あらすじ
天才を超えた萬画家・石ノ森章太郎の「とてつもなさ」を語り尽くす一冊!
2018年9月に放送され大反響を呼んだ「100分de名著」スペシャル「100分de石ノ森章太郎」が、満を持していよいよ別冊ムック化!石ノ森章太郎の魅力・才気・緻密さを余すことなく語る尽くした一冊。4人の論考に加え、カラー口絵、竹宮惠子・島本和彦氏へのインタビューも載録。
[内容]
はじめに―石ノ森章太郎の「残留思念」が私たちを形作った
第1章『さるとびエッちゃん』ヤマザキマリ
竹宮惠子インタビュー『マンガ家入門』からすべてが始まった!
第2章『サイボーグ009』名越康文
島本和彦インタビュー「石ノ森先生が天才だと思う、ワタクシ的な理由」
第3章『佐武と市捕物控』夏目房之介
石ノ森章太郎略年譜
第4章『仮面ライダー』宇野常寛
○ほか:カラー口絵8ページ/ショートコラム「27歳で上梓した『マンガ家入門』」
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Posted by ブクログ
仮面ライダー、サイボーグ009など今も影響が残る漫画の大家、石ノ森章太郎。
009は原作も読み、未完が故の不完全燃焼感があった。
本人も作品を完成させられないことに悩んでいたことをこの本で知った。
ただ、仮面ライダー、ゴレンジャー、といった今でも続くアイディアの原石を作り上げた功績は極めて大きい。
また、主人公たちも完全な善ではなく、自分の意志通りには人生を歩めない屈折や悩みを持ち続ける複雑さがいい。
自分の特徴をもっと肯定できたらもっと楽に生きられただろうにと少し残念に思うし、そこから学びたい。
Posted by ブクログ
暫く積ん読になっていた。NHKの放送後に纏められたテキストらしい。
子供の頃、サイボーグ009は映画やテレビアニメで観ていた。最初のモノクロ版。サラサラっと描いたような描線が好きだった。
小学生の時に読んだ「漫画の描き方」の竜神沼の解説で、暗い森の中のカブトムシの背光で少年の孤独感、白い百合で不思議な少女の気高さを現わしているとあり、マンガの表現手法にビックリしたことを覚えている。
さるとびエっちゃんの編で、主人公の内面が見えない、善悪を等価に俯瞰しているの記述に納得。サイボーグ009の編でも善悪を混然一体としているとの記述もある。
サイボーグ009が神との戦いの前で長い休載となり、その後、石ノ森先生の心象風景のような不思議な続編が発表されたことも残念に思ってるけど、なんとなく石ノ森先生だからなあ、と納得している。
佐武と市は未読。探さないとなあ。
手塚治虫と石ノ森章太郎の2人の天才がいたことに感謝したい。本のなかにもあったけど、井上雄彦、浦沢直樹、大友克彦も天才だけど、この二人は圧倒的だと思う。