あらすじ
「人新世」(人類の経済活動が地球を破壊する時代)というウソがまことしやかに唱えられている。彼らは「脱成長」を唱え、「環境危機の時代を克服するには、資本主義による経済成長を諦めるべきだ」という。この一見、倫理的に思える脱成長論は、じつは社会主義・共産主義の復活を目論むレトリック、仮面である。経済成長を止めて全体のパイを減らし、弱者をよりいっそう貧しくさせる「罠」なのだ。資本主義よりも共産主義のほうが環境破壊を生むことは、かつてのソ連や現代の中国を見れば明らかだろう。また、気象関連災害による死者は経済成長とともに大幅に減少してきた。「人類はかつて自然と調和した素晴らしい生活を送っていたのに、資本主義と経済成長のせいで自然に復讐されている」という物語は、事実に反する。社会主義の大失敗と資本主義が人類を救ってきた歴史、自由な生活と経済成長がコロナ禍と貧困・格差、地球環境問題を解決できることを示した一冊。
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共産主義はただただ地獄
脱成長と環境保護に共産主義が加わった議論を元にした本がベストセラーになっているが、本書はその議論のナンセンスさを歴史とデータに基づいて分かりやすく説明する。
そもそも、共産主義の計画経済は自由な資本主義より効率が良い→高成長だという主張が出発点だったが、それは大嘘で、いつのまにやら脱成長に鞍替えしてるのが馬鹿らしい。しかも、共産主義は経済成長はしないくせに、ものすごく非効率な生産活動をするので、とんでもなく環境破壊もしていたのだ。
良い所なしの共産主義なのだが、共産主義や社会主義への憧れを持つ人は、どうしても一定程度出てきてしまう。だから、自由な資本主義を実践できる国は、経済成長して技術革新を起こし、効率の良い資源の使い方をしたり、炭素税を市場取引できるような法整備をしたりして、環境に配慮した上で人間が幸せに暮らせる社会を作ることで、資本主義の方が絶対良いと多くの人に思ってもらえるような政治経済をやらないといけない。
柿埜さんのミルトン・フリードマンの本はフリードマンの誤解を解く名著だった。本書も、脱成長コミュニズムの大いなる矛盾を説明する名著だ。