆
グリシンを摂ると朝方にシフトする。例えば豚肉、帆立、烏賊
朝食に蛋白質を摂ると夜の睡眠に効果的。トリプトファンのサプリ、大豆製品、乳製品、バナナ、卵
高脂肪食では体内時計が遅れる。
ピセタノールは抗肥満効果と体内時計を前進させる効果がある。例えばパッションフルーツ。似た構造式→赤ワインのポリフェノール
朝食に、でんぷんと水溶性食物繊維や魚油を摂るとインスリン分泌効果が強化されて、体内時計のリセットにつながる。
ザクロのポリフェノール、ウロリチンA(UA)の午後摂取は超夜型を改善するかも。午前摂取は超朝方化を防ぐかもか。
GABAは睡眠を助ける。トマト、パプリカ、バナナ、メロン、乳酸発酵食品
トマトは朝、食べると抗酸化物質が増える。
納豆は夜。
カフェインは朝に摂取すると体内時計をリセットする。
肥満は、腸内細菌叢の不健全化によるもの。
朝の水溶性食物繊維(プレバイオティクス)は、糖や脂肪の吸収を抑える。
イヌリン→牛蒡を朝摂ると腸内細菌叢がよくなる。
朝食は、腸の蠕動運動を盛んにする。
絶食(夕食後、時間を空けた)後の朝食は、大事。
同じものを食べても夕食の方が血糖値が上がる。遅い夕食ほど顕著。夕食後に緑茶を飲むと抑えられる。
セカンドミール効果=朝食に血糖値が上がりにくいものを食べると、昼食時にも効果がある。
夕食が遅くなる時は間食、食物繊維の多いもの。
食物繊維が豊富な間食、例えばSUNAOクッキーは血糖値を抑える。
一日の食事を8時間以内に取る。実用的には12時間以内に取る。
一日一食は飢餓状態になるのでよくない。7回以上だと総カロリーが増える。昼夜2食はダメ。
睡眠時間が少ないと肥満になる。
緩い絶食。毎日70%または、一日おきに25%。
朝食にツナ缶を食べる。
緑茶は夜、カフェインレスを。
朝摂取のカフェインは末梢時計の朝型化、抗肥満効果
花粉症のピークは朝と夕方。夜中の抗体蓄積を避けるため薬は夜寝る前に飲む。
夜の運動は体内時計を後ろにずらす。
筋トレは夜のほうが筋力は高いが筋肉量は変わらない。
脂肪燃焼は朝食前。夕方はアドレナリンが分泌されて脂肪燃焼増大。
時差ボケ対策は3日前から現地の食事時間に合わせる。

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2024年05月23日

Posted by ブクログ

初めて読む分野なこともあり、私にとっては少し難しかったので完璧に理解したとはいえないが面白い内容だった。
今までよりも効率よく健康を目指せる本である。読むとお得な本だと思う。
(難しかったから星3つ)

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2024年04月01日

Posted by ブクログ

昔から朝6-8時には起きてきた朝型だが睡眠の質は常に低く一日中眠い日が多い。よりいい朝を迎えるために選書。

時間によって食べるべきものが違うのはわかっていたが体内時計を意識していたわけではないので、自然と調和する身体のメカニズムから時間生物学を知れておもしろかった。 

★自分に合った体内時計の設計をする
★体内時計の大きなしくみ、はたらきを理解しながら、私たちの健康な生活に効果のある対策を立てていくことが必要
★化粧品や食事(フルーツや野菜)、服薬、運動も
★週間栄養学

【朝食】
・少しでも糖質をとる(バナナ、一口白米)
・必ずタンパク質をとる
・しっかりめに食べる

【夕食】
・必ず低GI(お菓子、じゃがいも、特に白米と小麦は×)
・量は少なく
・遅くなる場合は分けて食べる

【休日】
・朝は我慢して午前中にタスク終わらす!
・午後はおやつ食べてok

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2022年10月14日

Posted by ブクログ

何をいつ食べるかという、食べるタイミングによる体の影響を調べた「時間栄養学」について解説された一冊。年齢別にどのタイミングで何を食べたら健康になれるのか?睡眠が安定するのか?といったことが説明されていて面白い。時間栄養学とは別に、いつどういったタイミングで運動すると健康的かを調べた「時間運動学」も収録されている。食べるタイミングはダイエットする際にも重要になってくるので、既存のダイエット法を試しているけどうまくダイエットできていない人とかにオススメ。

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2022年07月22日

Posted by ブクログ

日々の生活、健康の基礎となる食事。ただ、何を、どれくらい食べるかは気にしても、いつ食べるかは、あまり気にしていないかもしれない。「何を」「どれくらい」食べるかに、「いつ」食べるかの視点を加えたものが時間栄養学である。

生き物の24時間は、体内時計の影響下にある。そのため、いつ食べるのかによって、体内に取り込んだ栄養の効果が異なるという。朝食べるか、夜食べるかで、血圧や血糖、筋肉量への効果が異なるというのだ。

本書は一般向け解説書であり、入門と銘打っているものの、内容上エビデンスは重要なため、所々なかなか難しい内容が出てくる。正直、1章はほとんどわからなかった(笑)。しかし、そこを読み通すと、次章からはひたすらにトリビア的なトピックが続く。あまりに沢山の情報が並ぶので、これを全部取り入れるのは無理である。血糖値、体脂肪、睡眠、筋肉等、気になる箇所を拾い読みするのも手だろう。

著者は研究者であり、医療関係者ではなさそうだ。本書は一般読者が読んで生活に取り入れることを念頭に置いているのだろうが、医師やリハビリ職がこの概念を治療に取り入れて成果を上げている例はあるのだろうか。そういうエビデンスがたくさん集まってくると、また読み方も違ってくるように思う。

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2022年06月20日

Posted by ブクログ

結論:夜は食事に向いていない
よく寝て,朝起きたら光を浴びて,食事を取って,日中活動して,暗くなったら食べすぎずに眠る。食事は栄養素の状況に応じてバランスよく,特に繊維とミネラルは忘れずに。→健康!痩せる!元気になる。
時間栄養学があるなら時間〇〇学はありうる。
時間心理学,時間学習科学は本書でも内容として少し触れられている。学部時代の生理心理学を思い出す。

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2022年05月23日

Posted by ブクログ

その食べ物は、1日のうちどの時間帯に食べれば良いのか。運動は朝が良いのか夜がいいのか。そういったことが、さまざまな研究結果や学術的な記載によって解説されているのだが、正直、研究結果や学術的な表現はあまり馴染みがないせいか、少し退屈に感じてしまった。
研究されている内容は良いのだろうし、目的も有意義ものだということはよく伝わってきたので、著者には酷なのかもしれないが、もっと一般の、つまり研究者以外の人に分かりやすく表せる文章力だったり語彙が有れば、おんなじ内容を書くだけでも再出版されるなら、自分は買うと思う。

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2021年10月23日

Posted by ブクログ

体内時計が一箇所だけじゃないそうだ。だから時間によって働きも違う。内容がふーんって感じで、今の自分と興味が合わなかった。

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2021年08月28日

Posted by ブクログ

タイマー的な機能を持つ遺伝子があり、さらには体内の臓器や細胞で複数の時計機能があるという知見は興味深い。しかし実際に栄養や服薬が体内時計とどう関わってくるかについては、現状ではマクロレベルの研究が中心でなかなかメカニズムまで踏み込めていない様子が伺えて、「養生訓」レベルの記述からまだ抜け出せない印象。ミクロバイオームなどと同様、将来的にはもっと研究が進むことだろう。

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2021年08月26日

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