【感想・ネタバレ】自由と成長の経済学 「人新世」と「脱成長コミュニズム」の罠のレビュー

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社会主義で世の中が良くなる事は無い。単なる反動思想であって資本主義は自由と豊かさをもたらす。 それはデータを見ればわかるし、むかしのくらしは思っているような理想ではなく、かなり貧しいものであることを理解していない 脱成長コミュニティーに理想の未来はない

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2023年02月28日

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脱成長コミュニズム論者に痛烈な批判を与えている。これだけ言い切る論者をひさびさに出会った。現在世界では民主主義国家より独裁国家が数が多く、面積も広い、というのは、まだまだ変わっていける余地があることを示している。

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2023年02月01日

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池上彰氏や斎藤幸平氏などの人たちが、資本主義による悪影響を唱える本を著していて、そこで定義している「脱成長コミュニズム」は、環境保護や心の豊かさを名目に既に破綻しているマルクスの構想を礼賛しているが、それは大きな間違いだと本書は説いています。斎藤氏の著書である「人新生の「資本論」」主張されている内容は、資本主義の恩恵を一部受けながら、共産主義体制に立ち戻ることであり、大きな矛盾を孕んでいるということ。本書で著されている内容は実に納得のいくものであり、資本主義の良さを見つめなおす良い契機になりました。

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2022年11月03日

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この本より前に読んだ「人新世の資本論」よりかなり面白かった。「人新世~」では読んでても「そうか?」と疑問に思うことが多かったんだけど、この本は読んでて「それな!」と思うことが多かった。
それだけではなくて、今の停滞を許している自分を見直すきっかけにもなりそう。文章も軽快で面白く、読んでいて退屈しなかった。

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2022年04月22日

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為政者は、古き良き封建制、社会主義に、本能的に世界を傾けようとする。富と力を極端に己に傾けるのにとても都合が良いからだろう。

戦後日本は一時的に為政者の力が弱まり、資本主義と民主主義の下で繁栄した。
しかし、次第に為政者の地位が固定化してくると、民衆を誘導しながら元に戻ろうとする。
オリンピック、コロナ、環境問題、様々な理由で言論、思想の統制をはかり、自らのユートピアを作り上げようとする。

為政者サイドだと考えている知識人の言葉にも注意が必要だろう。

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2022年02月08日

ネタバレ 購入済み

共産主義はただただ地獄

脱成長と環境保護に共産主義が加わった議論を元にした本がベストセラーになっているが、本書はその議論のナンセンスさを歴史とデータに基づいて分かりやすく説明する。
そもそも、共産主義の計画経済は自由な資本主義より効率が良い→高成長だという主張が出発点だったが、それは大嘘で、いつのまにやら脱成長に鞍替えしてるのが馬鹿らしい。しかも、共産主義は経済成長はしないくせに、ものすごく非効率な生産活動をするので、とんでもなく環境破壊もしていたのだ。
良い所なしの共産主義なのだが、共産主義や社会主義への憧れを持つ人は、どうしても一定程度出てきてしまう。だから、自由な資本主義を実践できる国は、経済成長して技術革新を起こし、効率の良い資源の使い方をしたり、炭素税を市場取引できるような法整備をしたりして、環境に配慮した上で人間が幸せに暮らせる社会を作ることで、資本主義の方が絶対良いと多くの人に思ってもらえるような政治経済をやらないといけない。
柿埜さんのミルトン・フリードマンの本はフリードマンの誤解を解く名著だった。本書も、脱成長コミュニズムの大いなる矛盾を説明する名著だ。

#アツい #タメになる

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2021年10月12日

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脱成長コミュニズムは誤りだ、という論調をもとに書かれた本。とくに斎藤幸平氏の人新世の資本論に対するアンチテーゼとして書かれている。

私自身、斎藤幸平氏の書籍を読んで、脱成長コミュニズムに魅力を感じていたが、本書を読むことで脱成長コミュニズムのデメリットも感じるようになった。
公平を期すと、双方の議論が噛み合っているのか、重箱の隅を突くような議論になってしまっているかは、私には判断つかなかった。
とはいえ、脱成長コミュニズムの危険性は大いに感じることができた。

今の私の考えとしては、新自由主義はダメだが、共産主義はもっと危険という理解である。

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2023年09月01日

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今日経済的に豊かで、個人が文化的で健康的な日々をおくることができるのは自由経済資本主義による恩恵が非常に大きい。
一方で、社会主義(共産主義)的体制がそういった豊かな社会を形成することは不可能だということは、歴史を見ても現代の独裁国家を見ても明らかである。

なにも斎藤氏は社会主義を標榜している訳でもないと思うが、「脱成長コミュニズム」がユートピアであり、仮に移行できたとしても結局は「気候毛沢東主義」と斎藤氏が非難しているような、全体主義体制へと突き進んでしまうというのは一定理解できた。

そうだとして、現代資本主義が抱える問題に対して「資本主義ほどうまくいっているシステムは歴史上存在しないから」と目を背け、人類はこのまま資本主義を突き進んでいいものなのか?
筆者は、2100年に平均気温が2℃くらい上がったところで経済成長は続くし、現に日本より暑いシンガポールはあんなに経済発展しているでしょ?と言っているが、さらにその100年後も平均気温が上がり続けたとしたら同じことを言ってられるのだろうか?

反資本主義、資本主義礼賛主義の両端に位置するような2冊を続けて読んで思ったのは、資本主義は素晴らしい、だけどベストではないからポスト資本主義を模索しなければならない、ということ。
2冊とも文章が軽快でおもしろく、歴史・経済・政治思想の勉強になった。

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2023年04月22日

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経済成長と多様性が社会を豊かにし自然にも効果的。19世紀〜20世紀の民主・資本主義VS社会・共産主義の結果分かって来たこと。
資本主義の利点が整理された。

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2022年06月14日

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本書を一言で表すなら「人新世の資本論」へのデータに基づく反論の書、ということになるだろう。よって「人新世〜」の主張に共感出来なかった方は読む価値があると思う。
一部「市場の力を過信」しているように感じる部分があるが、これは「資本主義を前提としたうえでの価値観の違い」と整理できる範囲だと考える。

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2022年05月22日

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『人新世〜』に対する、資本主義支持者からの反論のテイスト。個人的には資本主義による恩恵に対する説明に合理性があった。行き過ぎた資本主義の是正などは必要かと思うが、それを社会主義では解決できないと思う。
真っ向から対立する内容を書く事で資本主義の自由さを体現しているのかもしれない。

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2022年02月21日

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資本主義の観点から昨今人気の脱成長コミュニズムに対する批判の書。資本主義はプラスサムゲームであるのに対して、コミュニズムはゼロサムゲームであるということが全てのカギだろう。脱成長が目指す社会はパイの大きさが一定、もしくは減少していく社会であり、必然的にゼロサムゲームになる。その社会は限られたパイをどのように分配するのかという点にフォーカスが当たるため、必然的に排除の論理が働く。外国人やマイノリティーだけでなく、脱成長コミュニズムに反対する論者にはパイは分け与えられず、過去の共産国家の例に倣えば、国外追放や粛清につながるリスクすらある。また、途上国との関係においても脱成長である以上、途上国との間でもパイの分配をする必要が生じ、先進国の富は途上国に分配する必要があるだろう。そのためには先進国の生活水準は現在の半分以下にせざるを得ない。そのような生活に現代の日本人、先進国の人間が耐えられるのか。そうでなければ、先進国の中でだけで分配せざるを得ないが、その場合、途上国の貧困は放置するのか。また、ソ連、中国、東欧、カンボジア等、過去に共産主義体制をとった国では、大量の粛清が行われただけでなく、公害問題は放置され、産業も成長しなかったが、脱成長コミュニズムを考える人々はこのような過去に戻るリスクを許容するのか。加えて、脱成長コミュニズムに親近感を覚える多くの人が、環境問題に危機意識を持っていると思うが、その問題でさえ、資本主義化で成長し、環境技術への投資が行われること、技術革新が行われることが必須であり、そうでなければ我々の生活水準を半分以下に落とさなければならない。
それほどまでに脱成長でゼロサムゲームの世界を目指すことは荒唐無稽な話なのにも関わらず、これほどまでにリベラルな人々が脱成長の甘言に騙されてしまっている。リベラルな人々は、脱成長のようなくだらない話に囚われるのではなく、個々の問題を技術的に社会政策的に解決することを考える方が、迅速だし効果的である。マルクス・エンゲルスにしても、今読んで面白いのは、彼らのジャーナリスティックな文章であり、そこでの問題を具体的に解決する方法を考えた方が、社会への貢献度も高いのだ。

“アダム・スミスの『諸国民の富』のカギとなる洞察は、誤解されそうなほど簡単なことだ。それは、交換が自発的なものである限り、その交換によって利益を得られるとどちらの側も信じているのでなければ、交換が実際に行われることはないということだ。経済学上の誤りの大半は、この簡単な洞察を無視して、パイの大きさは決まっていて、誰かが利益を得るには、他の人がその犠牲にならなければならないのだと思い込んでしまう傾向に由来している“(M&R・フリードマン)

“社会主義の理念は先祖返りであり、開かれた社会に部族社会の道徳を課そうとする空しい試みである。そして、こうした道徳がもし広がるならば、300余年の市場秩序があるからこそ人類が成長させてくることが出来た無数のものの存続に大きな脅威を与えることであろう“(フリードリッヒ・ハイエク)

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2021年09月18日

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明快かつ説得力のある共産主義・社会主義批判。共産主義・社会主義批判を中心とした第6章までの内容にまったく異議はないが、第7章で槍玉に上げられている斎藤幸平氏の『人新世の「資本論」』を読んでいないので、その批判が的を射たものかどうかは判断しようがない。ただ、引用箇所の内容から察するに批判対象本は相当酷い代物のようである。しかし、何でそれがベストセラーになり、もてはやされているのでしょうね?

それはともかくマルクスの唯物史観的に言えば、共産主義(社会主義)は資本主義の発展の先の段階に措定されているためか、よく誤解されるのだが、実は資本主義によって解体させられた共同体の再生を指向する復古的反動思想なのだという指摘はその通りであろう。著者は自由や成長を可能にする資本主義に対する人びとの根強い懐疑を鋭く指摘しており、興味深い(人々はまだ200年そこそこに過ぎない経済成長や資本主義に慣れてない?)。

2021.8.20追記

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2021年08月20日

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ネタバレ

斎藤幸平氏の「人新世の資本論」への反論本。
若干論点がずれているように思えるが
ズバリな箇所も多々ある。
「人新生の資本論」ではあくまで性善説に基づいた
新しい定義ではあるが、人類の歴史上、
とんでもない悪な統治者はたくさんいる。
そのあたりをがっちり解説。
夢物語ではなく、徹底したリアリズム。
かししかし、人類はいつまで100以上前の経済理論を
ベースに経済を語るのだろうか。
経済学者を名乗る方々は新しい理論を構築できないの
だろうか。

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2023年01月23日

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『人新世の資本論』の資本主義側からの批判書として話題になっていたので、読んでみた。特定の著作に対しての批判は古典ならまだしも、現代の新書でこのような形で出版されるのは珍しいのではないだろうか。

同い年の学者による資本主義vsマルクス主義というバトルでかなり期待したところはあったが、『人新世の〜』に比べると物足りなさを感じた。そもそも『人新世の〜』で語られる脱成長コミュニズムへの批判というより、20世紀的共産主義への批判が大部分を占めており、『人新世〜』の世界観を十分にふまえて批判しているのか怪しい所が多々あった。もちろん脱成長社会のユートピア的な要素、成立条件の甘さなど的を得た批判だと共感した箇所もあるが。『人新世〜』に対する資本主義側からの批判を知りたいのであれば、最終章の第7章のみ読めば十分だろう。

資本主義側には「データ」という強力な武器がある。そのほとんどは資本主義に有利なものではあるのに、それが本書では十分に活かしきれていない。広い視点で見れば、確かに人類は皆豊かになっている。「平均」の指標は良い方向に向かっている。ただ『人新世〜』の世界は「私たち」それぞれが豊かになる社会を目指しており、大多数の「貧しい者」がその主役である。自由貿易により「価値」的に豊かになること、トリクルダウンにより富が分配されること、増加する自然災害を科学で制圧することが、どのように「私たち」を「豊か」にするのか資本主義の立場から論じることで応答になっていくのではないだろうか。物質的な豊かさを得るには資本主義は必要であったし、これからの必要性を示すだけの武器も十分に揃っているような気がするので新たな批判本にも期待したいところである。

内容とは関係ないが所々誤字脱字があるのが個人的には気になった。

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2022年02月16日

Posted by ブクログ

内容は、伝統的なマルクス主義批判と資本主義の優越性を説いたもので、普遍性がある。これを乗り越える言説はなかなか生まれないと思うが、資本主義批判が絶えることもないのもまた事実。

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2022年01月30日

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